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第3回定例会/最終本会議討論 渡辺くみ子 4陳情第25号「消費税インボイス制度の再考を求める陳情」採択を求める
2022.10.21

私は日本共産党豊島区議団を代表し、只今議題とされました4陳情 第25号 「消費税インボイス制度の再考を求める陳情」の不採択に反対し、ただちに採択することを求め討論します。

この陳情は、インボイス制度に対し、「中小零細事業者の事業の存続と継承、ひいては日本経済の振興のために、令和5年(2023年)10月からの実施について、国に再考を求めてほしい」と提出されたものです。

そもそもインボイス制度とはどういうものでしょう。

委員会では、国の資料に基づいて説明がありました。

「令和元年 10 月 1 日の消費税率 10%引き上げに伴い、低所得者への配慮として、飲食料品や新聞の定期購読料は 8%の軽減税率とする改正が行われた。この軽減税率制度下で適正な課税を確保することを目的として、従来の請求書等保存方式に代わり、適格請求書等保存方式、すなわちインボイス制度の導入が決定した」としています。

インボイス制度の概要についての説明では、第1に複数税率に対応した消費税の仕入れ税額控除の方式、第2に買手は消費税の仕入税額控除適用のためには、売手から交付を受けた適格請求書、すなわちインボイスが必要。第3に売手は、インボイスを交付するために事前にインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録を受ける必要があり、そして登録を受けると課税事業者として消費税の申告を行う事になるとしています。

またインボイスを交付するためには、原則令和 5年 3 月 31 日までに登録申請手続が必要で、しかし「登録を受けるかどうかは事業者の任意」との説明がありました。

結局、事業者は「物を売った時に受け取った消費税」と「仕入れの時に支払った消費税」との「引き算」をしてその差額を払う今の仕組みが、インボイスになると「仕入れの時に支払った消費税」は仕入れの時受け取ったインボイス、すなわちインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)から受け取ったインボイスが無ければ認められず、結果「売った時に受け取った消費税をそのまま支払う」事になるということで、これは大変なことです。

国はインボイス導入で2480億円もの収入増と言っていますが、結局、今までの免税業者が課税業者になること等で、国の収入が増えるという事です。

私はこの間、小規模の事業者さんに話を伺いました。仕入れ先の業者さんからインボイスが発行できないのなら、業者を変える、あるいは仕入れ値の引き下げを求められるのではないか心配、との話がありました。

まさに陳情にあるように、「インボイス制度が実施されれば取引先からインボイス発行を求められ、登録事業者になれば売上高にかかわらず納税義務が発生すること」、また「登録事業者を選択しなかった場合、業者が取引先から排除されかねない事態が懸念される」等を指摘されていますが、まさに「インボイス制度の導入は、事業者間での今までの取引慣行を壊し、事業者免税制度を事実上廃止するもの」であります。

また、個人の建設業者、個人タクシー、各種フリーランス業など、個人で仕事を請け負う職種を中心に多くの免税事業者が影響を受け、陳情にもあるように、シルバー人材センターでは会員個人が消費税を払う事は不可能なので区が負担することになるのが明らかになりました。

当面80%控除があるので380万円から390万円とのことですが、控除が無くなれば、多額の区民の税金を投入せざるを得なくなるのです。

委員会審査で区は「免税業者がどうするかはそれぞれの事業者が決めること」としましたが、先ほども言いましたが課税業者にならないと商売が続けられないという事です。

さらに区の説明でも、国の資料から約6割が課税業者になることも明らかになりました。そしてその結果で国は2480億円もの収入増になるということです。

今、大幅な物価高騰で、一般質問でも、決算でも明らかにしてきましたが、区民の暮らしは本当に大変です。コロナ禍でまともな収入を得られない、中小企業の倒産が続いています。こんな時、消費税10%を5%に減税をするのならわかりますが、インボイス制度を導入するなどとはとんでもないことです。

陳情は、中小零細業者に「インボイス導入によってこれ以上の負担を課すことは、コロナ禍からの経済の再生を阻害することにもつながる」と指摘しています。

だからこそ、コロナ禍の危機的状況の中、年間売上高1000万円以下の免税事業者が事業を継続できること、そして中小零細事業者を守るために、消費税インボイス制度実施について国に再考を求めているのです。

区内の中小業者のことを思えば当然ではあります。

委員会は、日本共産党の私のほか、無所属元気の会、無所属の会が、「インボイスが決まった時点と今は違う」「陳情者の意見にもっともだと思う」「フリーランスの人たちが一番弱い立場になってしまう。もう少し中身を考えて頂きたい。当事者の声をもっと聴いてほしい」と陳情の採択を主張しました。

一方、公明党は「納税額は売上の10%相当額より小さくなる。国の方でも激変緩和措置と言いますか、いろいろ示されている」として不採択を主張。

また自民党は「消費税を正確に把握して納税漏れであったりミスを防ぐという点でも必要な制度」と述べ、不採択としました。

都民ファ・民主は最初「周知が徹底していない。時期をずらしてもいいか」として継続を主張しましたが、継続が否決されると、「インボイス制度は仕方ない。しかし説明会をしっかりやっていただくよう」として、結局は、自民、公明とともに不採択としたのです。

その結果、陳情は委員会では挙手採決で不採択となりました。許しがたい態度です。

私は、区民の皆さんや区内業者のことを鑑み、「国の制度で決まったこと」というのではなく、ただちに是正を求め、国に意見を上げることが必要であり、改めて

4陳情 第25号 「消費税インボイス制度の再考を求める陳情」を採択することを強く求め、討論を終わります。 ご清聴ありがとうございました。

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