《1面》物価高騰、広がる格差と貧困
区民の切実な要求実現を =日本共産党=
2024年第1回定例会は、2月14日から3月26日の日程で開催されました。
一般質問には、森とおる議員、清水みちこ議員がたち、予算特別委員会は、森議員、小林ひろみ議員が委員として審査にあたり、予算組替動議を提案しましたが、共産党のみの賛成で否決されました。
国民健康保険料や介護保険料の引き下げを求める陳情が第四回定例会に続き提出され、また市街地再開発についての陳情も出されるなど、区民の切実な声が寄せられた議会でした。
区民要求実現の立場で区議団は奮闘しました。
◆物価高騰で苦しむ区民の切実な要求に応えずに、大企業を優遇した予算編成 =2024年度 予算に反対=
高際区長による初めての当初予算案は、前年度から新規拡充事業を2倍以上に増やし、日本共産党が要望してきた新規採用職員を2倍、産後ケア産後ドゥーラの充実、再生可能エネルギー機器への助成を倍にする、おたっしゃカード回数増が含まれるなどの前進面があった。
日本共産党の質疑で、防災対策については避難所の不足、低所得者や高齢者、障がい者、子育て、教育、中小企業対策等、物価高騰の影響でますます深刻になっている区民の暮らしと営業の支援策、救済策は不十分であることが明らかに。
①今予算案には後期高齢者医療の保険料値上げ、今でも高すぎる国民健康保険料がさらに値上げされることが盛り込まれている
②東池袋一丁目、南池袋二丁目C地区の市街地再開発事業には82億円が計上され、今後5年間では541億円もの大企業優遇の税金投入される。また、池袋駅西口、東口等の巨大開発が計画されている。
③厳しい生活を余儀なくされている区民への家賃助成等の住宅支援策の拡充がない。いっそう貧困と格差が拡大されることになる。
今予算は断固として認められない。
◆日本共産党が予算組み替え動議を提案 (区議団ニュース第75号参照)
《2面》第1回定例会 一般質問
○森とおる議員が一般質問(2/20) →森とおる一般質問の内容はこちらから
1.2024年度予算について
2.能登半島地震を教訓とした震災・防災対策強化を
3.生活保護施策の改善と拡充について
4.障がいのある方の支援策について
5.池袋駅西口地区市街地再開発計画について
6.誰一人取り残さない豊島区にするために
○清水みちこ議員が一般質問(2/21) →清水みちこ一般質問の内容はこちらから
1.切れ目のない子育て支援について
2.学校と教育をとりまく課題について
3.羽田空港新ルートについて
《3面》常任委員会の審査など
○総務委員会
◆区長や議員などの報酬引き上げに反対
区長・副区長・教育長・常勤監査委員の報酬引き上げのための条例改正を審査。小林議員は「物価高騰等で困難になっている区民の生活実態からみて、値上げすべきでない」「特に区長については、これまで23区で最下位だったのを真ん中にするとして年収で100万円近く上がるというのは上げすぎだ」と反対。 自民党豊島区議団から提案された、区議会議員の報酬引き上げの条例改正についても、区長等の報酬引上げと同様の理由で反対した。維新・無所属の会も、反対を表明。しかし、自民党、公明党、立憲・れいわ、都民ファーストの会・国民が賛成し、可決した。
○都市整備委員会
◆大企業が大儲けの市街地再開発 公正で透明性ある事業に
「法の趣旨にかなった再開発事業とするための制度運用に向けた陳情」が、都市整備委員会で審査された。
現在進められている「南池袋2丁目C地区第一種市街地再開発事業」に関して、分析・検討を行ったところ、資金計画や権利変換について地権者権利が守られてないとして対応を求めたもの。
建設される2棟のタワーマンションの分譲価格から計算すると、資金計画と大きく差が生じており、大手大企業のデベロッパーに莫大な利益をもたらしていることを指摘。
さらに公共・公益事業の名で多額の補助金を拠出する問題も指摘した。
かきうち信行議員は、再開発は、事業計画が不透明であってはならず、ましてや池袋保健所の移転計画もかかわっており、陳情の趣旨は住民の願いにかなったものと採択を主張したが、多数で不採択となった。
○区民厚生委員会
◆許せぬ、介護保険料引き上げ、訪問介護基本報酬引き下げ
介護保険条例の一部を改正する条例、介護保険料の引き下げ及び在宅支援強化を求める陳情他1件が一括で審査された。
儀武議員は「保険料基準額は、第9期(2024年~26年)は第8期と同額で、年額74,400円、月額6,200円、低所得者の軽減策として、区独自に支援策を講じたことは、一定評価する。しかし、一定の所得のある層は、7,440円の負担増になる。45億円ある介護給付準備基金を、あと8千万円取崩せば値上げする必要がない」と指摘。さらに、今回の介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬が引き下げられる。
「介護事業所は、今でも約4割が赤字。報酬引き下げは、介護事業所の倒産、休廃業に拍車をかけるものであり、介護職員の処遇改善にもつながらない」と主張。
議案については、日本共産党、立憲・れいわが反対、自民、公明、都民ファースト・国民、維新無所属が可決に賛成し、賛成多数で可決。陳情については、日本共産党、立憲れいわ、維新無所属が採択を主張したが、不採択となった。
◆国保料の2年連続の大幅引き上げやめよ
国民健康保険条例の一部を改正する条例、子育て世代の国民健康保険料の負担軽減を求める陳情他1件が一括で区民厚生委員会で審査された。
来年度一人当たり保険料値上げは、前年度比13,157円で、2年連続の過去最大の値上げとなった。年収200万円の年金受給者一人世帯で13,300円の負担増。夫婦と子ども2人の4人世帯では、年収200万円で29,278円の負担増、年収300万円で50,198円、年収400万円で69,666円の大幅な負担増となる。
儀武議員は「物価高騰の中、年金生活者、子育て世代も大幅な負担増になる」「国保の都道府県化の前と2022年度決算で比較すると、一般会計からの持ち出しを21億円も減らしている。国庫負担を大幅に増やすとともに、当面、区が財政支援をすべき」と主張。議案について、日本共産党、立憲れいわが反対、自民、公明、都民ファーストの会・国民、維新無所属は、賛成多数で議案を可決。2件の陳情については、日本共産党、立憲れいわ、維新無所属が採択を主張採決の結果、採択少数で不採択となった。
○子ども文教委員会
◆千早文化創造館 改築のための休館中 2年間代替施設なし⁈
駒込、巣鴨、南大塚、雑司が谷、千早地域文化創造館、5館の指定管理者の指定について審査。指定期間は24年4月から29年3月末の5年間、指定管理者はこれまでと同じ「公益財団法人としま未来文化財団」
清水議員の「千早文化創造館は改築工事のため、指定期間が24年12月末までとなっている。その後、約2年間の休館中の代替施設はあるのか」との質問で、代替施設は用意していないことが明らかになる。休館中の代替施設、あゆみ展など発表・展示の機会を確保するとともに、地域や利用者の声を十分にくみ上げること、他の老朽化している地域文化創造館の施設改善を強く求め、議案には賛成した。
《4面》
◆パレスチナ・ガザ地区停戦を求める決議 全会一致で可決___金権腐敗政治を一掃することを求める意見書は否決される
定例会初日、「パレスチナ自治区ガザ地区における人道目的の停戦等の実現に関する決議」が、全会一致で可決された。
区議団は、今年1月、一向に解決しないガザ地区での虐殺について、停戦を求める決議を区議会として上げたいと提案、その後自民党から決議案がだされ、全会派が共同提案者となり可決されたもの。
また、区議団は、自民党政治資金パーティ券に伴う裏金事件について、真相究明のため証人喚問と企業団体献金禁止を求める「金権腐敗政治を一掃することを求める意見書」を提案。これには、「立憲・れいわ」が共同提案者となった。
本会議最終日、小林ひろみ議員が提案し、立憲・れいわが賛成討論を行った。採決の結果、共産党、立憲・れいわ、維新無所属、無所属元気の会が賛成したものの、自民党、公明党、都民ファーストの会・国民民主党が反対し、否決された。
◆本会議で意見が分かれた採決の結果(区議団ニュース参照)