あけましておめでとうございます
昨年は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、区内でも医療機関や保健所が逼迫し、感染者の8割以上が在宅療養を余儀なくされました。
日本共産党は、区民の命とくらしを守るためにワクチン接種とPCR検査の大規模実施、自粛と補償のセットを求めてきました。引き続き、保健所体制の強化、医療、介護、障害福祉などケアに手厚い区政をすすめてまいります。
今年、日本共産党は創立100年となります。国民が主人公の立場で、市民と野党共闘を草の根から発展させ、憲法をくらしに活かし、気候危機の打開、ジェンダー平等の実現、多様性を認め、誰もが自分らしく、豊島区に住み続けられるように力をつくします。
2022年度 予算要望申し入れ
2021年12月2日、区議団は区長に対し、「2022年度豊島区政の取り組むべき課題と予算編成に関する要望書(第1次)」(534項目)を提出しました。あわせて提出した「新型コロナ感染症など緊急対策に関する特別要望書」(37項目)は、国の経済支援策への対応やPCR検査の拡充、生活困窮者への対応など年末年始を含め当面緊急に行うべき内容をまとめたものです。
21年第3回定例会
21年第3回定例会は9月15日から10月22日の日程で開催されました。一般質問には、小林議員、儀武議員がたちました(2面参照)。決算特別委員会では、儀武議員、小林議員が委員として審査にあたり、決算認定に反対し、儀武議員が討論を行いました(4面参照)。区から提案された南池袋二丁目C地区市街地再開発事業にともなう区道廃止条例に反対し、渡辺議員が討論を行いました。区民から提出された「東京都に『来年度内の都立大塚病院の地方独立行政法人化を中止することを求める』意見書提出を求める陳情」は区民厚生員会で審査され、日本共産党、無所属の会、立憲としまが採択を主張しましたが、自民党、公明党、都民ファーストの会・民主が不採択にしました。
21年第4回定例会
21年第4回定例会は11月17日から12月7日の日程で開催されました。一般質問には、清水議員、渡辺議員がたちました(3面参照)。また、池袋第三保育園を廃止(民営化する)条例に反対し、清水議員が討論を行いました(4面参照)。定例会最終日に、「子育て世帯への臨時給付金(10万円のうち5万円現金支給分)」などの補正予算が提案されました。審査された総務委員会で、補正予算に賛成するとともに「残り5万円もクーポン券でなく現金とすべき」と主張。12月20日臨時区議会で、「10万円を現金で一括給付する」補正予算が可決。
自治体本来の役割を自覚し、区民の命と権利を守る区政に
小林ひろみ議員が一般質問(9月22日)
2020年度決算
小林議員は、「決算剰余金が38億円となったのは、やるべきことをやらなかったからだ。コロナ禍で苦しむ事業者の実態に見合った補償を行うため、区独自の家賃補助制度の創設をすべき」と求めました。区長は「直接の家賃補助は困難」と拒否、「新型コロナウイルス感染症対策緊急融資等で中小事業者を支えていく」と答弁しました。
次に、イケバスへの2020年度支出が1億4千400万円となったことにふれ、「区もインバウンド需要が見込めないとして料金を100円に下げたが、乗客が増えなければ、さらに税金をつぎ込むこととなる。きっぱり中止せよ」と要求。区長は「存在自体が街の魅力を高めるもので、中止する考えはない」と固執しました。
さらに、南池袋二丁目C地区(4面参照)の再開発ビルに予定している新保健所建設について、「保留床購入だけで40数億円かかるが総額はいくらか。区民需要の圧迫にならないか」と追及、区長は「購入費の総額は確定していない。区民需要を踏まえた財政運営に支障がないよう備える」と無責任な答弁でした。
新型コロナウイルス対策、医療と社会保障の充実を
小林議員は、子どもも感染しやすい変異株(デルタ株)の拡大を防ぐため、学校や保育園の職員への定期的なPCR検査を区独自に実施すべき」と求めましたが、区は「定期的な検査の実施は考えていない」と拒否しました。
生活保護行政
小林議員は、「生活保護行政に携わる職員は、多くの知識とともに経験が必要となる。計画的な職員増員と、経験を積むことができる育成計画、教育研修の場の確保を」と求めました。区は、「必要な研修等を積極的に行い育成に力を入れていく」と答弁しました。
難病や障害をもつ子どもの施策
小林議員は、区立保育園に入所している子どもが難病と認定されたあと、保育園を退園せざるを得なかった方からの相談事例を踏まえ、相談体制の強化、障害福祉課と保育課との連携、さらには一時保育を利用できるようにすることなどを求めました。特に一時保育は「集団保育が可能である」という条件があり、相談事例ではベビーシッターを勧められたが、ぜひ一時保育を利用できるようにしてほしい、と要望しました。しかし、区は「集団保育が難しい場合は、ベビーシッターを案内する」との冷たい答弁でした。
安心して住み続けられる豊島区へ
儀武さとる議員が一般質問(9月24日)
コロナ禍のもとでの住宅対策について
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、「収入が減り家賃が払えない」など住宅相談が増えています。区は、「居住支援団体登録制度」「住宅セーフティネット制度」などと喧伝してきましたが、両制度とも実績はあがっていません。
儀武議員は、「低所得者、障がい者、ひとり親世帯などの専用住宅3年間の実績が6戸、家賃低廉化補助件数は2件、と極めて少ない」と指摘し、大幅に拡充することを求めました。
区長は、「制度の周知をさらに強化していく。また、現在、家賃低廉化の補助要件である公募要件を緩和する検討を都と連携して進めている」と答弁しました。
気候変動と豊島区のCO2削減対策について(SDGsの視点にたって)
儀武議員は「今、気候危機というべき非常事態が起こっており、二酸化炭素削減への思い切った緊急行動が求められている、時間も待ったなし」と指摘し、政府の30年度までの削減目標「10年度比42%」を石炭火力発電との決別なしに達成できると思うか、また、原発頼みを止めるべき、と区長に質しました。
区長は、「達成できるであろうと受け止めており、原発頼みではない」と答弁しましたが、国の政策に追随し、世界の流れ、区民の願いにも反するものです。
また、東京ガス跡地にすすめている東池袋一丁目再開発事業のオフィスビルだけでも、CO2排出量は、年間2,349㌧から8,008㌧へ約3.4倍にもなります。東池袋一丁目地区、南池袋二丁目C地区、池袋駅西口地区、西池袋一丁目地区などオフィスビルや超高層ビルの市街地再開発事業が目白押しです。区長が「SDGsを区政の全事業の視点に」というのなら、池袋駅周辺の市街地再開発事業は見直すべきと追及しました。(4面参照)
区長は「見直さない」と答弁しました。
プラスチックの分別収集について
区はプラスチック分別収集導入の検討調査を21年7月に実施しました。
儀武議員は、区内120世帯のモニター調査に基づき、全区で実施すると、分別回収の費用はいくらになると想定されるのか、人員態勢も含めて質したところ、区長は「今後、プラスチック分別収集に関する取組の方針とあわせそれに必要となる想定費用についてお示ししたい」と答弁しました。
命と暮らしを守り抜くために区がやるべきこと
清水みちこ議員が一般質問(11月24日)
2022年度予算編成について
2019年秋の消費税10%へ増税と、長期化するコロナ禍の下で失業、減収に加え、食料品、灯油、水光熱費などの値上げが相次ぎ、区民生活は追い詰められています。
清水議員は「区長はコロナ禍で深刻な区民や事業者の生活実態をどう認識しているのか。その認識が来年度予算編成の基本姿勢になるのか」と質問。区長は「厳しい状況に置かれていることを認識」しつつも、「区民生活の実情を捉えかつ『国際アート・カルチャー都市』実現の布石となる予算編成に取り組む」と答弁。つまり、これまでと同じということです。
次に清水議員は莫大な税金を投入する、池袋駅西口地域の市街地再開発(4面参照)について質問。池袋駅西口地域の再開発は議会に具体的内容の報告がないのに、区広報誌や区式典などでパース図が発表され、9月、11月の区長招集挨拶でも言及されています。
清水議員はそれらの客観的な根拠と事業費、時期などを示すよう求めました。区長は「再開発準備組合と事業協力者(三菱地所)の協議の進捗が根拠」「事業費、時期は都市計画提案の検討中なので、現時点では決まっていない」と曖昧な答弁に終始しました。
清水議員は「何も示せないのではあまりに無責任。改めて議会、区民に客観的な根拠を示せ」と迫りました。しかし区長は「客観的な根拠は現段階で示すことはできない」と開き直りました。
来年度予算編成に向けては①保健師の体制強化について、来年度は7人採用予定で51人体制の見込み。中長期的な視点を持ち採用・育成に努めるとし、②住宅リフォーム資金助成事業について、当初予算で本年度実績を勘案し拡充を検討すると、一歩前進の答弁でした。
住宅対策について
コロナの影響に加えて、取り壊しによる立ち退きなどで区議団へは住宅相談が急増しています。
豊島区には、立ち退きなどで緊急に住宅を必要としている高齢者、障がい者、ひとり親世帯の方に区が借り上げた民間住宅の「安心住まい提供事業」があります。
しかし区は、立ち退き期限が迫った年金生活者の相談ケースでも、まず自分で民間賃貸住宅を探すよう対応していました。清水議員はこの問題を取り上げ「まず民間をではなく、安心住まいがあることを示すべき。相談者に寄り添い自己決定権を大事にせよ」と質しました。区は「相談者の意向を尊重しながら、豊島区に住み続けたいという希望の方にはその思いを叶えられるようともに考え、対応していくことが必要と考えております」と答弁しました。
安心住まいは159戸のうち、空室は29戸(2021年10月末)です。清水議員が「区民需要に応えきれていない。地域バランスに配慮し、バリアフリー、世帯用物件含め大幅に増やせ」と求めたところ、区は「住戸の入替えを含め多少の増を見込みながら、新たな借上げ住宅の確保に努める」と答弁。最後に清水議員は「安心して豊島区に住み続けるためには、公営住宅の増設、家賃補助制度の拡充がどうしても必要」と強く求めました。
住民追い出しの街づくりはやめ 住み続けられる区政を
渡辺くみ子議員が一般質問(11月25日)
南池袋二丁目C地区 再開発事業について
南池袋二丁目C地区市街地再開発事業(4面参照)で、現在2世帯が再開発組合の対応に対し裁判を起こしており、マスコミでも取り上げられています。
この再開発事業は超高層2棟の建設計画で、2018年5月に都市計画決定、同年、国家戦略特区の対象とし規制緩和を行い進め、さらに新保健所も入れることになり、日本共産党区議団は反対してきました。
この間、住民らは当該地で家族が暮らし続け、今回「マンションでは家族がバラバラになる。戸建てが必要で近くに代替地を」と求めてきました。しかし組合から紹介された土地の多くが「地主は売却しない」土地で、今も転居先は決まっていません。
ところが組合は都の権利変換の認可(2021年8月24日)の1か月後を期限として家の明け渡しと鍵の送付を要求。さらにコロナ禍で第三者立ち合いの家屋調査延期を求めた住民に対し、組合は「調査拒否」として、区職員の署名押印で土地建物調書を作成しました。このような経過の中で、2世帯が再開発組合の対応に対し裁判を起こしたのです。
渡辺議員は区長に「区民が裁判せざるを得ない状況をどう受け止めているのか」と質問。ところが区長は「区としてコメントする立場ではない」と無責任な答弁でした。
さらに渡辺議員は「区はなぜ住んでいる家の鍵の送付を求めたり、住民不在のまま勝手に土地建物調書を作成するなど強権的な対応をしたのか」と質すと、区長は「法にのっとり実施。強権的ではない」と答弁。
渡辺議員は質問の最後に「行政代執行や明け渡し断行の仮処分等、区は組合に対し強権的な対応は絶対にさせないこと」を強く求めました。区長は「組合に強権的な執行にならないよう指導している」と答弁しました。
池袋駅周辺 異常
大型開発次々と
池袋駅周辺は、国の「特定都市再生緊急整備地域」に指定されており、市街地再開発事業によるオフィスビルやタワーマンションの建設が次々と進められています。現在進行中の東池袋一丁目地区、南池袋二丁目C地区、東池袋四丁目2番街区地区に加え、今後は池袋駅西口地区や西池袋一丁目地区が予定されています。
市街地再開発事業には多額の交付金(税金)が出ることだけでなく、タワーマンションの中で『売りにくい』といわれる低層の保留床を自治体が公共施設として買い取ることで、事業費における税金の占める割合が高くなることも問題となっています。豊島区の現在の庁舎建設は南池袋二丁目A地区市街地再開発事業で区有地とあわせ保留床も購入し建設したものであり、またこれから新保健所を建設する南池袋二丁目C地区も保留床を購入することになっています。
加えて、池袋駅東西デッキなど不要不急の大型開発も計画されています。これらは、将来にわたり区財政にも大きく影響を与えることは必至です。
2020年度決算認定に反対
コロナ対策(区独自)はわずか2億円
2020年度決算は、新型コロナ対策327億円のうち特別定額給付金など財源が国庫補助や都補助が大部分で一般財源(区独自の支出)はわずか2億円です。
また決算剰余金が38億円余と過去最大になったのは、やるべきことをやっていないからです。具体的には、中小企業の家賃補助、国保料の均等割り軽減、低所得者のエアコン設置補助、介護事業者への支援金、保育所学校職員のPCR検査補助、子ども医療費助成の高校生までの拡充、学校給食費の無償化など区民の切実な要求に応えていません。住宅対策では安心住まい提供事業や家賃補助も不十分、公営住宅増設はしません。
一方で、市街地再開発事業など大型開発やイケバスなど外から人を呼び込む街づくりに莫大な税金をつぎ込んだ決算であり、反対しました。
保育園の民営化 保育の質はたもてない
区立池袋第三保育園を廃止し、2022年4月から民営化するための条例改正に区議団は反対しました。これまで豊島区は10園の区立保育園を民営化してきましたが、今回初めて株式会社が運営することになります。
反対した理由は以下のとおり。第一に、民営化は保育に関する公的責任を放棄するものである、第二に、都内株式会社の運営する保育園の人件費比率は平均で5割と低い「保育の質」に直結する保育士の待遇について区は指導はできず、民営化後改善される保証がない、第三に、コロナ禍のもと短期間での事業者との引継ぎに不安を感じている保護者がいるのに、スケジュール通りに2022年4月から移行を進めていることなど、保護者の願いに応えていない。
くつざわ議員に対する懲罰について
第3回定例会の初日(9月15日)の本会議において、懲罰特別委員会委員長の「懲罰を科さない」審査報告に対して採決が行われました。日本共産党、立憲としま、無所属の会が反対しましたが、自民党、公明党、都民ファーストの会・民主、無所属元気の会が賛成し「懲罰を科すべきでない」と決定しました。儀武議員が懲罰を科すことを求めて討論を行いました。
21年6月23日、豊島区議会第2回定例会の本会議での一般質問において、テレビ改革党(当時)くつざわ亮治議員は、日本共産党に対し多数の無礼きわまる発言を繰り返しました。議員の言論の自由、表現の自由が保障されるのは当然です。だからと言って、何を言っても許されるわけではありません。議員は議会の品位を重んじなければならない、と区議会会議規則にも規定されています。
7月14日の本会議で、日本共産党4議員と立憲としまの2議員が懲罰動議を提案し、過半数の議員の同意を得て47年ぶりに「懲罰特別委員会」が設置され、7月21日と9月1日の二日間にわたって審査されてきました。
尚、くつざわ亮治議員の無礼な言葉の発言箇所については、7月14日に儀武議員が提案した「発言取り消し動議」が全会一致で可決され、現在、正副幹事長会で協議中です。