私は、日本共産党豊島区議団を代表して「地方自治体の役割は、くらし、福祉、教育を守ること」と題し、一般質問を行います。
第一に、小池都知事の2期8年間の評価について
第二に、物価高騰対策について
第三に、高すぎる国民健康保険料について
第四に、介護事業所の支援、介護職員の処遇改善について
第五に、障がい者施設建設等について
第六に、学校改築について
第七に、その他として、高齢者補聴器購入費助成の拡充について、です。
自民党の裏金事件が大問題になった国会が終了しました。自民、公明が強行した政治資金規制法は、裏金事件の真相究明に背を向け、企業・団体献金の禁止する規定もないなど、裏金を存続する改悪であり、全く反省がありません。日本共産党は、金で政治を歪めるパーティー券を含む企業・団体献金の全面禁止など抜本的見直しを引き続き求めてまいります。
都知事選挙が始まり6日目になります。小池都知事は8年前、反自民を掲げて当選しましたがすぐに自民党にすり寄り、都政の中身も今や古い自民党政治そのものです。都民の命と暮らしより大型開発推進など財界の目先の利益を最優先にする石原都政以来の自民党政治を加速させています。知事の資格が問われる学歴詐称疑惑も拡大し、告発もされています。
第一に、小池都知事の2期8年間の評価について質問します。
先ず、高際区長が都内52首長による小池都知事への三選出馬要請に名を連ねたことについてです。 新聞などの報道によると、高際区長が、5月28日に都内52首長による小池都知事への三選出馬要請に名を連ねていました。区民から「出馬要請はいかがなものかという」疑問が寄せられ、6月12日の正副幹事長会で、そのことを確認したところ、高際区長は「個人として、要請すると判断に至りました」と答えました。
日野市の大坪冬彦市長が5月30日の記者会見で、「小池知事側から『支援してくれますか』という打診があった」「(小池氏側からの)応援依頼だったのが、なぜか(首長側からの)出馬要請になってしまった。心外だ」と述べています。知事側の要請であれば、公職選挙法に抵触する可能性もあります。改めて確認しますが、高際区長に対して、小池知事側からの出馬要請だったのか、応援要請だったのか、具体的にお答えください。
また以前、故高野区長は都知事選挙期間中に、池袋駅で小池知事の応援演説を行い、問題になったこともありました。それが、公務中であったのか、公用車で現場まで行ったのか、そうでなかったのか、釈明に追われたことがありました。区長の政治活動の自由は当然ありますが、区民の視線は厳しくなっています。高際区長は、選挙期間中に要請があれば、区長として小池知事候補を応援に参加するのか、明確にお答えください。
さて、小池都政の2期8年間はどうでしたでしょうか。
都知事選前、5月29日の最後の定例会の所信表明で、小池知事は、2期8年を振り返り「成長と成熟が両立した持続可能な都市にするために大改革にまい進してきた」と自賛する一方、未達成の「介護離職ゼロ」「多摩格差ゼロ」など「七つのゼロ」公約には触れずじまいでした。
小池知事は、区民にとって看過できない様々な問題があります。例えば、豊島上空を低空飛行する新羽田飛行ルートは、騒音、落下物や事故などの懸念から、区民からの見直し、撤回を求める意見書を国へ提出する陳情や区へ要望が何度も提出されていました。新飛行ルート直下の品川、渋谷、港区などでは、羽田新飛行ルートの見直しや撤回を求める意見書が採択されるなど、都民の反対や区議会へ見直しを求める声が広がっていることを小池都知事は知りながら、国と一体となって新飛行ルートを強行しました。その責任は重大です。また、コロナ感染者が流行っている時に、都立病院や公社病院が入院の受け入れ患者は、第1位から第11位まで、都立・公社病院が占めました。その都立・公社病院の独立行政法人化を強行し、19の病棟、629のベッドを休止に追い込んでいます。地域の拠点病院である都立大塚病院は95床も減らしています。地域医療にも重大な影響を与えます。豊島区民にとって、許しがたいことを強行した張本人であります。
それだけではありません。障害者福祉手当と児童育成手当は28年間一円もあげず、国民健康保険料の引き上げを推進しています。都営住宅の新規建設は25年間ゼロ、その一方で、小池都政は、都庁などを光で飾るプロジェクションマッピング事業に、二年間で48億円も注ぎ込んでいます。委託先は、電通のグループ企業です。都庁の下では、貧困が広がり格差拡大で、弁当を受け取るのに800人も並んでいます。光を当てるとこを間違えていないでしょか。また、小池都政は、稼ぐ東京などを強調し大規模な再開発を都民の反対を無視して進めています。その典型が、千本の樹木を伐採する神宮外苑再開発です、神宮外苑のみどり、文化、歴史を守れと亡くなった坂本龍一さん、歌手の桑田佳祐さん、小泉今日子さん、作家の村上春樹さん等、多くの著名人と都民が声をあげています。ユネスコの諮問機関イコモスも再開発中止を求める文化遺産危機警告を出しています。このように都民の声、国内外の声を聴かない、都民ファーストというより、まさに財界ファーストと言わざるを得ません。
日本共産党区議団は、立憲民主党、社民党など幅広い共闘で、新しい蓮舫都知事の誕生で、あたたかい東京をつくるために全力を尽くします。そのことが、区民のくらし、福祉、教育の拡充につながるからです。
そこで質問します。
JX通信社が5月半ば、都内有権者約2千3百人を対象に、世論調査を行いました。
その結果、2期8年で小池知事の評価が「上がった」人はわずか8%で、「下がった」人が30%です。「小池都政が続くのが望ましい」と答えた人は24%にとどまり、「新しい人に交代した方がよい」という回答が42%でした。区民に冷たく、財界ファーストの小池都政の行き詰まりは明らかです。8年前に期待を集めた「反自民」の姿勢は、見る影もありません。それでも高際区長は小池候補を評価するのか、明確にお答えください。
第二に、物価高騰対策について、質問します。
物価高騰は、区民のくらしに深刻な影響を及ぼしています。加えて、6月から電気料金やガス料金の値上げです。電気料金は一般家庭で月540円から720円の値上げだと言われています。
私は、日本共産党東京都議団と商店街の聞き取り調査を行いました。この20年間で、商店街の周辺には、スーパーやコンビニが10件ほどできて、商店街の物販はほとんどなくなり、飲食店や飲み屋に業態が変わったとのお話でした。飲食店は、食材の値上がり、お客さんに価格を転嫁できず、苦しい状況であることも伺いました。電気代の値上げは、これに追い打ちをかけるものです。特に、電気やガスを使用するので、値上げは大幅に増えるので、メニューの値上げをするか、店をたたむのか、厳しい選択を迫られています。物価高騰対策は、本来、国が第1議的にすべきことですが、国の定額減税は、大変複雑で、自治体や企業の事務負担が大きく、本区も一般財源からの持ち出しが5億円以上もあります。大変評判が悪く、減税の実感が乏しい、と批判の声も噴出しています。
そこで質問します。
商店街の方からは、物価高騰対策というなら、消費税減税をしてほしいという声が寄せられました。
区民も商店街もみんなが、減税の恩恵を受け、商品を買ったり、消費をすればするほど、その恩恵を受けることになるので、ぜひ実施すべきです。世界では100を超える国と地域が、消費税、付加価値税の減税を行っています。直ちに国へ求めるべきと考えますが、いかがですか、お答えください。
また、どこの商店街も厳しい中、必死に頑張っています。区民に喜ばれ、地域経済の活性化にも寄与するプレミアム付き商品券の拡充をすべきと考えますが、いかがですか。
次に低所得者、生活保護利用者についてです。
夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症による死者は年間1,000人を超えています。民間と連携し冷房を備えた公共施設や商業施設などに「クーリングシェルター」を設けることも大事です。しかし、シェルターまで出かけることができない方も多数います。エアコンがあっても、電気料金の節約でエアコンの利用を控える方も、実際のところいます。
新規事業として、高齢者世帯のエアコン設置助成事業と生活保護利用者のエアコン設置事業が始まりましたが、6月14現在の実績をみると、高齢者は、申請者数13件、助成件数4件です。生活保護利用者は実績がゼロで現在、聞き取り調査を行っているそうですが、それぞれの進捗状況をどう受け止めていますか、合わせて答弁を求めます。
令和3年度にコロナ禍でステイホームが求められる中、生活保護のエアコン購入費助成事業が実施されましたが、予算上は172世帯見込み、実績は18世帯にとどまりました。当時から日本共産党区議団「設置費用の金額が低すぎるので、自己負担があるのならエアコンはいらない」という事例があることを指摘してきました。
本区の助成上限額は8万円ですが、エアコンと設置費用を考えると、不十分です。練馬区では、上限額が10万5千円です。大幅に引き上げるべきです。
さらに、電気料金が高くなるので、エアコンを使用しない、要らないという人がいます。熱中症を予防するため電気料補助をすべきと考えますが、いかがですか、
第三に、高すぎる国民健康保険料についてです。
2024年度の特別区の一人当たり保険料は前年度から13,157円負担が増えて156,520円となります。年収240万円の40歳未満単身者の国保料は20万になり、1か月分の収入がなくなる重い負担です。子育て世代も大幅な負担増になります。給与年収400万円(40歳未満)の4人世帯では小池都知事が就任する前にきめられた2016年と比較すると、39.2万円から、53万円へと35%もの値上げで、1か月半の収入が国保料で吹き飛ぶ計算になります。子育て世代から悲鳴が上がるのも当然です。
そこで質問します。
子育て世代の負担軽減については、国が2022年度に全世代未就学児の均等割額の半額軽減実施をしていますが、今回の大幅な値上げは、子育て支援にも逆行するものです。この現状を区長は、どう認識していますか、お答えください。
また、立川市は24年度から、未就学児の均等割残りの5割部分についても市独自に減免し、負担をゼロにしました。本区でも直ちに実施すべきです。
さらに、東京全体では、900億円で国保料1人3万円の引き下げと子どもの均等割りをゼロにすることができます。ただちに都に支援を求めるべきです。あわせて答弁を求めます。
第四に、介護事業所の支援、介護職員の処遇改善についてです。
24年度は、訪問介護の基本報酬が2%~3%引き下げられました。 引き下げの理由は、ほかの介護より利益率が高いからだとしています。しかし、これはサービス付き高齢者住宅などで集中的に訪問回数を増やし、大手の事業所が異常な高利益で平均を押し上げたからです。小規模の事業は赤字が約4割(36.7%)です。
東京商工リサーチの調査によると、介護事業所の今年1月~5月の全国倒産件数は、72件で過去最多だった2020年の58件を上回っています。職員の採用難と離職に歯止めがかからず、光熱費や介護用品の物価高が経営を圧迫したことによるものです。
今回の基本報酬の引き下げは、この流れを、さらに加速させるものです。今でも、介護職の給与は全産業平均7万円も下回っています。人員確保が困難で、有効求人倍率は、全産業平均の1.31倍に対し、訪問介護は15.53倍と突出しています。大変深刻な状況です。ホームヘルパーの高齢化も進んでいます。7.4人に1人が70歳以上です。60歳以上で見ると全体の4割近くに迫っています。家庭だけでなく、公的保険サービスも「老々介護」が広がっているのが実態です。
衆院厚生労働委員会は5日「介護障害福祉事業者の処遇改善に関する決議」を全会一致で議決しました。決議は、介護・障碍者福祉従事者は「重要な職責を担っている」と指摘。他産業の給与水準と比べて低い状況だとして、「優れた人材の確保」「サービス提供体制を整備」するため、報酬改定の影響 について介護事業者等の意見も聞き、速やかで十分な「検証」を行うとしています。
そこで質問します。
介護事業所の倒産・廃業・休業は、区内の介護サービス利用者に多大な影響を与えます。区が、安定的に介護サービスを提供する責任があります。区長は、この現状をどう認識していますか、お答えください。また、区内の介護事業所の実態調査を行い、必要な支援を行うべきと考えますが、いかがですか、さらに、国は、介護報酬での処遇改善を6,000円程度賃金の改定をしたと言っていますが、経営が厳しい事業所では、必ずしも担保される保証はありません。介護職員の処遇改善を区独自に行うべきです。合わせて答弁を求めます。
第五に、障がい者施設建設等についてです。
障がい者の母親から「重度の障害者が入所できる施設を東部地域にも建設し欲しい」と相談を受けました。現在、都外の入所施設に入っていて、年に2回、自宅に帰り家族と一緒に過ごすことを楽しみにしているそうです。障がい者団体との予算要望懇談会でも「東側に入所施設の建設を」と切実な要望がだされます。また、区内で長年、施設建設運動を続けてこられた方々が、池袋2丁目にあるグループホームニーマの抽選に漏れて、大変残念な思いを訴えられたこともありました。
現在、重度の障害者にも対応した施設等を要町一丁目地区に整備する予定ですが、施設を運営する事業者が見つかっていないことなどで、進んでいません。人手不足が施設の運営にも深刻な影響を与えています。今回の報酬改定では、障害福祉サービスの全体費用について国は21年度報酬に対して1.12%増となる改定を決めました。わずかな改定に止まっています。これでは人材を確保することができません。今でも職員の給料は、全産業平均と比べると月7万~8万円も低いと福祉の分野で働く現場の声であります。ガソリン代や電気料金など物価高騰に事業所も経営の困難に直面しています。
そこで質問します。
建設する土地については、例えば、駒込二丁目の旧赤十字センター施設や巣鴨三丁目の警察寮の跡地など都有地での未利用があります。改めて、国有地や都有地、区有地も含めて、全区的に視野を広げて建設地を確保し、重度の障がい者もはいれる施設を建設すべきです。いかがですか、答弁を求めます。また、障害福祉事業者が安定して施設運営するためには、人材育成は重要な課題です。人手不足を解消するために、障害福祉事業所の支援と障害福祉職員の処遇改善のために区独自の支援策を講じるべきです。合わせて答弁を求めます。
第六に、学校改築についてです
19日の議員協議会で、「新たな学校改築方針について」報告がありました。
駒込地域の小中学校の改築については、駒込小学校に近接した日本郵船株式会社が所有する敷地を20年の定期借地権で借り仮校舎を建設することで、駒込小学校、駒込中学校、仰高小学校の改築を行う方針です。また総合体育場と朋有小学校の敷地を一体的に活用し、学校と総合体育場の位置を入れ替え、朋有小と西巣鴨中を校舎一体型小中連携校として建設する、その後西巣鴨中学校を、巣鴨小、豊成小、清和小の仮校舎とする方針です。
日本共産党区議団は、学校統廃合後の跡地を売却や定期借地による民間への貸付には、反対してきました。学校選択制の下で、改築校と未改築校の学校間格差があり、改築校に児童が集中する傾向があることを指摘してきました。区議団は、学校改築は喫緊の課題だとして、一般質問、予算、決算などで学校改築の具体化を求めてきました。
昨年の第4回定例会では、垣内のぶゆき議員が「国、都、民有地を含め、未利用地を確保するために区長先頭に交渉にあたること、まとまった土地にするための等価交換、居住環境総合整備事業などあらゆる制度を駆使し、学校改築のため土地の確保に全力を尽くす」ことを求めました。
区は、「引き続き、国有地、都有地だけでなく、民有地の動向についても積極的に情報収集を行い、これまで同様、学校改築や公園に係る用地の確保を全力で進めてまいります 」と答弁していました。
校舎一体型連携校については、問題ないとは言えませんが、先ず、二つの学校改築案が示されたことは評価したいと思います。
現在、教育委員会は具体的なスケジュールを明確にする計画を年内に策定すべく鋭意検討をすすめているとしています。また、招集あいさつで区長は、学校改築を含めた区施設の改築改修計画について「中長期的な歳入・歳出バランスを意識しながら、年度内に示す」としています。
そこで質問です。
教育条件を整備するのは区の仕事であります。学校間格差をうまないためには、できるだけスピードアップして、改築をすすめる必要があります。そのためには、なんといっても財源確保は重要です。財源をどう確保するのか、基本的な考え方をお示しください。
安定した財源は、国に強く求めるとともに、8年前と比べ1兆円も歳入が増えている東京都に対しては、本気で財源確保を求めるべきです。特に、財政調整交付金については、絶対に弱腰にならず、不退転の立場で臨むべきですが答弁ください。
学校改築は必要ですが、財源確保のためとして、くらし、福祉の予算は削るべきではありません。いかがですか。削るなら、真っ先にやるべきなのは、イケバスの予算です。この間3年で見直すとの報告は受けていますが、状況をお聞かせください。
また、スピードアップのためには財源とともに、複数校の改築を同時にすすめていく必要があります。そのための職員の態勢が必要と考えますが、準備はしているのでしょうか。
学校改築についての最後の質問です。
総合体育場と朋有小学校の敷地を一体的に活用した学校改築ですが、朋有小と西巣鴨中の小中連携校を予定としています。この地域は、特に高層マンションの計画があり、児童数、学級数も大幅に増える可能性があります。
議員協議会でも質問しましたが、学校敷地として活用するために、例えば現在休業している隣接のガソリンスタンドの土地など、隣接地を取得すべきと考えますが、いかがですか、お答えください。
第七に、高齢者補聴器購入費助成の拡充についてです。
本区は、高齢者補聴器購入費助成、住民税非課税50,000円、住民税本人課税20,000円を行っています。わが党は、これまで、年齢の引き下げ、金額の大幅拡充を繰り返し求めてきました。
高齢者補聴器購入費助成は、昨年度から、住民税本人非課税の方は上限5万円、住民税本人課税の方は2万円に増額されました。しかし、助成は1人1台、1回限りで、拡充された予算は、僅か482万円です。実際に高齢者の方に聞いてみると、「補助があるなら使いたい」という方がいる一方で、「やっぱり高くて買えない」という方も多いです。立川市では18歳以上で難聴など聞こえに課題がある市民の補聴器購入費への助成事業を7月から実施します。
そこで質問します。
区民から、年齢の引き下げ、「もっと助成を増やしてほしい」「片耳ではなく両耳で10万円、買換えの時期には再度使える」など、さらなる改善の要望をいただいています。本区でも東京都の実施自治体への半額補助(72,450円)の「高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業」も活用して、さらなる拡充をすべきです。答弁を求めます。 以上で一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。