豊島区長 高野之夫 様
物価高騰、新型コロナ感染症など緊急・重点対策に関する特別要望書
日本共産党豊島区議団
団長 渡辺くみ子
円安、物価高で、国民の生活も中小企業の営業も圧迫されています。コロナ感染症で社会保障がいかに脆弱だったかも明らかになりました。来年度予算にむけて、また、年末年始を含め緊急に実施すべきこととして、以下の通り特別に要望します。
(記)
【総論】
1 新型コロナ感染症にかかわるあらゆる差別、いじめ、風評被 害がおきないようにすること。特にワクチン接種について強制や差別がないようにすること。
2 物価高騰、新型コロナ対策においても、「誰一人取り残さない」観点で実施すること。
【行財政】
3 区民生活を保障するため、福祉、くらし、教育を拡充すること。特に、21年度決算では大幅な黒字となっていることから直ちに拡充すること。
4 子ども、高齢者、障害者にかかわる施設建設は先送りしないこと。
5 後期基本計画における職員の定員管理については、新自由主義に基づく指定管理・民営化・効率化を見直すこと。職員増員で福祉や公衆衛生、清掃など、継続的に公務労働を担える職員体制を構築すること。特に、豊島区は、23区でも非正規雇用率が高く、中でも一般事務補助(旧臨時職)が多いことから、正規職員を増やすこと。
6 会計年度任用職員の4回更新限度の撤廃や昇給、さらには報酬手当・休暇制度の充実など、待遇改善すること。
【医療・保健・健康・高齢者・障がい者】
7 新型コロナウイルス感染症の第八波への対応を強化すること。保健所の体制を抜本的に強化すること。高齢者や障がい者が取り残されないようにすること。
8 いつでもだれでも何度でも無料で簡単にPCR検査が受けられるようにすること。介護、保育、教育、清掃等の現場で働く人たち(エッセンシャルワーカー)が、定期的に公費でPCR検査を受けられるようにすること。
9 インフルエンザ予防接種を子どもにも無料で実施すること。区内の学校、保育園など子ども関係施設で働く教職員や保育士のワクチン接種に豊島区として補助すること。
10 国民健康保険・後期高齢者医療の新型コロナ感染症に伴う傷病手当金について、給与所得者だけでなく、自営業者やフリーランスも対象にすること。前年度収入については、雑収入など収入要件について緩和すること。
11 来年度国保料も大幅値上げが想定されることから、値上げしないよう、国・東京都へ財政支援を要請するとともに、豊島区独自・23区として対策をとること。
12 高騰する電気代等について、低所得者等への補助をすること。生活保護利用者のエアコン設置補助を拡大するとともに、高齢者、障害者、一人親世帯へのエアコン設置補助を実施すること。
13 介護、保育、障害者など区内民間福祉施設の感染症ガイドライン(マニュアル)の実施について定期的に専門家の助言が得られる仕組みを作ること。
14 コロナ感染症対策に取り組む保育、介護、障害福祉の事業所に対し、独自の支援金を支給すること。
15 福祉ホーム「さくらんぼ」の改修・改築計画について早急に具体化すること。また、niimaのようなグループホームを、早急に区の責任で区内に増設すること。
16 高齢者補聴器購入費助成制度については、条件を緩和し、利用限度額を大幅に増額すること。区民に対する聴覚検査の回数を増やすこと。
17 「介護の社会化」に逆行する介護保険制度の改悪に反対すること。出産育児一時金の増額にあたって75歳以上の高齢者に負担させる方針など、「全世代型社会保障」の名で世代間対立をあおるやり方はやめさせること。
18 都立大塚病院の独立行政法人化に反対すること。
【中小企業、区民生活等】
19 消費税の5%への引き下げを国に強く求めること。来年10月からのインボイス制度実施に反対すること。
20 物価高騰、コロナ対策について具体的な施策を検討するため、行政だけでなく、区内の医療関係者、事業団体、労働組合、NPO法人など広範な区民をいれた「対策会議」を設置すること。
21 低所得者(住民税均等割世帯など)への豊島区独自の給付金を創設すること。
22 コロナ対策の「ゼロゼロ融資」(実質無利子・無担保融資)を、「別枠債務」とする制度を国に要請すること。豊島区が生業資金の復活など直貸しを行い、中小業者が営業を継続、再開できるようにすること。
23 物価高騰、新型コロナ感染症により困窮している中小企業等(介護、障害者、医療関係を含む)に家賃やリース代など固定費を豊島区独自に補助すること。特に15件になってしまった公衆浴場を守るため燃料費助成の増額など制度を拡充すること。
24 収入が減って困窮する区民に対し、水道光熱費や税金について、徴収猶予だけでなく、減免の制度を作るよう国に求めること。
25 区内業者を使えば補助率を上げるなど、区内の景気循環を増やす取り組みをすること。住宅修繕・リフォーム資金助成事業の大幅な増額、区内事業者を使っての家具転倒防止器具設置の補助事業の復活等をおこなうこと。
26 国に最低賃金全国一律1500円の実現を求めること。区として雇用対策に取り組むこと。
27 区有施設の利用料を減額すること。
28 安心住まい提供事業、住み替え家賃補助制度の拡充、新たな家賃補助制度の創設、公営住宅の増設など、住宅施策を抜本的に拡充すること。
29 年末年始の閉庁期間中に、生活困窮等の緊急相談に対応できる体制を講じること。東京都に年末年始の対策強化を要請すること。
【子ども、子育て、介護、教育】
30 大学生・専門学校生等への返済不要の給付制奨学金制度を創設すること。また学費半額、入学金廃止を国に強く求めること。
31 物価高騰で負担が増える子育て世帯への支援のため、学校給食費負担の軽減、学校給食の無償化を早急に実施すること。4月からの子ども医療費の高校生までの無償化において入院給食費も無料とすること。
32 子育て世帯の支援については、所得制限をしない施策を実施すること。
33 保育や介護、障害者など、必要不可欠で密接が避けられない業務に携わる人たちの職員配置基準の見直しや給与の確実な増額など待遇改善に取り組むこと。
34 学校及び学童クラブは換気など感染症対策を講じて、できる限り継続すること。感染症予防策の予算と人員をつけること。
35 小・中学校の学級編成は早急に中学校も含め35人学級を実施するよう国・都に求めるとともに、区として実施すること。教職員の「多忙」を解消すること。
36 学校長寿命化計画については、学校間格差が生じないようにするとともに、最優先で財源を確保し、建て替えを進めること。地域住民の意見を反映すること。
【防災】
37 東京都の被害想定の見直しに伴い高層マンションにおける震災対策を進めること。特に、耐震補強、エレベーター対策、防災訓練について、指導を強化すること。
38 コロナの中、在宅避難が重視されていることから、感震ブレーカーの設置事業の対象地域と対象者の拡充、家具転倒防止器具の設置費用の助成を早急に実施すること。
39 避難所(救援センター)をさらに増やすとともに、引き続きコロナ対策やバリアフリー、ジェンダーに配慮しながら、施設整備及び配備職員の訓練を続けること。補助救援センター、福祉救援センターを増やし、備品や備蓄の確保、運営体制整備にも取り組むこと。
40 避難行動要支援者の個別避難計画作成について、福祉総務課及び防災危機管理課職員を大幅に増員すること。
【環境・まちづくりなど】
41 「2050としまゼロカーボン戦略」での「2030年カーボンハーフ」を実現するための具体的な削減計画を示すこと。エコ住宅・事業者普及促進事業を始めとする補助事業の抜本的拡大・拡充、公共施設の再エネ利用を促進すること。ZEB、ZEHについても検討すること。
42 区制施行100年にむけて予定されている池袋駅西口地区、西池袋1丁目地区、東西デッキなど不要不急の大型開発やイケバスのような「人を呼び込む街づくり」は、見直すこと。区民の足となるコミュニティバスを進めること。
43 羽田新飛行ルートの中止を国に求めること。
【その他】
44 区主催のイベント(90周年事業を含む)については、新型コロナの感染状況や区民の状況に応じて、中止・縮小も含めて適切に判断すること。