豊島区長 高際みゆき 殿
物価高騰など緊急・重点対策に関する特別要望書
日本共産党豊島区議団
団長 垣内信行
物価高やあいつぐ社会保障の改悪で、区民の生活も中小企業の営業も圧迫されています。25年度予算にむけて、また、年末年始を含め緊急に実施すべきこととして、以下の通り特別に要望します。
(記)
【総論】
1 物価高騰、感染症対策においても、「誰一人取り残さない」観点で実施すること。
2 来年度は戦後80年であり、城北大空襲や被爆の実相を次の世代に引き継ぎ、反戦平和及び核兵器廃絶を進めるため、特別の企画を実施すること。
【行財政】
3 システム標準化、ガバメントクラウド、保険証のマイナンバーカードの一体化に反対すること。
4 学校改築を含む区有施設改築を理由に区民サービスを低下させないこと。区有施設の改築・改修にあたっては、国や東京都からの財源を確保し、福祉、くらし、教育最優先に取り組むこと。
5 子ども、高齢者、障害者にかかわる施設建設は先送りしないこと。
6 新自由主義に基づく指定管理・民営化・効率化を見直すこと。職員増員で福祉や公衆衛生、清掃、防災など、継続的に公務労働を担える職員体制を構築すること。特に、豊島区は、23区でも非正規雇用率が高いことから、正規職員を増やすこと。
7 会計年度任用職員の昇給、報酬手当・休暇制度のさらなる充実など、待遇改善すること。
8 公契約条例策定にあたっては、以下の点に留意すること。
- 区内事業者や労働組合及び区民との協議、合意形成をベースに骨子をつくり、実効性ある条例にすること。また、公契約条例が単に労働者の処遇改善にとどまらず、公正な賃金が支払える適正な入札価格の設定など事業者の経営環境改善と、地域の経済循環を通じた商店街を含む産業振興やコロナ禍からの経済のたて直しに資するようにすること。
- 工事または製造の請負契約、業務委託契約、指定管理のすべての事業を対象とすること。適用される労働者等の範囲は、保育や介護をはじめ、給食、栄養士、施設管理、整備など、特定業種別の賃金下限額の設定を高い基準で行うこと。
- 労働環境の報告など、事業者の業務負担に配慮すること。ただし、実効性の高いものにするため、労働者への周知、チェックリストの公開、違反があった場合に労働者から区への申し出を可能にし、事業者からの不利益な取り扱いを禁止すること。
【医療・保健・健康・高齢者・障がい者】
9 コロナ予防接種を無料にすること。コロナの治療薬と入院費用の無料化のための助成を行うこと。コロナ後遺症について周知し、相談窓口を設置すること。いつでもだれでも何度でも無料で簡単にPCR検査が受けられるようにすること。保健所の体制を抜本的に強化すること。
10 インフルエンザ予防接種を子どもに無料で実施すること。区内の学校、保育園など子ども関係施設で働く教職員や保育士のワクチン接種に豊島区として補助すること。高齢者についても、補助を増額し、無料とすること。
11 特定健診の胸部X線検査、長寿健診の心電図については毎年実施すること。肺がん検診については胸部CT検査を毎年受けられるようにすること。
12 来年度国保料の大幅値上げが想定されることから、値上げしないよう、国・東京都へ財政支援を要請するとともに、豊島区独自・23区として対策をとること。
13 介護保険料、後期高齢者医療保険料を引き下げること。
14 高騰する電気代等について、低所得者等への補助をすること。生活保護利用者のエアコン設置補助を恒常的に実施すること。高齢者のエアコン設置補助については、要件(年齢、所得、未設置など)を緩和し、障害者、一人親世帯へ拡大すること。
15 食品などの物価高騰により困難になっている生活扶助費の増額(もとに戻す)を国に強く求めること。低所得者にディサービスの食事代を補助すること。
16 保育、介護、障害福祉の事業所に対し、物価高騰対策や感染症対策など独自の支援金を支給すること。
17 豊島区内の福祉施設で働きたいと思う人を増やすため、区独自の施策・補助制度を拡充すること。合同入所式・表彰式、パワハラ相談窓口など、早急に実施すること。
地域密着型の介護職員宿舎借り上げ支援事業は、要件を抜本的に緩和し、予算を増やすこと。東京都障害福祉サービス等職員居住支援特別手当事業を地域活動支援センターも対象とするよう、東京都に働きかけるとともに、区独自に補助すること。
18 福祉ホーム「さくらんぼ」の改修・改築計画について早急に具体化すること。また、niimaのようなグループホームを、早急に区の責任で区内に増設すること。
19 高齢者補聴器購入費助成制度については、回数制限などの条件を緩和し、利用限度額を大幅に増額すること。区民に対する聴覚検査の回数を増やすこと。
20 訪問介護事業所の介護報酬の引き下げを撤回するとともに、国の負担を10%増やして、介護職の賃金を全産業平均まで引き上げるよう国に求めること。区として、訪問介護事業所への独自の支援を行うこと。
21 高齢者、障害者の介護業務に携わる人たちの職員配置基準の見直しや給与の確実な増額など待遇改善に取り組むこと。
22 高齢者・障がい者の紙おむつ等支給事業、おむつ購入費等助成事業については所得制限を撤廃し、支給限度額を引き上げること。
23 「介護の社会化」に逆行する介護保険制度の改悪(利用料の2割負担の対象者拡大や、老人保健施設の相部屋の室料徴収など)に反対すること。
24 「都立大塚病院」の診療科目削減に反対すること。独立行政法人でなく元の「都立病院」に戻すよう東京都に申し入れること。
【中小企業、区民生活等】
25 消費税の5%への引き下げを国に強く求めること。インボイス制度の廃止を求めること。
26 物価高騰、人手不足などについて具体的な施策を検討するため、区内の事業団体、労働組合、NPO法人など広範な区民をいれた「対策会議」を設置すること。
27 物価高騰の影響は多くの方に及んでいることを踏まえ、住民税課税者も含め低所得者の豊島区独自の給付金を創設すること。
28 コロナ対策の「ゼロゼロ融資」借換制度、物価高騰にかかる融資制度を豊島区独自に実施すること。中小企業の資金繰り・経営に関する年末特別相談を行うこと。
29 物価高騰、新型コロナ感染症により困窮している中小企業等(介護、障害者、医療関係を含む)に家賃やリース代など固定費を豊島区独自に補助すること。特に公衆浴場は燃料費助成の増額に加え、各種助成金やイベント助成金など大幅に増額し、おたっしゃカードの回数増、近隣区との利用拡大もすすめること。
30 区内業者を使えば補助率を上げるなど、区内の景気循環を増やす取り組みをすること。住宅修繕・リフォーム資金助成事業の大幅な増額、区内事業者を使っての家具転倒防止器具設置の補助事業の復活等をおこなうこと。
31 国に最低賃金全国一律1500円以上の実現を求めること。区として雇用対策に取り組むこと。
32 区有施設の利用料を減額すること。
33 安心住まい提供事業、住み替え家賃補助制度の拡充、新たな家賃補助制度の創設、公営住宅の増設など、住宅施策を抜本的に拡充すること。
34 年末年始の閉庁期間中に、生活困窮等の緊急相談に対応できる体制を講じること。東京都に年末年始の対策強化を要請すること。
【子ども、子育て、教育】
35 大学生・専門学校生等への返済不要の給付制奨学金制度を創設すること。また学費半額、入学金廃止を国に強く求めること。
36 物価高騰で負担が増える子育て世帯への支援のため、当面、教材費、楽器などの保護者負担に区が援助すること。区立小中学校、特別支援学校に通う児童生徒に加え、それ以外も給食費の無償化をすること。また林間学校を含め宿泊行事については宿泊費の補助を大幅に増額し、修学旅行の交通費全額補助とすること。
37 子育て世帯の支援については、所得制限をしない施策を実施すること。
38 保育料の第一子からの無料化に取り組むこと。
39 保育士の職員配置基準の見直しや給与の確実な増額など待遇改善に取り組むこと。
40 子どもスキップの職員欠員をなくし、児童相談所の職員確保に全力をあげること。100人を超える学童保育には、支援の単位(概ね40人)ごとに2人以上の専任の放課後学童支援員(資格者)を必ず配置すること。
41 小・中学校の学級編成は早急に中学校も含め35人学級を実施するよう国・都に求めるとともに、区として実施すること。教員不足の解消のため、全力をつくすこと。働き方改革をすすめ、教職員の「多忙」を解消すること。学校行事、研修研究会の在り方、区の行事などへの参加、部活の指導、学校施設の点検など教員の負担を軽減するよう、教育委員会もつぶさに把握し対応すること。
42 「新たな学校改築方針」については、改築が具体化されていない14校の対策を、早急に「学習環境整備計画」等で具体化すること。
【防災】
43 在宅避難が重視されていることから、感震ブレーカーの設置事業の対象地域と対象者の拡充、家具転倒防止器具の設置費用の助成を早急に実施すること。
44 避難所(救援センター)をさらに増やすとともに、引き続きコロナ対策やバリアフリー、ジェンダーに配慮しながら、施設整備及び配備職員の訓練を続けること。補助救援センター、福祉救援センターを増やし、備品や備蓄の確保、運営体制整備にも取り組むこと。すべての救援センターで毎年開設・運営訓練を行うこと。
45 災害時のトイレについては、さらに改善すること。
46 避難行動要支援者の個別避難計画作成にあたっては、記入、提出、支援まで一連の避難計画作成に向けた対応を早期に講じること。そのための関係職員を大幅に増やすこと
【環境・まちづくりなど】
47 「2050としまゼロカーボン戦略」での「2030年カーボンハーフ」を実現するための具体的な削減計画を示すこと。エコ住宅・事業者普及促進事業を始めとする補助事業の抜本的拡大・拡充、公共施設の再エネ利用を促進すること。ZEB、ZEHをすすめること。
48 市街地再開発事業、東西デッキなど不要不急の大型開発やイケバスのような「人を呼び込む街づくり」は、見直すこと。区民の足となるコミュニティバスをすすめること。
49 羽田新飛行ルートの中止を国に求めること。
以 上