私は、日本共産党豊島区議団を代表して「区民のくらしを守り、安全、安心の区政を」と題し、一般質問を行います。
第一に、消費税増税に伴う対策について
第二に、防災、震災対策について
第三に、命と健康を守る区の課題について、です。
区長の明快な答弁をお願い致します。
まず、第一に、消費税増税に伴う対策についてです。
東京商工会議所豊島支部の新年賀詞交歓会の席上、あいさつの中で、「オリンピック後の景気が不安」「大企業の内部留保の活用を」と、区内の有力団体の複数の方が表明されました。安倍政権が消費税率10%への引き上げを強行してから4カ月が経ちました。世界経済が悪化の一途をたどり、国内消費も冷え込んでいるときに、増税の強行で、ますます消費が冷え込み、新たな不況を引き起こしつつあります。内閣府の景気動向指数は5カ月連続のマイナス、総務省の家計消費では1世帯当たりの消費支出は3カ月連続のマイナス、昨年10月~12月期の実質国内総生産の速報値が前期比マイナス1.6%、年率6.3%の大幅減少となりました。
日本経済の6割は家計消費です。今、ここが一番弱くなっています。中小企業支援と雇用の安定、内需拡大のため「大企業の内部留保の活用」を求める挨拶につながったのだと思います。
わが党は、消費税増税ではなく、456兆円も溜め込んだ大企業の内部留保の活用で、中小企業の支援、雇用と社会保障を拡充し、国民のくらしと日本経済を再生する展望を示してきました。この点で多くの団体と共通認識が生まれ、この一致点で共闘ができると思うと、胸がワクワクしてきました。
わが党は、これまで区民のくらし、生業をまもるために、区長が消費税10%への引き上げに反対を表明すべき、と質してきましたが、区長は「消費税は安定的財源」などと言って拒否してきました。
安倍政権は増税するに当たって、複数税率の導入やキャッシュレス決済のポイント還元など、中小事業者に「万全の対策」をとると言っていました。
しかし、今、現場では、怨嗟と怒りの声がひろがっています。
キャッシュレス・ポイント還元制度に登録した中小商店は増税実施から4カ月以上経っても、まだ全体の3割程度に過ぎません。経済産業省が躍起になっても、なぜひろがらないのか、専用のレジ購入や決済会社への手数料支払いが負担になることもありますが、それだけではありません。商店主の声は「現金で支払うなじみのお客や高齢のお客さんがいるのに、カードやスマホ決済の人だけ値引きするわけにはいかない」というものです。区内のプレミアム付き商品券交付は、非課税者全体の3割程度に留まっています。非課税者の多くは、商品券を購入する余裕もありません。
そこで3点質問します。
1点目です。消費税は逆進性の高い税制です。消費税10%への増税が、区民のくらしや中小事業者などに深刻な影響に追い込んでいる認識はありますか、区長の見解を求めます。
2点目です。消費税は社会保障のためと言っていますが、消費税10%への引き上げの直後に、安倍政権は、「全世代型社会保障」と言って、年金、医療・介護の負担増と給付の削減を急ピッチで進めようとしています。
区も、今年度予算で、文化とにぎわいを口実に大型開発に多額の税金投入する一方で、本当に光を充てなければならないところに目が行き届いていません。
例えば障害者施策です。区の来年度予算案をみると、障害者の日中の活動をサポートする福祉施設である地域活動支援センターの補助金については、8%への引き上げの時も拡充策がなく、来年度予算にもありません。そのため家賃の値上がり分等は、行事などを削って、何とか運営しているのが現状です。ここにこそ、光を当て手当てすべきです。来年度予算で拡充すべきと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。
3点目です。消費税を導入してから31年になります。この間、国の借金は246兆円から1069兆円に膨れ上がりました。結局、消費税は「社会保障の拡充」にも「財政再建」にもならず、大企業の法人税減税の穴埋めに使われたのが実態です。いまこそ、大企業に儲けに相応しく税を負担してもらい、積みあがった内部留保の活用で、賃上げや中小企業支援をすべきと考えますが、いかがですか。
また、中小企業、商店街支援など景気を回復するためにも消費税は緊急に5%に減税すべきと考えますが、いかがですか。あわせて区長の見解を求めます。
第二に、防災、震災対策についてです。
2019年は台風の猛威が際立った年でした。暴風が大きな被害を出した9月の台風15号、すさまじい大雨で東日本を中心に甚大な被害を引き起こした10月の台風19号など、地球温暖化で大型化し、被害の激甚化、広域化がすすんでいます。この傾向は今後も増幅する可能性があります。幸いなことに豊島区内では人的な被害は発生しませんでしたが、様々な課題、教訓が明らかになり、地域防災計画の見直しも進められています。
救援センターの運営については、台風19号の際、駒込小学校では、町会、消防団、PTA等の協力によるスムーズな運営がされたそうです。しかし、出勤日でない学校開放管理員の自宅に電話が入り、資機材の場所が知らないので、教えてほしい、との連絡があり、対応したとのことです。また、別の救援センターでは、ごみのかたづけ、整理など学校開放管理員が行ったそうです。
1月23日の防災会議で、風水害時の救援センター開設の考え方について、審議されました。区民の方から「高齢者は遠くまで行けない、すべての救援センターを開いてほしい、それが防災訓練にもなるから」などの意見が出されました。私も「区民から救援センターの朝日小学校を、なぜ開設しないのか」問い合わせや「町会役員が地域をよく知り、災害要支援者などの実情をよくつかんでいるので、35か所を開設すべき」などと発言しました。様々な議論の末、35か所案が決定されました。
そこで質問します。
救援センターの運営について、町会、消防団、PTAの協力は必要です。私たちも否定はしません。救援センター開設時には、初動対応として、職員の果たす役割が重要です。避難者や電話対応など一気に集中します。救援センター開設の初動時対応がスムーズにいくかどうかは、その後の運営にも大きく影響します。
災害の発生時には、地域本部の救援センターに職員9人、その他の救援センターには7人が配置されます。半径15キロメートル内に住んでいる職員が駆けつけることになっていますが、これで対応できるでしょうか。現在の災害対策要員は34名です。民間の宿舎を借り上げ居住していますが、少なすぎます。各救援センターには、少なくとも複数配置をすべきです。区の見解を伺います。
いま、政府が進めようとしている「自治体戦略2040構想」では、AI(人口知能)やロボティクスの導入によって自治体職員を半減することをかかげていますが、AIやロボティクスでは、災害現場での対応はできません。災害時はマンパワーが必要です。昨年、防災・震災対策調査特別委員会で、甚大な水害被害をうけた広島県呉市と岡山県真備町を視察しましたが、職員不足で、主な救援センターしか開設できなかったとの報告も受けました。一方で保健師が大変重要な役割を果たした報告も受けました。地域担当の保健師が、日頃から町会役員などとつながっているので、救援センターでは、食中毒や熱中症、感染症対策などでスムーズにすすみ、猛暑が続いた夏でも食中毒や熱中症を一人も出さなかったそうです。本区でも、保健師、土木などの常勤職員を計画的に増員すべきと考えますが、いかがですか。
現在の救援センターでは、カーペットの上で毛布一枚をもらい横になり、雑魚寝です。東部区民センターでは、雨の中を自宅に戻った方もいます。避難所環境の質の改善、被災者の基本的人権や人としての尊厳を保障する観点「スフィア基準」に整備することが求められます。そのために毎年、計画的に、整備すべきと考えますがいかがですか、区長の見解を伺います。
学校開放管理員は学校のことを熟知しています。防災面から見ても、大変重要な役割を果たしています。昨年、学校開放管理員はシルバー人材センターに委託することが提案されましたが、激論の末、教育委員会が提案を撤回し謝罪しましたが、学校開放管理員の役割がますます大きくなった事がハッキリしました。区長の見解はいかがですか。答弁を求めます。
第三に、命と健康を守る区の課題についてです。
先ず、肺がん検診事業についてです。検診は癌の早期発見、早期治療につなげるもので大事です。昨年と今年、肺がんCT検査は、希望者が多く、予約が取れませんと区民の声が上がっています。年度内に健診予約がとれない方のために、4月にも健診を実施します。そのため1月20日以後に予約を取ることができることになっていますが、「何度電話をしてもパンク状態で、繋がりません。今年度は検診を諦めた」と区民から苦情が寄せられました。
区は、検診を希望する区民に応えるため、今定例会の補正予算で34,821千円を計上しています。検診チケットを送付することで、肺がん検診希望者が増えていると思われますが、来年度もさらに増えることが予測されます。しかし、現在の検診センターだけでは、予約枠を拡大するなど様々な工夫、努力をしても、希望者全員を受け入れるのは困難になっています。
そこで質問します。
検診を希望する区民がいるのに応えられないのは、問題です。何年も後にならなければ対応できないのでは、意味がありません。区はあらゆる方策を講じ、直ちに低線量CT検査ができるようにすべきと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。
また、わが党は、C地区の市街地再開発ビルの中に保健所が移転することには、反対です。区は再開発ビルの床購入を当初20億円と言っていましたが、その後一体いくらかかるのか議会に示していません。こんな無責任なやり方はありません。民間マンションとの合築では、区民から感染症対策に不安の声も寄せられています。区は旧保健所を売却し、17億円かけて仮移転しました。本来なら、区民の生命と健康を守るため、保健所の規模、あり方をもっと慎重に検討すべきでした。移設ありきで期限を決めて移転したのはまちがいでした。せっかく、17億円も税金を投入したにもかかわらず、5年で本移転することはもったいないです。引き続き造幣局跡地で保健所として充実すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に都立大塚病院の独法化についてです。
小池百合子都知事は、2019年12月3日の第4回定例都議会の所信表明で、突然14の都立・公社病院の地方独立行政法人化の移行の準備を表明しました。都立・公社病院を一体化して独法化するということは、企業でいえば不採算部門や人件費を大幅に切り捨てる「リストラ」と同じです。東京都は、母子保健院に続き3つの小児病院を廃止統合し、16あった都直営病院を8つに減らしながら、病院会計への繰入金を20年間に100億円減らしています。都は、「独法化で、より効率的な運営になる」と説明しますが、独法化した東京都・健康長寿医療センターは、効率優先のためベット数161床も減らし、一日最高2万6千円もする高額な差額ベットなどの個室割合が都立病院の2.5倍、都立にはない入院保証金10万円を支払う仕組みになりました。
そこで質問します。
そもそも2018年3月に東京都が発表した「都立病院新改革実行プラン2018」では、メリット・デメリットなど都立病院の経営形態を踏まえた検証を行い、経営形態の在り方を本計画期間中の6年間に検討を進めるとしていたものです。この間、東京都は、都議会、厚生委員会、ましてや都民に検証内容を発表していません。経営形態だけの検証は問題がありますが自ら決めた検証も行わず、突然、一方的に知事が発表するやり方は認めることができません。都知事に撤回を求めるべきです。
また、区内では、この10年間に地域から巣鴨病院や山口病院など5つの病院が廃止となる中で、都立大塚病院の地域での果たす役割はますます大きくなっています。都立大塚病院は東京都指定の二次医療機関であり、総合周産期母子医療センターとしての位置づけとあわせて女性専門外来を設け、区医師会と連携をするなど豊島区になくてはならない病院です。東京都区西北部保健医療圏の災害拠点病院としての役割を持っています。都立大塚病院の独法化はやめて拡充すべきと考えますが、いかがですか。区長の見解を求めます。
最後に、都立大塚病院は、都立のまま存続することによって、さらに都民のために拡充することについてです。
2016年の豊島区議会の第1回定例会で、「性犯罪等被害者を支援するワンストップセンターの設置等を求める意見書」を全会派一致で可決しました。
この意見書は、性犯罪、性暴力被害の特殊性、深刻性に鑑み、性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に最低一箇所は設置し、被害者が被害を受けたときから直ちに必要十分な支援を受けることができるように国に求めたものです。
現在、東京都では、総合病院内に拠点を有する「病院拠点型」のワンストップ支援センターを設置していません。
今、多くの女性が声を上げています。性被害を受けた、あなたが悪いのではない。性暴力は許さないと。世界中に#MeToo、#WithYouの運動が広がり、日本全国各地でフラワーデモも広がっています。
そこで質問します。
病院拠点型は、治療、カウンセリング、専門医の診察、証拠採取など最初に必要な支援が受けられます。都立大塚病院に性犯罪等被害者を支援するワンストップセンターの設置を東京都に求めると同時に区に相談窓口を設置すべきと考えますがいかがですか、答弁を求めます。
以上で、一般質問を終わります。ご清聴、ご協力ありがとうございました。