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区議会質問
第26号議案、豊島区立芸術文化劇場条例についての反対討論(小林ひろみ)

2018/3/26

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題となっています29陳情第22号、生活保護基準の引き下げを行わないよう国に意見書の提出を求める陳情について、不採択とすることに反対し、直ちに採択することを求め、討論をおこないます。

 厚生労働省の社会保障審議会「生活保護基準部会」が、基準の引き下げを求める財務省の意向にそって「有子世帯の扶助・加算の検証」や「級地区分の見直し」をする報告書のとりまとめを年内に行う予定となっています。
 この陳情は、今でも生活保護受給者は大変厳しい生活を余儀なくされており、生活保護基準の引き下げを行わないよう国に意見書の提出を求めるものです。

 以下、採択すべき理由を3点述べます。
 第一に、生活保護制度は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を権利として具体化するものであり、生活保護基準の引き下げが行われたなら、これは25条に違反するものであるからです。
 今回の生活扶助基準の見直しについては、5年に一度、一般低所得者世帯の消費実態との均衡が図られているか検証を行っています。
 生活保護基準は政府が定義する「絶対的」な貧困水準です。生活保護基準以下の世帯のうち保護を受けている世帯の比率である生活保護の捕捉率は欧州諸国では7〜9割です。しかし日本は、複数の研究者の推計によるとわずか約2割にすぎません。残りの約8割は生活保護から漏れているのです。その生活保護から漏れている人を含めた一般低所得者世帯と比較し、「消費実態との均衡を図る」ということは、さらに生活保護基準額が下がることはあきらかであります。
 我が党が毎回指摘している通り、生活保護制度は社会保障制度の根幹に位置するものです。だからこそ憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を権利として具体化するものでなければなりません。生活保護基準を引き下げるということは、社会保障制度全般の水準を引き下げるものとなります。

 第二に、生活保護基準の引き下げは、生活保護受給者の暮らしが、ますます深刻になってしまうからです。特に、母子加算の引き下げは許されません。
 安倍政権は、生活保護基準を2013年に平均6.5%、最大10%の生活扶助引き下げを決め、8月から3年間をかけて段階的に引き下げてきました。
 豊島区における影響も深刻です。生活保護受給世帯は、2013年は5,386世帯、14年は5,437世帯、15年は5,462世帯に増え続けています。それにもかかわらず、この3年間で金額では1億6,460万円減額となりました。特に、母子2人世帯は改訂前と比較すると、毎月7,780円(6.35%)、年間にすると93,360円も減収です。稼働年齢単身者は4,470円(5.34%)、年間では53,640円の減収となりました。
 陳情でも指摘していますが、生活保護者は、暮らしが大変厳しくなり、「食事は2食、衣類はもらいもの」「子供の教育だけは、と切り詰めて生活してきたが、もはや限界をこえた」とあるように悲鳴の声が上がるのも当然であります。
 さらに、母子加算の2万円削減の見直しも狙っています。自公政権が2009年4月に全廃した生活保護の母子加算は、民主党政権の時代に市民運動と世論の力で同年12月に復活しました。しかし今、安倍自公政権は再び削減・廃止を狙っています。子育て支援といいながら、母子加算の削減・廃止は許せません。言うこととやることが違うではありませんか。

 第三に、生活保護の改悪を突破口にして、社会保障制度の全面改悪、切り捨てを行ってきましたが、いまこそ社会保障の拡充に転換すべきです。
 陳情では「生活保護は『いのちのとりで』最低賃金や住民税の課税、就学援助制度など様々な制度の利用や減免制度に影響します。」と指摘しています。
 安倍政権は、生活保護の改悪を突破口にして、医療や介護、年金など社会保障の切り捨て政策を進めてきました。社会保障費の高齢化や医療技術の進歩による「自然増」は毎年1兆円かかるとされてきましたが、これを半分程度に抑えてきました。社会保障は、実に5年連続の「自然増削減」です。医療では、2014年度から、70歳〜74歳の窓口負担を、これまでの1割から2割に引き上げ、対象年齢を毎年1歳ずつ引き上げてきました。後期高齢者医療の低所得者の保険料の「特例軽減」を縮減し、負担増を押しつけきました。介護では年金収入280万円以上の方は、利用料の2割負担となりました。さらに2015年には、介護事業者に支払われる介護報酬が2.27%も引き下げられ、介護事業所の倒産、廃業が2年連続最高となっており、介護サービスを提供する介護基盤が大きく揺らいでいます。
 その一方で、軍事費は2年連続5兆円を超え、3年連続史上最高を更新しています。
 大企業には2年連続法人税減税の引き下げを行い、大企業の内部留保は400兆円を超えています。今こそ、軍事費を削って、暮らし、福祉にまわすべきであります。財源は、国民に増税を押しつけるのではなく、大儲けしている大企業、大資産家に求めるべきです。

 委員会審査では、自民、公明に対しては、高等教育の無償化を実現しても、生活保護基準の引き下げがおこなわれたら、有子世帯のお子さんは安心して学ぶことができないではないか。民主ネットに対しては、せっかく民主党政権時代に復活した母子加算の見直しも検討しているではないか、どう考えるか、と問うても、どの会派も意見を述べず、無言のままでした。採決では、社民党は「健康で文化的な最低限度の生活を保障すべき」として採択を主張しました。自民、公明、都民ファーストの会としまは、「部会の議論の推移を見守る」などと主張し不採択としました。民主ネットは「状況を見守りたい」として、当初継続を主張しましたが、否決されると不採択としました。結果、陳情は不採択となりました。区民の願いに背を向けるものと言わざるを得ません。

 所得の再分配機能をもつ社会保障の削減を続けた結果、格差と貧困がますます広がり、国民の消費も低迷し、経済も低迷しています。生活保護基準の引き下げを行わず、社会保障の拡充にこそ向かうべきです。
 よって、29陳情第22号 生活保護基準の引き下げを行わないよう国に意見書の提出を求める陳情は直ちに採択すべきことを強く求めるものであります。
 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。