私は日本共産党豊島区議団を代表し、「4陳情第35号 聴力検査を区民検診の項目に入れる陳情」について、不採択とすることに反対し、直ちに採択を求める立場から討論を行います。
本陳情は、加齢による難聴は避けられないが、加齢難聴を早く見つけ補聴器を装着することで社会生活を健やかに送ることができることから、豊島区の区民検診で65歳以上は毎年、聴力検査をするよう求めるもので、891名の署名とともに提出されました。
現在、豊島区では40歳から74歳の国民健康保険加入者に対する特定健診で65歳の方のみ聴力検査を追加検査として実施しています。もともと区では1997年から聴力検査を開始し、2006年に特定健診・長寿健診になったときに65歳の聴力検査を残してきました。
委員会資料では、「加齢性難聴は65歳から74歳までは3人に1人、75歳以上は約半分が難聴に悩んでいる」とあります。一方、特定健診の聴力検査受診者のうち、「異常なし」の方は、2020年度は286名の内166名、21年度は329名の内193名と半数以上となっています。特定検診を65歳の時に必ず受ける方ばかりではないこと、65歳で受けたとしても加齢とともに聴力は衰えるため、その後も検査は必要ではないか、という私の質問に区は「65歳の聴力検査で聴力を意識するきっかけをつくり、あとはヒアリングフレイル対策など別の形でみつけていただく」、「区民ひろばなどでアプリを使った耳の健康チェック」、「福祉健康まつりでの聴力測定・相談」などをあげ、聴力検査の拡充には後ろ向きです。
私はヒアリングフレイル対策、アプリを使った耳の健康チェックなど区の進める対策を決して否定するものではありません。高齢者の健康づくり、生活の質を守り、認知症の予防のためにも、あらゆる方策で加齢性難聴の早期発見のきっかけづくり、選択肢をひとつでも増やすのが区の役割であることから採択を主張しました。
しかし、公明党、都民ファースト・民主、自民党は不採択を主張。また自民党は「65歳1回の事業が本当に必要かどうかよく検討を」とも述べました。
無所属の会、立憲民主は継続を主張しましたが、継続が否決されると不採択としました。その結果、賛成少数で陳情は不採択となりました。あまりにも冷たいではありませんか。 先にも述べましたが、65歳の一回だけでなく聴力検査の機会を少しでも広げてほしいという、区民のささやかな願いになぜ応えることができないのか。891名の署名とともに寄せられた区民の願いにしっかりと応え、加齢性難聴の早期発見のきっかけづくり、選択肢を少しでも増やすことが大切です。よって、「4陳情第35号 聴力検査を区民検診の項目に入れる陳情」について、不採択とすることに反対し、直ちに採択を求め討論を終わります。