2021年4定・一般質問原稿(日本共産党豊島区議団・清水みちこ)
私は日本共産党豊島区議団を代表して、「命と暮らしを守り抜くために 区がやるべきこと」と題し、(1)2022年度予算編成について、(2)住宅対策についてです。
区長の明快な答弁を求めます。
●大きな第一の質問、2022年度予算編成について3点伺います。
〇その1点目は、2022年度予算編成に向けて、区民生活への認識についてです。
11月10日、第2次岸田政権が発足しました。総選挙結果は自民・公明政権の継続を許すことになりましたが、幹事長の甘利明氏や元幹事長の石原伸晃氏など要職にあった自民党議員が小選挙区で敗北するなど、野党統一候補に苦戦を強いられました。国民の自公政治への厳しい視線と不信感は払しょくされていません。岸田首相の言動からは、国民が転換を望んだ安倍・菅政治の中身を変える姿勢が見えません。
個人消費や輸出の低迷が響き、2021年7-9月期の国内総生産速報値は2四半期ぶりにマイナスとなりました。夏の東京五輪・パラリンピック開催は、感染爆発を加速し、感染抑制のための緊急事態宣言の延長がGDPの5割強を占める個人消費を押し下げました。
2019年10月の消費税10%への引き上げに続き、長期化するコロナ禍のもとで失業、減収に加え、大豆、菜種、小麦などの原材料や原油価格高騰で「値上げのオンパレード」です。
地域の豆腐屋さんには「原材料高騰のため値上げしました」の張り紙、パンや、食用油、冷凍食品など食料品の相次ぐ値上げや、灯油は18リットルで昨年より500円近く値上げ、10月から電気・ガス料金など水光熱費の引き上げが家計を圧迫しています。
地域の商店街ではさらに空き店舗が増え、商店街解散の話しがあちこちで出ています。中小業者、介護事業所なども廃業が続いています。フリーランス、派遣、非正規雇用などは深刻な影響をうけ、今日の生活もままならない崖っぷち、もはや一刻の猶予もありません。
そこで質問です。まず区長は、コロナ禍の下で深刻な影響を受けた区民や事業者の生活実態をどのように認識し、救済しようとしているのか、お答えください。そしてその区民生活への認識が来年度予算編成の基本姿勢となるのか、明確にお答えください。
〇予算編成についての2点目は、予算編成方針と財政運営についてです。
本区の2022年度予算編成について、依命通達で、「新型コロナウイルス感染症は、終息の兆しを見せることなく、経済・社会に依然として計り知れない影響を及ぼしている。来年度の枠内予算の編成にあたっては、予断を許さない状況にある財政見通しを再認識し、新たな施策は真に必要なものに限定するとともに、全ての既存事業において、漫然と予算要求することなく、必要な見直しを図られたい」として、枠内経費を昨年10%削減に続き、今年は5%相当額の減額を要求しています。
そこで質問です。枠内経費を昨年10%に続き、5%削減とした根拠はなんですか。一元的に削減を求めたのでは、困窮する区民を救済することはできなくなるのではありませんか。いかがですか。
〇これまでも老朽化した学校改築や区有施設の建替え、区民要望の強い特別養護老人ホームや障害者グループホーム、公的な住宅については先送りになってきました。
旧朝日中学校跡地は、特別養護老人ホーム、区民ひろばなどの整備をすることとなっており、当初計画では特養ホームは2022年にオープンする予定でした。しかし、11/17の議員協議会で、旧朝日中学校跡地は、「学校施設等の長寿命化計画」案において、仮校舎として活用する方針となりました。R4~6年度末まで豊島通勤寮の改築のための仮施設として貸し付け、仮校舎としての活用はその先です。
特別養護老人ホームはもう一つの候補地案であった西巣鴨体育場で検討を進めていくことになり、今後5年から5年半はかかると報告がありました。
そこで質問します。老朽化した学校改築や区有施設の建替え、区民にとって必要な特別養護老人ホームや障害者グループホーム、公的な住宅についてさらに先送りになったということです。来街者を呼び込む街づくりを優先した結果、この事態を招いたのであります。区長の責任は重大です。このような事態に陥ったことを、どう受け止め、認識しているのか、お答えください。
また依命通達では「歳出面では、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すことに加えて、デジタル化の推進や池袋の都市再生、さらには子育て・福祉・教育・防災施策の充実、老朽化した区有施設の更新など、喫緊の行政課題は多岐に渡っている。また、来年度は、区制施行90周年の節目を迎え、その先に続く 100 周年も見据えて、さらなる「SDGs 未来都市」の推進、それと軌を一にする「国際アート・カルチャー都市」の実現を着実に進める必要がある」としています。
わが党区議団は、これまで高野区長のトップダウンによる投資事業、国際アートカルチャー都市や東アジア文化都市の名による大企業のための街づくりや投資は、将来の財政運営を左右することが必至であり、これまでも見直しを求めてきました。なかでも今後の大きな懸念となるのは「池袋の都市再生」です。
今年度の投資的経費は、対前年度比7億9000万円の増、4.8%プラスの172億3000万円です。これは現在進行している3地区の市街地再開発事業について、南池袋二丁目C地区で29億8300万円の増、東池袋四丁目2番街区地区で19億1100万円の増、さらに東池袋一丁目地区で2億7900万円の増と、合わせて51億7300万円の大幅増となっています。
南池袋二丁目C地区については明日、渡辺議員が取り上げますが、私は池袋駅西口地域の市街地再開発について取り上げます。
4/15の副都心開発調査特別委員会で、池袋駅西口地区は2022年度の都市計画決定が準備組合の目標。西池袋一丁目地区は、準備組合が都市計画素案の作成をしていると報告がありました。私は具体的にまちがどう変わるのか、区民への具体的なメリットは何かと質問しましたが、区は「現時点で明確にお示しすることはできない」「議会に適切に情報提供しながら進めていきたい」と繰り返すばかりで、これ以降、議会へ報告はありません。
しかし区長は第3回、第4回定例会と連続し、招集挨拶で「池袋の都市再生」池袋駅西口地区の再開発について言及しています。また10/1発行の広報としま特別号『としまプラス』や、11/1区功労者表彰の式典で「サンクンガーデン」のパース図を発表。しかしパース図は、いまだに議会へは示されていません。
そこで質問です。池袋駅西口地区、西池袋1丁目地区の現在の進捗状況はどのようになっているのですか。区長が招集挨拶で述べている内容の根拠となるものはなんですか。区長の思いだけでなく客観的な根拠をお示しください。
またどれくらいの事業費を見込み、どの時期に必要となるのですか。再開発事業は莫大な税金を投入する事業です。パース図を見せておきながら何も示せないというのでは、あまりにも無責任ではありませんか、答弁を求めます。
先ほども述べたように、令和3年度予算では対前年度比で計53億円の減収が見込まれ、不合理な税制改正による区財政への影響で豊島区における影響額も約77億円となり、区財政に深刻な影響を与えています。
そこで質問です。このような厳しい状況が、今後数年間続くことが見込まれている中、市街地再開発事業は、現在進行中の3地区につづき、池袋駅西口地区、西池袋1丁目地区、東西デッキなど目白押しです。これらの事業は先送りするなど見直すべき課題ではないでしょうか、答弁を求めます。そうしなければ本当に必要な区民の福祉、くらし、教育などの区民需要に応えられなくなってしまうのではありませんか。このような財成運営は見直すべきと考えますが、いかがですか。答弁ください。
〇予算編成についての3点目は、直ちにやるべきことについてです。住宅対策については重要な課題ですので、大きな2番目の質問としてのちほど取り上げます。
ただちにやるべきことのひとつめは、コロナ対策についてです。
11/12、政府が第六波を想定した対策を出しましたが、全く不十分です。コロナ病床を確保するための柱は病床使用率の「見える化」や医療機関間の医師や看護師派遣の強化で、普段から人手不足の医療体制そのものを強化するための施策はみえません。岸田首相が総選挙中に「しっかり進めていく」と訴えていた無料検査は、健康上の理由などによりワクチン接種を受けられない人を対象に限定、期間は来年3月末までとしました。また、これまでと同様に感染拡大の傾向がみられるときには、無症状者への無料検査ができるよう都道府県に対する支援を継続する一方、職場や学校で行う自主検査への支援策は盛り込みませんでした。PCR検査については、検査体制の縮小につながりかねない診療報酬の引き下げを示唆しました。さらに政府は「Go To キャンペーン」を再開すると報じられています。
日本は、検査がイギリスと比べても直近の人口比(100万人あたり)で23分の1です。検査の遅れは今も深刻です。
自公政権は検査を抑制し、軽視する姿勢をとり、検査戦略をもってきませんでした。コロナに特徴的な無症状感染者を早期に発見・保護し、ウイルスを封じ込めることは世界中で取り組まれている戦略です。そもそも世界的にみても少なすぎる検査数で、無症状の感染者を把握できないままでは、ウイルスを封じ込めることはできません。
そこで質問します。国も都も、ようやく「無症状者への検査」の実施をはじめましたが、まだ不十分です。今年度は当初予算で豊島区PCR検査センター運営委託に3000万円計上していますが、現在休止しています。あらためてPCR検査センターの再開や、この予算を使っての無料のPCR検査の実施を求めます。答弁ください。
第三回定例会の一般質問では、区は、学校や保育園等子どもにかかわる現場での職員への定期的なPCR検査の実施は「考えていない」とのことでした。
現在でも、医療機関や高齢者施設では、職員などへの定期的なPCR検査が行われています。子どものことについては、コロナに限らず子どもが発熱すれば、保護者は休まざるを得ません。パートなどでは休めば収入は補償されません。さらに学級閉鎖や休園になれば、大きな影響がでる、特に女性に負担がかかっていることは、これまで経験してきました。
そこで質問です。高齢者だけでなく、子どもの施設での感染拡大の防止も重要であります。ワクチンを接種できない子どもたちを守るための検査の拡充は不可欠です。
保健所職員の体制について伺います。今年度は保健師5名を新規採用予定でしたが、正規では3名しか採用できず、3名すべて保健所配置としたものの現状2名になっていると聞いています。採用できなかったあとの2人は派遣となるとしていました。平常時からの保健所体制の強化が必要だったのです。同じ轍を踏んではなりません。保健師の来年度の体制強化の見通しについてお答えください。
学校や保育園等子どもにかかわる現場で、職員への定期的なPCR検査を豊島区独自に実施すべきです。改めて、豊島区独自に実施すべきですがいかがですか。
〇中小企業対策についてです。
2019年10月、消費税10%の強行で消費が落ち込んでいる中で、新型コロナウィルス感染症の流行で区内の中小業者、商店街はダブルパンチを受け深刻です。新型コロナウィルス感染症対策緊急資金は、補正予算で5億6千2百万円計上しましたが、執行額は、2億八百万です。執行率は37.1%と低いです。無利子、信用保証料無料で、当面の運転資金で助かっても、コロナの収束も見通せない中で、いつまでも借金に頼るわけにはいきません。直接的な支援が必要です。
そこで質問します。区長はコロナ危機で困っている中小企業に対して、今後どのようにしようと考えているのですか、お答えください。
お隣の文京区は、区内中小企業の事業継続を支援するため、人件費、土地・建物の賃貸料などに最大30万円を補助しました。板橋区は、緊急事態宣言の影響を受けて2021年4月から9月までのいずれかの月の売り上げが、前年同月比で20%以上50%未満の範囲内で減少している区内業者に対して、11月1日から中小企業等事業継続支援金の申請受付をはじめました。新宿区も独自支援を実施しています。窮迫している中小企業や区民を支援するために、近隣区同様に、独自の支援策を実施すべきです。答弁を求めます。
〇住宅リフォーム資金助成事業についてです。
わが党は、決算特別委員会でも取り上げましたが、区民から、10月に住宅リフォームの申請相談をしたら、区は「予算を全額執行したので、来年、申請して欲しい」と話したそうです。コロナ禍の下で、収入が減り、資金のやりくりも大変です。藁にもすがる思いで相談したのに、来年度まで、待ってほしい、とはなんと冷たい話ではありませんか。住宅リフォーム資金助成事業は、2019年、2020年度とも申請希望者が多いにもかかわらず、予算をほとんど増やさず、流転用額で対応しています。
そこで質問します。決算特別委員会で、この点を指摘、改善を求めたところ、齋藤副区長は、「検討します」答弁しましたが、今定例会に提案されている補正予算には計上されていません。直ちに、補正予算を組み対応すべきです。また、来年度予算では、大幅に拡充すべきです。合わせて答弁を求めます。
〇家具転倒防止器具の設置補助の復活についてです。
関東大震災からまもなく100年になろうとしています。いつ大地震が発生しても不思議でありません。10月7日、千葉県北西部を震源とする地震があり、足立区や埼玉県川口市などで震度5強の強い揺れがありました。コロナ禍のもとで、分散避難、在宅避難が推奨されています。自宅で、安心して避難生活をするためには家具転倒防止器具の設置は必要です。
そこで質問です。区では、家具の転倒防止器具や取付け費用を負担する減災対策器具設置事業を2013年度まで実施していましたが廃止。現在は区内の防災器具を取り扱う業者のあっせんのみで、実績は、2019年が6件、2020年が3件、2021年9月現在はゼロです。区民の生命、安全を守るためにも、家具転倒防止器具設置の補助事業を復活すべきです。答弁を求めます。
〇子育て支援について2点質問します。
終わりの見えないコロナ危機で子育て世代の負担は限界を超えています。小学生2人の子どもがいるお母さんは離婚が成立せず、実質ひとり親でも児童扶養手当が利用できません。体調が悪くても仕事を休むと給料だけでなく、仕事も失うと無理をして働き続けています。あるお母さんはコロナで収入が激減、子どもは大学生2人と中学3年の3人で子どもの教育費が高すぎる。受験生でも塾になんか行かせられないと嘆いていました。特に子育て世帯は食費、教育費などのこれ以上の負担増に自助、共助では対応できません。いまこそ公助が必要です。
私は「義務教育は無償が原則」と繰り返し給食費の無償化を求めてきました。その第一歩として、区は2020年度からお米の現物支給という形で食材費を一部補助しています。しかし食材費等の値上げで給食費は据え置き、保護者負担は軽減されていません。
そこで質問です。コロナ危機は終わりが見えません。すでに限界を超えている子育て世帯のために負担の大きい給食費の無償化に踏み切るべきです。いかがですか。
コロナ以前からの「食材費は保護者負担」という立場のままでは、子育て世代の負担は増えるばかりです。給食費無償化への次の一歩として、更なる食材費補助とともに値上げは絶対にしないこと。また「給食は食育」の観点からも一層の質の向上が求められると考えますが、いかがですか。
次に子どもの医療費についてです。コロナ、インフルエンザなどの感染症、摂食障害や統合失調症など思春期に多い心の病などは早期発見、早期治療が重要です。長期化するコロナ危機で保護者の収入減、子どもたちの心身への影響は深刻です。子どもたちがお金の心配なく安心して医療が受けられるよう、直ちに18歳までの医療費を無償にすべきです。いかがですか。
●次に大きな第二の質問、住宅対策についてです。
〇「住まいは人権」です。住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台ともいうべきものです。住まいが権利であることは、世界人権宣言や、日本政府も批准している国際人権規約(社会権規約)も認めています。
私は、2018年第4回定例会の一般質問で、「住まいは人権」という認識が区にあるのかと区長に質問したところ、区長は、住まいは生活の基本であるというご指摘はまさにその通りであるとのべ、住まいがしっかりと確保されるということが最も基本的なことではないかと思っています。その意味では、住まいは人権という言うご意見にも耳を傾ける必要があると思います。と答弁されました。
そこで質問です。あらためて伺いますが、区長は、豊島区民にとって「住まい」が憲法で保障される基本的人権にあり、「住まいは人権」という言葉を区政の住宅施策に貫いていると認識してよいのか明確にお答えください。
そういう認識であるなら、住宅基本条例に「住まいは人権」という文字を入れ込むべきと考えますがいかがでしょうか。
〇次に豊島区基本計画についてです。
豊島区基本計画は、区の計画体系の最上位に位置する区政運営の基本的指針であります。現在2022-2025の素案がしめされましたが、本基本計画(素案)の第2編に「施策6-2-1 安心・安全に住み続けられる住まいづくり」があり【施策の進捗状況を測る参考指標】として「現在住んでいる地域に住み続けたいと思う区民の割合」があげられています。指標の現状値2021年は38%、目標値は25年が41%、30年が46%となっています。
そこで質問です。魅力ある街づくりと区長はよく言いますが、現在住んでいるところに住み続けたいと思う区民の割合についての目標値があまりにも低すぎるではありませんか。答弁願います。
また、いくら住み続けたいと思っても住み続けられる施策がなければ絵に描いた餅です。わが党区議団へは住宅相談がひきもきらず、住み続けたいと願っても叶わず他の自治体へ転出する方を大勢見てきました。その方たちが異口同音に言われるのが「住宅にお金がかかりすぎる。お金のない人は豊島区に住んでいてはいけないのですね」という言葉です。 区はこの悲痛な声をどう受け止めていますか。そして今後の住宅対策に具体的にどう生かそうと考えているのですか。明確に答弁ください。
〇つぎに区民からの相談事例を取り上げます。
相談者のAさんは71歳、要支援1、年金とわずかな貯金で暮らしています。長年住んでいるアパートが取壊しで11月末までに立退きを迫られ、10月下旬、ケアマネジャーと一緒に区役所の住宅相談窓口に行きました。立退き用の住宅があると聞いていたので相談しましたが、民間賃貸住宅を探すように言われました。区を通し不動産業者に探してもらいましたが物件は見つからず、後日、電話で「紹介できる住宅はないので高齢者福祉課に相談に行ってください」とだけ言われたそうです。Aさんの「豊島区に住み続けたい、遠くに行くのは絶対に嫌だ」との強い希望でケアマネから相談を受けました。私はすぐにAさん、ケアマネと一緒に住宅相談窓口に行き、安心住まいの申請をしました。現在、物件の内見を済ませ審査結果待ちです。
担当課長に今回の対応について確認したところ「立退きであってもまず民間で探していただく」「将来的なことを考えて老人ホームの方がいいのではと高齢者福祉課を案内した。内部では連携を取っていた」と言いますが、Aさんは「紹介できるものはない、別の窓口へ行けと言われ訳が分からなかった。区から自分は切られたのだと思った」と話されています。
民間賃貸住宅の次は介護福祉課と区の対応がその都度変わり、Aさんは自分がこの先、一体どうなるのかまったくわからず本当に不安だったと思います。
そこで質問です。Aさんの場合、年齢、立退き期限、収入などからみても特に緊急度が高いと考えます。なぜすぐに安心住まいを案内しなかったのですか。「まず民間を探していただく」のではなく、まずは「安心住まい提供事業」があることを示すべきです。いかがですか。答弁ください。
さらに区は民間賃貸住宅の次は「将来的なことを考えて老人ホーム」と言いますが、区内に年金ですぐに入居できる施設があるのでしょうか。まずAさんの希望を聞き十分把握した上で対応すべきではありませんか。いかがですか。相談では本人がどうしたいか、自己決定権を大事にしなければなりません。豊島区に住み続けたいという本人の意見をきちんと叶えることが必要ですが、いかがですか。答弁ください。
実は安心住まいは10/30現在、159戸の内、29戸が空室です。住宅課長に29戸も空室がある理由を聞くと「緊急を要する住宅なので常時20~30戸の空きをつくっている」「オーナーの意向で6戸減ったが、住宅マスタープラン通り、165戸に戻せるよう頑張っている」とのことでした。しかしAさんの事例では、緊急度が高く且つ空室があるのに、区は民間賃貸住宅を探すよう案内しています。
そこで質問です。住宅課は緊急用の住宅なので常時空きを作ってあると言い、福祉総合課では緊急でもまず民間賃貸住宅を探して下さいというのは全く矛盾しているのではありませんか。一体だれが緊急度や入居できるかを判断するのですか。お答えください。
現状の対応を続けていたのでは、空室確保のための空室であり、緊急用の住宅ではありません。「まず民間賃貸住宅を」という対応はやめるべきですが、いかがですか。
〇区民からの立ち退きに関する住宅相談は増えています。「取り壊しによる立退き」は昨年20年度は1年間で307件ですが、21年度は4~8月の5カ月分で202件、「高齢による立ち退き、更新拒否」は20年度149件から21年度4~8月分で99件で増加傾向です。
そこで質問です。まず区は安心住まいの絶対数が区民需要から見て、あまりにも少なすぎるという認識があるのですか。お答えください。安心住まい提供事業は、立ち退きなど緊急に住宅を必要としている、高齢者、障害者およびひとり親世帯のかたに、区が借り上げている民間住宅ですが区民需要に応えきれていません。地域バランスに配慮し、バリアフリー、世帯用物件含めて、大幅に増やすべきです、いかがですか、答弁を求めます。
〇今年4月から住宅相談窓口が住宅課から福祉総務課へ変わりました。私は今年3月、予算特別委員会の総括質問でこの窓口移管が、区民の人権に関わることなのに、議会や住宅審議会等へ事前の報告もなく進めたのは問題があることを指摘。一旦、白紙撤回するよう求めました。それに対し区は「住宅と福祉の連携」「区民サービスの向上」「全く問題ない」と答弁しました。
私も住宅と福祉の連携は大変重要だと考えます。しかし窓口を福祉総務課へ移管すればできるというのは短絡的です。今回の事例を見ても、まず福祉総務課へ行って相談し、紹介できる住宅がないから高齢者福祉課へ。さらに安心住まいの入居手続きは住宅課へ、というのでは区民サービス向上どころか、昔ながらの縦割りお役所仕事のたらいまわし。また本人の希望しないことを次々出してくるのは「水際対策」と言われても仕方ありません。これは個々の窓口職員の問題ではなく、区の住宅対策への姿勢のあらわれです。
そこで質問です。相談した区民に不安感や絶望感を与えるのはもってのほかです。窓口を変えても本質は変わっていません。窓口ごとの相談処理に分断され、豊島区に住み続けるために必要な施策はなにかという視点は置き去りではありませんか。いかがですか。
あらためて、安心して豊島区に住み続けるには、公営住宅、家賃補助制度の拡充がどうしても必要です。いかがですか、答弁を求めます。 以上で、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがと