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区議会質問
第40号議案 豊島区国民健康保険条例の一部を改正する条例についての反対討論(儀武さとる)

2018/3/26

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、
第35号議案、平成30年度一般会計予算、ならびに
第36号議案、国民健康保険事業会計予算、
第37号議案、後期高齢者医療事業会計予算、
第38号議案、介護保険事業会計予算の3特別会計予算に、反対の立場から討論を行います。

 国の予算案は、毎年増額を続けてきた軍事費は5兆1,911億円とまたも過去最大を更新する一方、社会保障費の「自然増」は今回も大幅にカットしました。大企業向けの新たな減税措置も露骨です。国民生活を置き去りにして、軍拡を推進し大企業を優遇する安倍暴走政治からの転換がいよいよ必要となっています。また安倍政権は、アベノミクスで、円安や株高、大企業減税などで大企業や大資産家のもうけを増やせば、回り回って国民にも滴り落ちる、トリクルダウンと主張してきました。この5年間で大企業の当期純利益は2.5倍となり、内部留保は80兆円積み増しされて400兆円を突破しました。その一方、労働者の実質賃金は年額で15万円減り、実質消費支出は20万円減りました。このように、大企業のもうけは、ため込みに回るばかりで、国民を潤しません。しかも消費税増税や社会保険料の引き上げが重なり、わずかな賃上げさえ帳消しにして可処分所得が減少、生活が厳しくなっていることは明白です。今、森友学園をめぐる公文書改ざんが日本を大きく揺るがしています。国民を欺き、議会制民主主義の根幹を破壊する大問題です。安倍政権は直ちに真相を明らかにし、責任を取って総辞職すべきです。
 都政では、福祉や教育等で前進があるものの、不要不急の大型開発を推進するなど問題があります。1メートル1億円をつぎ込む東京外環道や、防災の名目で住民を追い出す特定整備路線。大きな焦点となっている市場問題で、小池知事は、築地は守ると約束していましたが、その後、公約違反を重ねています。都立病院については、都立直営の見直し・地方独立行政法人化をふくむ経営形態のあり方検討予算が計上され、都立大塚病院の都立はずしが再燃しようとしています。都営住宅の新規建設は、石原都政以来19年間連続ゼロのまま。シルバーパスの負担軽減も具体化されておらず、都民の切実な願いである小中学校の少人数学級の前進も盛り込まれていません。
 豊島区はどうでしょうか。
 一般会計予算1,246億円、前年度比79億円のプラスとなる過去最大の予算規模となり、2019年度に開設される予定のハレザ池袋を始め、国際アート・カルチャー都市を推進し、未来に大きく飛躍するための準備の予算としています。そのため、投資的経費が212億円、前年度比73億円多いことが主な要因であり、文化、都市再生の名の下に、賑わいの創出として来街者を増やすための予算を計上したことが大いに関係しています。
 区は、区民のくらしの実態について、「豊島区全体としては横ばいもしくは緩やかな改善傾向にある」と背を向け続けてきました。この点について、私が初日の総括質疑で改めて確認したところ、区長は、「現実的には非常に格差も広がっているということも私自身も認識をしている」と認めました。さらに私が、過去最大の予算であるならば、区民の実態を踏まえた予算でなければならないはずと追求したところ、今度は副区長が、「財源に限りがあるから全てというわけにはいきませんでしたが、額は小さいが盛り込んでいる」「ただ額は小さい」と繰り返したのであります。
 質疑の最終日、区は、わが党が行ってきた質疑を受けて、「生活保護世帯への削減した入浴券を30枚から60枚に増やすこと」「子どもスキップに新たな非常勤職員、スクール・スキップサポーターを創設すること」「昨年の広島に引き続き、各中学校代表者を長崎平和記念式典に参加させること」を施策に追加すると表明したことは評価いたします。

 日本共産党区議団は、2018年度予算について、
 第1に、「深刻な区民生活を直視し、福祉・くらしを最優先にした予算になっているか」
 第2に、「自治体本来の役割を投げ捨て、区民を無視し、大企業と来街者のための文化と都市再生を進める予算になっていないか」
 第3に、「将来の財政運営に禍根を残す予算になっていないか」
 この3つの観点で審査に臨みました。

●それでは第1の観点、深刻な区民生活を直視し、福祉・暮らしを最優先にした予算になっているかについて述べます。
【防災】について1つめは救援センターについてです。
 今年度行なった、わが党区議団のアンケート調査で、最も多かった区民要望は避難所の確保でした。それはこの間、区が救援センターを減らしてきた事と、区民から今の学校内では収容しきれないという声が絶えないからであります。区は、収容人員は25,000人だが、発災直後は一人当たり畳0.5畳として詰め込むだけ詰め込む、そのあとは補助救援センター、福祉救援センター、民間を活用すると言います。しかしながら、これらは発災直後は開設しておらず緊急避難できません。この現状だと、小さなお子さん、高齢者を含め、遠くに避難しなければならず、大勢の避難者が詰め込まれることになり、収容しきれない事態に対応しようという姿勢が全くありません。区民の命を守るために増設すべきです。

 防災の2つ目は、感震ブレーカーについてです。
 わが党の要望が実り昨年9月に事業が始まりましたが、来年度は予算計上されていません。理由は「必要だと考え500個購入したが、ほとんど残ったまま。努力不足で恥ずかしい限り」というお粗末なものでした。他の自治体では活用が広がっています。対象地域を池袋本町に絞った手法や条件等を改める事が必要なのであって、予算をつけないなど後ろ向きの姿勢でなく、さらに予算をつけて来年度はその分を挽回する事こそが大事なのです。

【職員に関わる問題】について、1つめは子どもスキップの職員体制についてです。
 今年度当初から欠員が発生しており、この問題は放置されたまま推移し、1月末は9名が不足、3月は退職者が出るため、4月は実に24名の不足が見込まれています。事態は今年度よりいっそう深刻です。募集しても応募者はたったの5人です。しかも全員が採用されるとは限りません。このままだと職員と児童にしわ寄せが行き不測の事態が起こりかねません。わが党が、これまで再三にわたり改善を求めてきたにも関わらず、何ら手立てを取ってこなかったことは大問題です。わが党の指摘に区長は「早急に条件整備をつめて新たな制度を創設する」と答弁し、スクール・スキップサポーターを新設したことは一歩前進ですが、共働き子育てしやすい街というのであれば、正規職員を増員し、非常勤職員等の報酬を増やすなど待遇改善が不可欠です。

 職員に関わる問題の2つめは、非常勤職員の健康診断についてです。
 厚生労働省は、「正社員の週所定労働時間の3/4以上働く非常勤職員」には検診を義務付けており、本区では646人中570人、88.2%が受診しています。また厚労省は「1年以上の有期契約で正社員の週所定労働時間の1/2以上3/4未満働く非常勤職員に対しては健康診断の実施が望ましい」としています。ところが本区は実施していません。該当職員528人のうち、ほとんどが1年未満の臨時職員、短期アルバイトだと説明がありましたが、わが党が1年以上の有期契約はいないのかとの質問に、「把握していない」とのことでした。同一労働同一賃金に対する認識が希薄であること、非常勤職員に対する健康管理の姿勢が欠けています。非常勤職員をないがしろにしてはならないのであります。わが党の指摘に対し、総務部長が「来年度中によく検討して具体的な時期を含めて説明する」と答弁がありました。早期実現すべきです。

【民間委託に関わる問題】の1つめは総合窓口の民間委託についてです。
 総合窓口における「個人情報の不適切な使用について」取り上げました。1点めは「戸籍システム検証画面でランダムに選んだ実在する個人データを研修資料としていた件」。2点めは「戸籍証明書等の見本等について個人情報が掲載されたものを使用していた件」というものでした。いずれも個人情報の目的外利用という、区民の信頼をゆるがす重大問題です。さらにその後も、「住民票を申請する際の本人確認にマイナンバー通知カードを使用していた」と新たな問題が出てきたのであります。副区長は、「今月26日の議員協議会で中間になるかもしれないが報告する」と表明しましたが、早急に徹底した真相究明が必要です。わが党は、総合窓口の民間委託に反対してきました。こうした問題が発覚した以上、予算に計上し、このまま執行するなどやるべきではありません。

 民間委託に関わる問題の2つめは、雑司が谷地域文化創造館の指定管理についてです。
 昨年9月、建物内の濡れた通路で転倒し足に大怪我をした女性への対応に関してです。女性は転倒後、救急車で病院に運ばれ約1か月入院しました。救急車に乗った時、管内の職員が付き添いの夫に経過を知らせるよう伝え、夫は翌日、入院になった旨連絡しています。しかし、建物全体を管理する指定管理者が事故を認識したのは退院した女性から連絡が入った10月末、それから区に報告書が提出されたのは11月です。指定管理者は、通路は濡れていなかった、通路の管理は責任がない、瑕疵はないとし、区は「通路の管理は指定管理者である」としたのみにとどまり、他については同調したのです。女性は現在も通院中で、「区も指定管理者も事実を認めない」と怒り心頭です。事故が起きてすぐに対応していれば、このような事態にはならなかったのです。これこそが瑕疵なのであります。区は事故後の管内全体の対応に問題があるとして改善を指示しましたが、そもそも管理運営を民間事業者に任せきりにし、区民に寄り添うという本来の姿勢を欠いた区の対応が最大の問題であります。区民は区が管理運営している、きちんと対応してくれるものと思っているのです。区民の信頼を回復し、施設は区民のものという本来の原則の自覚と対応を強く求めます。

【生活保護】についてです。
 安倍政権は社会保障の切り捨てを進めています。憲法25条に明記された生存権を保障する生活保護の基準額を引き下げ、本年10月から3年間で5%削減を強行しようとしています。これは2013年から3年間行われた10%削減に続くものです。この間も受給者は大幅に増加し、貧困層がいかに多いかということですが、区の認識は「経済情勢によるもので基準額は関係ない」などと、区民の置かれている実態を見ようともしない態度です。国の悪政から区民を守るのが区の役割であります。
 わが党は、法外援護の復活、特に入浴券30枚を60枚支給に戻すことを一貫して求め続けてきました。区は、「行財政改革2004」で財政難を口実に法外援護をバッサリ切りました。当時、担当理事者は「5年後10年後20年後、最大限、区民の福祉の向上に資するよう」と言っていたにも関わらず、その後、「生活扶助費に入っている」と論点をすり替えました。わが党は昨年の決算委員会で、都区財調の基準財政需要額にも60枚算入している事実を突きつけ、都も必要性を認めていること等を指摘し、復活を求めてきたのであります。その結果、今回ようやく「60枚に増やす」と答弁がなされました。改善ではありますが、基準額そのものは大幅に削減され続けている中、さらなる法外援護の拡充が必要です。

【障がい者】についてです。
 区は「日中活動系サービス事業所利用者食費負担軽減補助金」として障がい者の食事補助を民間4施設、公立4事業所に約500万円を補助していましたが、予算案で廃止しました。一方、国は、「日中通所施設への食事提供体制加算」について、今年度末までで廃止を検討していましたが、関係者・当事者らによる批判の声で、継続が決まりました。区は、わずか500万円を廃止し、1食100円程度、負担が増えることになったのです。国以上に冷たい区政です。先日、障がい者の保護者から、「1日100円、1か月2,000円負担が増える。本当に大変です」と切実な声が寄せられました。障がい者の健康維持にとっても食事は欠かせません。廃止などとんでもありません。

 障がい者問題の2つめは、「池袋二丁目グループホーム」についてです。
 当初開設予定だった2019年4月から1年延期になりました。理由は、整備運営を社会福祉法人に任せていたが、解体工事の入札が不調になり、予定していた都への補助金申請が間に合わず、今年度は見送らざるをなくなったというものです。昨年6月に不調になったことを区が知ったのは7月で、それまでは入札金額に問題ないと考えていたとのこと。質疑で所管課は「利用者に申し訳なかった」とありましたが、区がきちんと関わっていれば、このようなことにはならなかったのであります。本来、区がやるべき進捗確認を怠たり、業務を社会福祉法人に任せきりにした区の責任は重く、開設を切実に願う区民の期待を裏切ったことは大問題です。

【特別養護老人ホーム】についてです。
 昨年末の待機者は595人、うちAランクは284人と増加しています。わが党の粘り強い要求で225床を整備するとして、そのうち120床を旧朝日中学校に整備することが決定しています。しかしながら、その後の整備について確認したところ、所管課は「土地が出てくれば」であるとか、「待機者は在宅を希望しており緊急度が減っている。ベッドが空く時間が長い」などとして消極的な態度をとったことは看過できません。要介護4の夫を在宅介護しながら働いているが、両立が厳しく貯金が底を突きそうだという家庭の事例を紹介しましたが、緊急度の高い方はたくさんいるのです。区長は「区外を考えてきたが、区内整備を課題として努力する」と答弁しました。直ちに増設計画を具体化すべきです。

【住宅】についてです。
 区民住宅廃止等で住宅の予算は1億7,000万円の減。居住支援モデル事業等も実績が上がりません。区民の願いは低廉な家賃の良質な公営住宅、使いやすい家賃助成です。年々大幅に予算を減額した分を振り向ければ十分実現可能です。また、高齢者や生活保護受給者の住宅探しは大変困難です。国は単身者の最低居住水準を25uとし規定しています。ところが、現在、生活保護受給者の約800人が15u以下であることが質疑で明らかになりました。今定例会の一般質問でわが党が、低所得者への対応を求めたところ、区長は、「生活保護受給者は生活保護で対応するもの。住宅施策として実施する考えはない」と答弁しました。区民に対して何と冷たい態度でしょうか。質疑で生活保護受給者を含め高齢者、低所得者等の住宅対策は対応すると変化しましたが、不足しているのは公営住宅です。現在、再開発が進められているうち分かっている3か所だけでも2,000戸の住宅が予定されています。この中に公営住宅を入れるべきです。
 また、住宅修繕リフォーム助成事業も昨年度5件、今年度も1月までに同じく5件のみ。2016年度の品川261件、大田462件、北区230件と比べて実績は上がりません。わが党が指摘している通り、所得制限撤廃と中身を充実しなければ実効性が上がらないことは分かりきっています。中小企業支援策の1つでありながら放置するなど何と冷たい予算でしょう。
 
【公契約】についてです。
 建設費の高騰により、工事契約金額が大幅に増加しています。労務単価もこの6年間、毎年引き上げられていますが、労働者の賃金に反映しているとは言えません。「何とかしてほしい」という多くの声が上がっています。質疑で実態調査の状況を確認したところ、社会保険労務士が何件か調査している程度で、区自らは調査していないことが明らかになりました。建設業界は重層下請けで賃金が反映しづらい構造です。この問題を解決するには、公契約条例の制定が必要です。今や5区に広がっています。総務部長から、「別の方法を考えてきたが、調査研究してまとめていく」とありましたが、直ちに実現すべきです。

【マイナンバー】についてです。
 マイナンバーカードの交付率は現時点で15%。いまだに広がりません。これは区民がカードの利便性を感じず、個人情報が漏れることに危機感を抱いているからです。区は、「全国ではおおよそ千件くらいの問題が発生している」と説明しました。また私が昨年一般質問で取り上げましたが、総務省は、特別徴収税額通知書へのマイナンバー記載を行わないことを決定しました。問題があいついでおり、制度そのものを中止すべきです。
 庁舎に導入予定のマイナンバーカードを使用する新たな住民票等の発行機に、全国に先駆けて視覚障害者のための音声案内を導入することは評価しますが、これまでの区民カードを使った自動交付機を廃止すれば混乱は目に見えています。来年もリースを延長し継続すべきです。

【保育園】についてです。
 昨年4月、区は待機児童ゼロになったことを宣言し、継続していくことを表明しました。しかしながら、兄弟姉妹が別々の保育園に通っている家庭が111件もあり、さらなる増設が必要です。わが党は、これまで認可保育所の増設とともに質の確保を求めてきました。60ある園のうち園庭がないのは26園です。この4月に開設する13園は園庭がありません。質疑で区は「園庭があっても刺激が大事で外に出る」とか、「認可基準以下の面積の庭でも十分」というような答弁でした。安全面への配慮、子どもが毎日伸び伸びと遊べる環境を提供するという観点からも問題です。旧朝日中跡地に特養ホームの整備が計画されていますが、合わせて園庭のある認可保育所を整備すべきです。

【教育】について、1つめは教員の働き方改革についてです。
 授業数の増加、部活動等、教員の負担軽減は待った無しの課題です。新規事業に国庫補助事業として「スクールサポートスタッフ配置事業」が計上されていますが、4人分、時給千円、1年限りというもの。既に本区が実施している「授業づくり支援員」時給1,500円や、他区で実施している支援員・指導員の事業と比較して安すぎます。教育長は「多いに越したことない。できるところからやっていく」と答弁がありました。教育委員会として教員の負担軽減に全力をあげるべきです。
 また、少人数学級の実施について質したところ、課長は「23区、指導室課長会から要望していこうと話している」とありましたが、教育長は少人数指導についての効果は認めたものの、推移を見守るという態度。子どもたちの学力向上、教員の増加、一番効果があるのは少人数学級です。区長が「支援策を検討する」というのであれば、ここにこそ予算をあてるべきです。

 教育の2つめは、私費負担についてです。
 各小中学校において、日帰り社会科見学が実施されており、入場料・交通費等は保護者の負担です。徒歩で行ける場所、あるいは電車、貸切バスなど各校様々で、かかる費用はゼロから、数千円までと各校各学年まちまちです。これに対し所管課は、「交通費・入場料があまりかからないようにお願いしている」と答弁し、教育長は、「校外学習については年度当初に保護者会等で説明して了解を得て徴収している」と答弁しました。そもそも教育は無償であります。その原則にのっとり、子どもたちが公平公正に必要な教育が受けられる環境を整えて全額補助を実施すべきです。
 ここまで述べてきたように、深刻な区民生活を直視し、福祉・暮らしを最優先にした予算になっていないのであります。


●続いて第2の観点、自治体本来の役割を投げ捨て、区民を無視し、大企業と来街者のための文化と都市再生を進める予算になっていないかについて述べます。
 区長は、召集あいさつで、「今年は2019年の東アジア文化都市のオープニングと、新ホール・新区民センターのオープン、2020年のハレザ池袋グランドオープンなどを控え、豊島区が未来へ大きく飛躍するため、着実に準備を進めるべき年」として、池袋西口公園など池袋周辺4公園整備、電気バス、池袋保健所移転、池袋PRアニメ、マンガの聖地としまミュージアムとしてトキワ荘の復元、池袋駅東西デッキ、市街地再開発事業等は、「将来の豊島区発展には欠かせない事業」「チャンスだからこそやっている」と、文化、都市再生の名の下に、次から次へと推し進めています。私は質疑で、「文化は歴史と伝統の中で育むものだが、区長の文化は膨大な税金を使うものばかり、区民にどう還元されるのか」と質問したところ、区長は、「すぐ結論が出るわけではない。何年先になるかわからない」と明確に答えることはできませんでした。また私が、「これらは民間企業がやるべき事業が多く、公共事業と言えるのか」と質すと、「全部お任せすれば文化というのは育たないと思う」などと、これについてもまともに答えることはできませんでした。以下、質疑したいくつかの事業を取り上げます。

 まず、【池袋保健所の移転計画】については、土地の売却方針を出しましたが、築後20年程度しか経っていない保健所を移転し、売却の公募プロポーザルの募集要項を秋頃に出すスケジュールなど、あまりにも一方的で、区民無視、議会軽視の極みであります。一旦、造幣局跡地の市街地南側部分に17億円をかけて仮移転させ、南池袋二丁目C地区の再開発ビルに20億円台を見込み、本移転するという計画ですが、C地区はまだ都市計画決定しておらず、手続き上にも問題があります。
 区の移転の理由は、建物の改修に20億円かかるとか、隣にアニメイトができてから来街者が増え、既に事故等も起こりうる現状にあるなどというものですが、保健所利用者からは通うのに危険だという声は出ていないことも質疑で明らかになりました。
 建設後、50年以上経過しようという小中学校は15校、うち巣鴨小、椎名町小、駒込中は59年が経過しています。これらは、改築せずに改修して、これからも使い続けようとしているのです。その一方、新しい保健所を売却するなどあり得ません。改修費用がかかっても使い続けるべきです。要するに、どれだけの来街者が増えるのかなど、明確な根拠も示さないまま、土地を売却し、またもや民間企業を儲けさせるために危機感を煽っているのです。私が、「ハレザ池袋というのはベビーカーも自転車も通れない危険な街で、区民は楽しめない、来街者のためだけのまちづくりか」と問い質したのに対し、区長は「ハレザ池袋が大混乱する中で事故が起こると無計画と言われる」などと答弁し、区民のためのまちづくりでないことが浮き彫りになったのであります。子どもと女性にやさしいまちづくりというのであれば、小さいお子さんから高齢者まで区民、誰もが安心して楽しめる街でなければなりません。

 次に、【池袋西口公園】について、わが党は、老朽化した施設の再整備、区民の期待という点は理解しています。しかしながら、これまで再三問題を指摘してきた通り、概算工事費26億8,000万円、これまでの公園整備と比較してあまりにも高すぎます。その大きな要因はリング状モニュメント8億7,000万円です。私が、他のモニュメントの費用を調査したのかと確認したところ、「シカゴ野外音楽堂のリング66億円、北海道ガラスのピラミッド32億円、六本木ヒルズの巨大な蜘蛛20億円」と答弁がありました。私も故岡本太郎氏の太陽の塔を調査し、現在の企業物価指数に当てはめると12億6,000万円であることを示しました。有名な芸術家がデザインしたモニュメントならともかく、シンボルだからといって、こんなに税金をかけて作る必要はありません。
 そもそも総事業費を決めずに設計をプロポーザル方式で決定し進めてきた手法に問題があります。区長は、「問題はご指摘のように金額、私自身も厳しく精査し、納得できるよう最大限務める」と答弁しました。特にモニュメントについては白紙に戻し、区民の声を生かした使いやすい公園になるように1からやり直すべきです。

 次に、【南池袋二丁目C地区のまちづくり】については、昨年12月に行われた、都市計画原案に関する説明会と意見書では賛否が2分しました。1月時点、権利者58に対し合意は45、13の権利者が合意していないという事です。区は当初予定していなかった都市計画法第16条の意見書に対する説明会を2月に開かざるを得なくなったのですが、そこでも多くの反対意見が出たのであります。3月7日まで行われていた都市計画案の縦覧・意見書にも反対意見があることが質疑で判明しました。区は丁寧に対応してきた、再開発準備組合にも指導してきたと言いますが、それでも合意できない権利者がいるということを受け止めるべきです。区は国と一体で、特定都市再生緊急整備地域、国家戦略特区の指定を受け、次々と再開発事業を計画し、区民を追い出しながら、高所得の人を増やそうと躍起になっています。こうした姿勢は予算にも表れているのであります。区長は、「A地区は全員承諾するまで相談した。丁寧に一生懸命やる」と言いました。そうであるならば、計画を見直し、住民主体で誰もが納得できる中身に改めるべきです。

 次に、【補助176号線道路整備】についてですが、将来的に補助81号線と接続するという計画は聞いておりましたが、造幣局跡地防災公園整備に合わせて道路計画が出てきたことは、議会、地域住民にとってもあまりにも唐突でした。審査の前日に行われた住民説明会に渡辺議員が参加しましたが、区有通路が無くなると困るなど、たくさんの質問、意見が出ましたが、そうした声を計画に反映することはありませんでした。そもそも地元住民の声を聞くどころか、全く説明さえせずに一方的に進めてきたことは問題です。所管課は、「抜けていた。拙速だった。反省して急遽説明会を開催した」と認めました。本計画は改めて仕切り直して、地元住民の要望、意見を最大限受け止めて生かしていくことが求められます。今の区政は住民の声を無視したやり方が目に余ります。
 私が予算委員会で指摘した通り自治体の変質であり、まさに自治体本来の役割を投げ捨て、区民を無視し、大企業と来街者のための文化と都市再生を進める予算になっているのであります。

●続いて第3の観点、将来の財政運営に禍根を残す予算になっていないかについて述べます。
 今は、人口増加により納税義務者数も増えることに伴い、特別区民税も増えていますが、こうした状況がいつまでも続くわけがなく、区も「2020年ごろまで」と言っています。課税標準額200万円以下の人数は、今年度までの2年間で、80,670人から86,560人へと5,890人も増加しています。まさに格差が拡大しており、支援が必要な区民に光をあてる財政運営が求められているのであります。
 学校改築・改修や、他の区有施設改築・改修、公園のトイレ等の整備、特養ホーム、長崎健康保健所、橋梁の修繕等、今後、数々、多額の費用が見込まれる中、ふるさと納税、法人住民税の一部国税化、地方消費税の交付金の見直しによる減収を見込まざるを得ず、起債依存度が高まっています。将来、財政悪化をもたらさないために一切の無駄遣いはできないはずです。ところがそこへ、区長が進める大企業と来街者のための文化、都市再生の膨大な事業費が区財政に重くのしかかっているのです。
 「としまのお財布」という資料が予算委員会の初日に配布され、2022年度までの財政見通しが示されました。起債発行額が公債費を大きく上回り、起債残高は2015年度208億円から、2019年度433億円と一気に上がり、2022年度482億円へと7年連続して右肩上がり、倍以上に膨れ上がります。基金と起債のバランスは、本予算年度はプラスを維持していますが、翌年度以降は4年連続マイナス130億円台が見込まれています。区はこれまで「貯金が借金を上回り、区財政は健全性を維持し続けている」「身の丈にあった財政運営」と言ってきました。ところが起債が大幅に増え、基金と借金のバランスが逆転することになり、今定例会の私の一般質問に、「財政計画上で借金が貯金の残高を超過する見込みである以上は、いくら低金利時代とはいえ、区財政に影響がないわけではない」と答えました。予算委員会では、「財調基金が200億円もあることから、起債の発行を抑え、起債残高を300億円台にするなどの計画見直しを検討する」と一転しました。私は財政運営がブレているではないかと指摘したのであります。
 私は総括質疑で、文化、都市再生の膨大な事業費が、区が進めているビルドアンドスクラップや予算枠配分・部局枠配分のルール上、どう影響するか問い質しました。すると、実施中の事業の廃止・削減や新規事業への影響、決算剰余金から削るなどの影響があるという説明はありました。しかし、「決算してみないと出せないので、今後は出ていない」というような答弁で、具体的にどれだけ影響するかについては示しませんでした。膨大な事業費を使いながら、その分、何を削るかはこれから決めるという、そんないい加減な予算編成はないと指摘しました。
 また私は、公債費の質疑において、「起債残高を300億円台に引き下げたら、財政運営にどう影響が及ぶのか」「区長が進める文化、都市再生が入っても大丈夫と言い切れるのかと問い質しました。区長は、「できるだけ安定的な財政運営をする。それを超えるようなことがあれば事業を中止せざるを得ない」というような答弁にとどまり、まともに答えられませんでした。大丈夫と言い切れないのであれば、自治体本来の役割、区民サービス、区民需要に影響が出るのは火を見るよりも明らかです。大企業優先のまちづくりや大型開発に膨大な税金をつぎ込む本予算は、まさに区長が天まで持ち上げる破綻したアベノミクスです。将来に禍根を残し、後は野となれ山となれで困るのは区民です。本予算は、深刻なくらしに苦しむ区民に真正面から向き合い、国の悪政から区民を守り、なおかつ安定した財政運営に改めるべきです。
 以上、3つの観点に基づき審査しましたが、いずれに照らしても到底、認めることはできません。よって、一般会計予算に反対するものであります。

 次に、3特別会計予算についてです。
 まず【国民健康保険】についてです。
 4月から制度改正により都道府県単位化が始まり、今後、一般財源からの法定外繰入の解消が進められようとしています。来年度は今でも高すぎる保険料が大幅に上がり、一人当たり121,988円、3,547円の増加です。年収400万円、40代夫婦で子ども2人のモデルケースでは約50万円にもなります。子育て世代への影響は計り知れません。多子世帯の負担については重要な課題とし区長会から都への財政措置を要望しているので、区独自の軽減措置は行わないという冷たいもの。都の財政支援は全体で14億円しかなく一人当たりの軽減は年間400円にしかなりません。区は法定外繰入を20億円とし、今年度比10億円も削減しました。この削減がなければ保険料は引き下げることができたのであります。国保は、国民皆保険を支えるものであり社会保障として命と健康を守るもの。直ちに保険料は下げるべきです。

【介護保険】についてです。
 来期の保険料額は73,080円、3,600円値上げです。区は保険料の上げ幅を下げるため、所得の多い方の基準額拡大、基金約11億円から6億4,000万円を投入しています。この努力は認めますが、負担増であることは変わりがありません。また介護事業所がおかれている実態は厳しく、東京商工リサーチ調査で昨年の「医療、福祉事業」の全国倒産件数は250件にのぼり、介護保険法が施行された2000年以降で最多、このうち、最も多かったのが「老人福祉、介護事業」111件。民間の福祉団体の調査でも都内では56%が経営悪化。区内調査では総合事業に関連して8割以上が「収入が減った」と回答しています。介護報酬を引き上げれば保険料に跳ね返り、上がらなければ事業者の経営が悪化するという介護保険制度そのものの在り方が大きく問われています。国、都の補助金の増額など早急な対策が求められます。また、選択的介護については、保険外負担できる人はQOLの向上が実現できるかもしれませんが、低所得の人は利用できません。
 介護保険制度導入時に国が言っていた「介護の社会化」として、誰もが安心して介護が受けられる制度に改善することが急務であります。

【後期高齢者医療】についてです。
 来年度は2年に1度の保険料改定で、現時点97,127円、1,635円の引き上げです。年金など収入は下がる一方、消費税の引き上げ、野菜など食品の高騰で出費はかさみ、高齢者のくらしは大変深刻です。国や都へ、さらなる保険料軽減策を行うように強く求めるべきです。差し押さえは行っていない区があるにも関わらず11件と増えています。より区民に寄り添った相談体制を強化し、高齢者からの差し押さえはやめるべきです。

 よって、3特別会計予算に反対いたします。
 以上、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。


日本共産党の意見書案
議員提出議案第7号 自民、公明が否決。
議員提出議案第8号 自民、公明が否決。

区民厚生委員会で請願が全会派一致で採択されたことにより意見書提出
議員提出議案第4号 全会派一致で可決。

民主ネット、日本共産党の共同意見書提案
議員提出議案第8号 全会派一致で可決。

自民党、公明党の共同意見書案、
議員提出議案第9号 全会派一致で可決。

自民、公明、民主ネット、都民ファースト、無所属元気の共同提案。
議員提出議案第5号 賛成多数で可決。