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一般質問
第1回定例会/一般質問 儀武さとる 「国いいなりの区政を転換し、平和、くらし、福祉、教育を第一の豊島区に」
2023.02.14
質問の様子はこちら→録画配信 (kensakusystem.jp)

はじめに、高野之夫豊島区長が、病気のため2月9日、ご逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。それでは、一般質問に入らせていただきます。

私は、日本共産党豊島区議団を代表して「国いいなりの区政を転換し、平和、くらし、福祉、教育を第一の豊島区に」と題し、一般質問を行います。

第一に、これまでの高野区政が進めてきた国いいなりの 政治姿勢について

第二に、2023年度予算について

第三に、学校施設等長寿命化計画について

第四に、巣鴨、駒込地域の児童遊園について、です。

通常国会が開会し、岸田首相は演説の最初で、日本は「歴史の分岐点」にあると強調し、重要な政策課題の冒頭に「防衛力の抜本的強化」を挙げました。施政方針の中で軍事力強化をここまで前面に立てた政権は極めて異例です。一方で物価高騰対策や賃上げなどでは国民の生活苦を打開する有効な方針は具体的に示すことができませんでした。

昨年末、国家安全保障戦略など3文書を閣議決定しました。敵基地攻撃能力の保有や5年間で軍事費を43兆円にするかつてない大軍拡です。国内総生産(GDP)比2%以上という軍事費は米国と中国に次いで世界第3位の軍事大国なる道です。軍事大国に踏み出せば「新しい戦前になる」とタレントのタモリさんが警告しています。過去の歴史の教訓を学び「軍事栄えて民滅ぶ」という危険な政治を許してはなりません。

国が、大軍拡、大増税、敵基地攻撃能力の保有など平和も暮らしも脅かす政治を進める中で、日本共産党は、住民の切実な願いを実現し、住民本位の区政にしていくために、次の二つ仕事に全力で取り組みます。

一つは、住民の暮らしと福祉を良くする、という自治体の本来の仕事をすすめることです。地方自治体のいちばんの役割は「住民の福祉の増進」、住民の暮らしと福祉を良くすることです。物価高騰で暮らしと経営が大きな打撃をうけ、地域経済の疲弊が深刻になっている時だからこそです。

二つは、地方自治体が国の悪政から住民の暮らしを守る防波堤になることです。国の悪政に自治体が従い、国の「出先機関」となるのではなく、地方自治の精神を生かし、悪政の防波堤になって自治体の役割を果たすことにあります。

そこで、第一に、これまでの高野区政が進めてきた国いいなりの 政治姿勢について3点質問します。その1点目は、格差と貧困をもたらした政治責任についてであります。

今、医療、介護、年金などの社会保障費の削減、教育費の負担増、消費税増税、不安定雇用の非正規職員の増大など、国の悪政の下で、「自己責任」「規制緩和と市場万能主義」の新自由主義とアベノミクスによって、格差と貧困が広がっています。それに加えて、コロナ禍、物価高騰で区民のくらしと営業はますます深刻になっています。1月の都区部の物価は4.3%上昇し、41年8カ月ぶりの高さ、と報道されています。今年は、食料品など7400品目の値上げが予定されています。特にガス代、電気代の値上がりに区民の悲鳴が上がっています。

巣鴨在住のある区民は(夫婦2人世帯)、1月分の電気代とガス代の請求書を見て、大変びっくりしたそうです。昨年同月と比較すると、48KW少ないにも拘らず、請求金額は2,164円も高くなっています。ガス料金の使用量も昨年同月と比較すると、使用が10m³少ないにも拘らず、金額は6,618円も高くなっています。電気もガスも使用料は減っているにも拘らず、合計で8,782円も負担が増えています。年間換算すると、10万円以上の負担増です。また、駒込在住の区民から、「介護度4で介護サービスを利用している。介護サービスは削れないから、日中は電気もエアコンもつけず、炬燵に入り、電気代を節約し、何とか生きているが、年金だけでは食べていけない、と窮状を訴えられました。

電気もガスも生活するのに欠かせません。さらに6月から3割も値上げする予定です。これでは生活がますます苦しくなるばかりです。

わが党は、これまで、繰り返し格差と貧困を広げたアベノミクスの見直しを国に求めることを強く要求してきましたが、区長は拒否しつづけ、国の方針を忠実に実行して来ました。その結果、アベノミクスの「異次元の金融緩和」は、円安・物価高で国民を苦しめるとともに、日本経済を弱体化させました。格差と貧困が深刻化する中で、新自由主義に対する批判がかつてなく強まっています。新自由主義は、大企業のもうけのために市場の原理を何よりも優先させる弱肉強食の経済思想です。

そこで質問します。

区は、区民の実態をどう捉えているか、お答えください。また、なぜ、こんな事態になったのか、その理由をお答えください。

わが党は、高野区長に対して、区民の生活と営業を守る立場から、新型コロナ感染症対策、医療、介護、教育費の負担軽減、消費税の5%減税などを国に求めることを、繰り返し(17次)求めてきました。高野区長は、悉く拒否し、国の政策・方針を忠実に実行してきました。国の方針に、忠実に従ってきたからこそ、こういう事態になったのではありませんか。国いいなりの区政を改め、区民に寄り添い、区民のくらし、福祉を応援する区政に転換すべきと考えますが、いかがですか、答弁を求めます。

国いいなりの政治姿勢の2点目は、大企業本位の街づくりであります。

わが党は、これまでの区のまちづくりを「大型開発、来街者を呼び込む街づくりから区民のくらし、営業を守ることを優先すべき」と見直しを求めてきましたが、区は、国際アートカルチャー都市構想を推進することで街の価値を高め、人口と課税人口が増え税収も増えた、と言って推進してきました。

今定例会の召集あいさつでは、4つの重点テーマ、「池袋の都市再生」について、「池袋駅西口地区」や「東池袋一丁目地区」などの再開発計画が進展するなか、今年度は、池袋駅の東西を結ぶ「人が主役のウォーカブル都市」を将来像として明確に位置付け3月には「池袋ウォーカブル基本方針」を策定いたします。」と表明しました。池袋駅東西を結ぶ「ダンベル型のまちづくり」「ウォーカブルなまちづくり」をすすめるとして、北デッキ、南デッキ、サンクンガーデン、西口再開発、東口市街地再開発事業など区制100周年をみすえて2032年までに一部供用を目指すとしています。来年度予算に、東池袋一丁目地区市街地再開発事業は33億5百万円、南池袋二丁目Ⅽ地区市街地再開発事業に24億96百万円、合わせて58億百万円も計上されています。今後3年間で、南池袋二丁目Ⅽ地区と東池袋一丁目地区の市街地再開発事業に約382億31百万円も税金を投入します。

そこで質問です。

このようなウォーカブルな街づくりを口実にした大型開発・市街地再開発事業は、都市間競争を煽り、池袋のまちを、新宿や渋谷みたいな高層ビルが並ぶ街づくりをすすめるものです。区が主導してやるべきことではありません。人口減少がすすむ中、マンションやオフィス需要も減少しています。不動産業界では、いわゆる2023年問題、オフィスビルが5%以上の空室率になると、賃料が下がる、と言われていますが、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の面積100坪以上の大型オフィスビルの平均空室率が5.9%になったと報道もあります。リモートワークが進み、大型のオフィスを持たなくても企業が稼働します。一定の企業はコロナ収束後には戻るかもしれませんが、コロナ前程にはオフィスビルが埋まらないと予測する専門家もいます。市街地再開発事業に多額の税金投入することをキッパリと見直すべきです。

また、このような池袋駅周辺の大型開発を優先する財政運営は、将来の財政運営にも重大な影響を与える可能性があります。見直しすべきです。合わせてお答えください。

国いいなりの政治姿勢の3点目の問題は財政運営です。

来年度予算の特徴として第三に、区制施行100周年に向け、さらなる文化と経済の好循環を生み出す予算としています。 かつて経験した財政危機から完全に脱却し、貯金と借金のバランスは、22年度末は248億円、23年度末は247億円の貯金超過を見込んでいるとしています。基金残高は、21年度決算の446億円から、さらに積み増しし、22年度末が469億円、23年度末は473億円と見込んでいます。

正規職員の人員削減やコロナ対策、物価高騰対策などで、区民のために、やるべきことをやらずに貯めこみを優先したのであります。

これから順次、来年度予算に関する質問していきますが、ため込んだ基金を使えば、学校給食の無償化をはじめ直ちに区民にとって必要な施策が実現可能になります。

これらのお金を区民のくらし、福祉、教育を拡充する財政運営にあらためるべきです。

いかがでしょうか。答弁を求めます。

次に大きな第二に、2023年度予算について順次質問してまいります。

区は、2023年度予算の特徴として、1、区民生活を支え、価値ある街づくりを推進する、過去2番目の予算、2、子育てしやすい街を躍進させ、福祉、健康、教育の充実を図る予算、3、区制100周年に向け、さらなる文化と経済による好循環を生み出す予算としています。

新年度予算には、23区が自主財源を上乗せし「所得制限なし、自己負担なし」で実施する子どもの医療費助成を18歳まで広げることや補聴器補助の拡充などの予算が計上されています。住民の運動と日本共産党区議団が繰り返し求めてきたものが実現したものです。この点は評価しますが、コロナ禍、物価高に苦しんでいる区民に寄り添い、抜本的な支援策が求められていますが、予算全体をみると、区民のくらしと営業を支えるものになっていません。そこで、区が直ちにやるべきことについて、7点質問します。

一つ目に、新型コロナ感染症対策についてです。

新型コロナ第8波のもとで、死亡者数が過去最多を更新し、医療崩壊や高齢者施設での集団感染の多発など深刻な事態が続いています。政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行する決定をしました。今、医療提供体制の強化が求められているときに、医療体制に関する具体策は何も示されていません。国の責任を後退させていくことは認めるわけにいきません。医療現場ではすでに困惑の声が上がっています。「5類への移行は、医療に対する公的な財政措置をやめていくことに他ならない」とか、新型コロナはインフルエンザよりも感染力が強い上、後遺症の問題もあり、高齢者の致死率等を見ても「季節性インフルエンザと同等といえるのか」という疑問があり、より慎重に検討すべきです。

そこで質問します。

区民のいのちと健康を守ることを優先し、感染を広げないためには医療機関の外来などで発熱した人の動線を区別するための財政措置などが必要と考えますが、いかがですか、お答えください。また、国に対して、類型の変更ではなく、医療提供体制の強化を具体的に示すべきだと強く求めるべきです。合わせてお答えください。

さらに、豊島区は、かつて保健所が2か所ありましたが、1か所減らされました。新型コロナの第1波から第7波までは、その度ごとに感染の波が大きくなり、医療や保健所の逼迫が深刻でした。昨年10月から感染者の全数把握はしていません。第8波では、1日の死亡者が最多更新していますので、実際は、感染者が第7波を超えている、と指摘する専門家もいます。現在、感染者が減少傾向ではありますが、新たな変異株、新しい感染症、インフルエンザとの同時流行も危惧されます。長崎健康相談所を保健所として、機能強化し、医師態勢を強化すべき、と考えますが、いかがですか。答弁を求めます。

二つ目に、低所得者対策についてです。

1月25日の行財政改革特別委員会の資料をみると、22年度の課税標準段階別の所得割額200万円以下の税収は49億円、納税者数は85,009人です。豊島区の納税義務者数の52%を占めています。一人当たりの納税額の平均は57,640円です。20年度58,044円から3年間だけ見ても減り続けています。つまり、物価高騰にも拘らず、収入が減り続けているのです。特に低所得層にしわ寄せが及んでいるのは明らかです。区に、その認識がありますか、お答えください。また、区から頂いた資料では、年収200万円以下と非課税世帯は、合わせて45,574世帯です。物価高騰から区民のくらしを守るために5万円を給付するのに必要な金額は22億8千万円です。補正予算を組んで直ちに支援すべきと考えますが、いかがですか、答弁を求めます。

三つ目に、中小企業、中小業者対策についてです。

コロナ禍の中で、中小企業の営業と暮らしはますます深刻になってきています。加えて、岸田政権のもとでの異常な物価高騰は、消費者のみならず、中小零細業者、商店街はダブルパンチを受け深刻です。地元の商店街では「貸付だけでは、返済の見通しがない、もう限界」「飲食店などは補償もなくなり、大幅に収入が減っても活用できる制度は何もない」などと怨嗟の声が寄せられています。

昨年、第1回定例会で、私の一般質問を受け、区は、ウイズコロナ販売促進用補助金、3項目、各10万円、最大30万円の支援制度を創設しました。区民から歓迎され、実績は1191件で約1億9千万円です。来年度予算で1億3千万円計上されていますが、本気になって中小零細業者を救済するような意気込みは感じられません。

そこで質問です。

まず、来年度の当初予算で、今の中小企業や、商店街を取り巻く環境は、深刻さを増しているという認識のもとで予算を組んだのでしょうか。深刻さを認識されているなら、具体的にどう苦しんでいるのか、それを打開するためにどうするのか。どの予算を使えば救済されるのか具体的にお答えください。

新型コロナウィルス感染拡大が続く中で、世界では消費税減税を100カ国で実施しています。商店街と区民の暮らしを守るうえでも消費税減税は最大の経済対策です。商人の気持ちが理解できる高野区長だからこそ、消費税減税を国に求めるべきです。区の見解を求めます。

次にインボイスについてであります。今定例会にも新たに「消費税のインボイス制度の窮状に対する理解を求める請願」が区民から提出されました。請願の要旨にもありますが、「声優・アニメーター・漫画家・俳優のそれぞれの業界でアンケート調査を行ったところ、どの業界でも『2割から3割の個人事業主がインボイス制度の影響により廃業を検討している』との衝撃的な結果となりました」として、窮状を理解していただくことを切望しているではありませんか。せめてインボイス制度の実施の延期を求めるべきです。いかがですか。答弁を求めます。

建設業における資材、光熱水費などの値上がりも深刻です。

 「材料が入荷されず、工事がストップ、結果仕事にならず収入が減る」「得意先の営業形態がまだコロナ前の状態に戻らないのでなかなか受注が増えない。得意先がこのままコロナ前の営業方針に戻さないような不安もある」「すでに電気、ガス代の合計が前年対比で1万円値上がりしている」「大手企業は値上げを認めてくれず、他の業者に廻す。」「仕入れ値の上昇分を価格に転嫁できない。」などです。

何よりも営業を守るために、法人や個人事業主に対して、燃料、ガス、電気代の補助、家賃などの固定費の補助を実施すべきです。

公共事業を受注した企業、その下請け企業にいたるまで、労働環境の向上をさせることも暮らしを支えるうえで重要です。現在、23区で公契約条例を制定しているのは、11区ですが、直ちに本区でも公契約条例を制定し、労働に見合う賃金水準を条例で規定することは、働く人にとっては安心感につながります。賃金条項を盛り込む公契約条例制定を一刻も早く創設すべきです。

四つ目に、子育て支援について3点伺います。

岸田首相は「次元の異なる子育て支援」を言いますが、ならば教育費にかかる負担の軽減こそ、求められます。高すぎる学費を半減させ、入学しないのに取られる入学金制度を廃止し、給付制奨学金制度を大幅に拡充し、小中学校の給食費は憲法通りに国の責任で無償化すべきです。しかし、具体策はありませんでした。

まず、1点目に学校給食費の無償化について、伺います。

わが党は、これまで憲法26条の義務教育無償や、食育が学校教育の柱と位置付けられたことなどから、給食費の無償化を求めてまいりました。全国で病休・産休代替教員の欠員が増えていると報道されました。豊島区でも病気休職者が増え、欠員が生じています。豊島区では給食費事務が教員の大きな負担となっており、学校給食の無償化は教員の「働き方改革」の点からも求められています。

23区では昨年の葛飾区に続き、今年になって北区、品川区、荒川区、足立区、中央区が無償化を表明しました。台東区は、今年1月から、当面の間、無償にするとのことです。わが党は、1月16日に緊急に行った区・教育長への申し入れでも、改めて「補正予算を組んででも、無償化を進めるよう」求めましたが、現在のところ23年度予算にも補正予算にも、実施の予定はありません。そこで、わが党区議団は、無所属の会との共同提案で「豊島区学校給食費を無償化にする条例」を議案提案したところです。

そこで質問します。

第四回定例会のわが党の一般質問に対し、区長は「安定的に給食費運営を行うための多額の財源を、継続して確保していく必要があることから、私は23区足並みをそろえて対応すべき」と答弁していましたが、そういっている間に23区では無償化がどんどん進んでいます。区は今でも23区足並みを揃えてと考えていますか、お答えください。 

私たちは直ちに無償化すべきと考えていますが、いかがですか、答弁を求めます。

2点目に、大学生、専門学校生への支援、高すぎる学費についてです。

政府が、2020年に行った意識調査では、「育児を支援する施策として何が重要か」という設問に対して、1位は「教育費の軽減」で69.7%にのぼっています。文部科学省の子どもの「学習費調査」(21年度)では、幼稚園3歳児~高校卒までの15年間平均で、全て公立の場合は574万円、全て私立の場合は1838万円かかっています。

わが党区議団は、区独自に学費補助、給付型奨学金などの支援を行うよう繰り返し求めてきました。第三回定例会、決算特別委員会で区は「子どもたちの学費、大学の学費は非常に高いと認識している」と明確に答弁しているにもかかわらず、第四回定例会、わが党清水議員の質問に対して、「国などで支援制度が充実してきている」と冷たく拒否しました。

しかし、わが党区議団へは「教育費で一番お金がかかるのは大学。学費を何とかしてほしい」「子どもに奨学金で何百万円もの借金をさせて親として情けない、辛すぎる」という保護者の声や学生からは「大学を卒業したらすぐ奨学金の返済が始まり、返済に15年かかる。これで結婚し子育てができるのか、将来に夢が持てない」など、悲痛な声が寄せられています。 そこで質問です。区は国などの支援制度だけで、高い学費に苦しむ学生、保護者を十分、救済できると考えているのですか、お答えください。また奨学金という名の数百万円もの借金を抱えること、結婚、出産など人生設計ができない、未来への展望が持てない、と言う若者の声に対し、区はどのような見解をもっているか、具体的にお答えください。

先にも述べた通り、返済不要の給付型奨学金、学費補助は本来、国の責任でやるべきですが、国の制度は不十分なままです。足立区では4月から区独自の給付型奨学金制度が創設され、830万円程度を上限に入学金や授業料などの費用を全額給付するとしています。また港区でも区独自の給付型、貸付型奨学金があります。

そこで質問です。

本区でも未来を担う若者のために、区独自の使いやすい給付型奨学金制度を創設すべきですが、いかがですか。答弁を求めます。

3点目に「産前・産後」の支援について質問します。

1月の参院代表質問で、自民党議員が、産休や育休期間中の女性に対するリスキリングの支援を提案したのに対し、岸田首相が「育児中など、さまざまな状況にあっても主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししていく」と答弁したことに「子育てに奮闘している育児休業中に、そんなことを求めるのか」と批判が集中しました。産前・産後の女性は精神的にも肉体的にも大変な状況であり、だからこそ、産後8週間以内に取得できる『パパ育休』を含め育休の拡充が進められているのです。

先日、昨年第三子を出産した方からお話を聞きました。育休中に何もする気がしなくなり、ママ友に相談したり、保健所の保健師に相談したり、メンタルクリニックを紹介されたりしました。「産後ケア施設を利用したかったが、費用も高く、罪悪感もあって泊まらなかった」「自宅は安心して身体を休める暇がない」と言っていました。豊島区は、保健師が地域担当制をとるなど切れ目のない支援をすすめ、育児支援ヘルパー事業やベビーシッター制度を充実していること、その中で産後ドゥーラも派遣しているとのことですが、更なる拡充が必要です。豊島区の一番の問題は、産院、産むことができる場所が少ないことです。今まで3か所あったが、また1か所閉鎖をして2か所になったとのこと。出産できる産院が少ない豊島区だからこそ、宿泊できる産後ケア施設を設置する必要があります。

そこで質問します。

区内に宿泊できる産後ケア施設を設置できるよう補助すべきですが、いかがですか。また、産後ドゥーラの養成についても豊島区として補助をすべきです。併せて答弁ください。

五つ目に、高齢者について2点質問します。

1点目に介護についてです。

80代後半のAさん、「要介護1」で、グループホームを利用するも「月18万円の利用料がはらえない」と、特養ホームの申請をするも、入所のめどはたっていません。

この間、特養ホームの入所基準を要介護3以上にしたり、自己負担を増やしたり、介護保険の改悪が押し付けられた結果です。

昨年10月31日厚労省は2024年度の介護保険制度改定に向け議論している社会保障審議会の部会に7項目の負担増・給付削減を提案しました。12月19日、部会は、制度見直しに向けた「意見」案を大筋で了承しました。利用料2割負担の拡大と65歳以上で一定所得がある人の保険料引き上げについて、「遅くとも来年(23年)夏までに結論を得るべく」同部会で議論を続けるとしました。多床室の部屋代は、社保審の別の分科会に舞台を移して議論を継続しています。これらは24年度「改定」に盛り込まれる危険があります。これ以外の項目も「引き続き検討」など、27年度以降に可能性を残し、改悪を諦めない姿勢を示しています。7項目をめぐっては、委員から利用控えや高齢者の重度化、家族の介護負担増を招くなどと批判が噴出。各団体も署名や声明、集会などを通じ反対の声を上げてきました。結論の先送りは、国会審議や統一地方選での争点化を避けようとするもので、改悪阻止へいっそう声を上げることが求められます。昨年4定の一般質問でわが党はこの負担増について、区に反対するよう求めましたが、「区としては大きな課題としてとらえ、国の動向を注視しております」というだけでした。

そこで質問します。

区はこの区民の実態についてどう認識しているのでしょうか。具体的に解決するためには、低額で利用できる特養ホームの増設が必要ですがいかがですか、この間特養ホームの増設はされていません。区の責任は重大です。答弁を求めます。

さらに、利用料2割負担の拡大や多床室の部屋代が上がる、介護保険料が上がるなど負担が増えれば、ますますお金がなければ介護を受けられなくなります。改めて、負担増に反対すべきです。答弁を求めます。

2点目に後期高齢者医療保険制度の負担増について質問します。

政府は昨年10月から年収200万円以上の後期高齢者の医療費2割負担を導入、本区でも昨年12月31日時点で75才以上高齢者の約21%、6167人が対象となっています。

Bさん高血圧で今までは760円だったのが1760円になったと訴えています。Cさんは6月に75才になってせっかく1割負担に下がったのに、1割負担はわずか3か月のみだったと憤慨していました。高齢者の置かれている現状は毎年、年金支給額が下がり、また年齢に応じて体力も衰え疾患率も上がります。さらに年収200万円の収入は、かつて区が示した通り月13万円での生活となります。こういう状況で2割負担は大きな問題であります。

わが党は、繰り返しこの問題を取り上げ、負担増に反対し、区として独自に支援するよう求めてきました。理事者からいただいた資料によると、窓口負担増への医療費補助に要する額として、一つの目安ではありますが、配慮措置期間中の2025年9月までは年間1億2700万円余、それ以降は約2億1000万円ということでした。

そこで質問します。

年金は上がらず物価高騰は続く、その上医療費の負担増、高齢者のこのような実態を区はどう認識しているのでしょうか。お答えください。

高齢者が安心して住み続けられる豊島区にするため、ため込んだ基金を活用し、区独自でも負担増を抑制するため補助制度を作るべきです。答弁を求めます。

六つ目に、住宅についてです。

相談で最も多いのが住宅です。区民は「低廉で良質な住宅を」を求めています。今まで経済的に弱い立場におかれていた人に加えて、コロナを理由とした失業や収入減により、突然家賃や住宅ローンの支払いに窮して生活苦に陥り、退去を余儀なくされた人など、これまで「貧困」問題とはあまり関係がないと見られてきた人が住宅に困窮する事態が広がっています。 これまで、わが党は、「住まいは人権」の立場から、区営住宅などの公営住宅の増設、家賃補助を繰り返し求めて来ましたが、高野区政は、増設どころか、区民住宅の廃止で住宅費の予算を削ってきました。

そこで質問します。

来年度予算では、子育てファミリー世帯家賃助成事業5,138千円、安心住まいアパートの新規かりあげにかかる費用1,116千円の拡充がされていますが、区民の実態、需要から見ると極めて不十分です。政府の住宅政策は、「住宅市場の活性化」を掲げた民間市場任せの施策ばかりです。とくに「持ち家政策」と呼ばれる、持ち家の建設、取得の支援策に偏っている一方で、賃貸住宅の居住者支援は極めて乏しいままです。豊島区は「SDGs未来都市」に選定されています。それに相応しく、誰一人取り残さないために 区営住宅、福祉住宅など公営住宅の増設に踏み出すべきです。また、民間の賃貸住宅入居者に対して、区独自の家賃補助の創設をすべきです。あわせて答弁を求めます。

七つ目に、気候危機打開の「2050としまゼロカーボン戦略」についてです。

「2050としまゼロカーボン戦略」は、2050年温室効果ガス排出の実質ゼロをめざし、2030年度の温室効果ガス排出量削減目標を2013年度対比50%削減まで引き上げました。2030年まで、あと7年です。実効性のある施策の計画・具体化が緊急に求められていますが、新年度予算には、その本気度が見えません。

昨年の第3回定例会で、岸田首相が8月、原発の新規増設や建て替え、再稼働を積極的に推進することを表明した際、区長の認識とその撤回を求めたところ、区長は「年末までに検討すると表明しておりますので、今後の動向を注視してまいります」と答弁しました。区が様子見している間に、政府は昨年12月22日に、原発再稼働の加速、老朽原発の運転期間延長と新規原発建設という原発推進への大転換を決ました。区の国の言うままに唯々諾々と従っているだけでは、住民の命と健康を守ることができません。

そこで質問します。

この重大な問題を、国民的議論も国会での論議も避け、国政選挙で問うこともなく決定することについて、区の認識はいかがですか。また、脱炭素社会を実現するために省エネ、再生エネをすすめる「2050としまゼロカーボン戦略」にも反するものであります。区が、国に対して、直ちに撤回するよう強く求めるべきと考えますが、いかがですか。合わせてお答えください。

さらに、23年度予算案をみると、新規事業で、プラスチック資源回収事業として3億8千6百万円の事業費が計上されていますが、エコ住宅・事業者者普及促進事業は、わずか100万円の拡充でしかありません。現在、学校改築時に省エネ、太陽光発電などを取り入れていますが、今後、学校、区営住宅などの公共施設などの改築の際、建築物の省エネ・再エネを図りエネルギー削減をすすめるZEB化に取り組むべきと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。

最後に、直ちに見直すべきこと、イケバスについてです。

来年度予算に、イケバスに約1億7000万円も計上されています。昨年の第4回定例会で、わが党の小林議員が、東池袋一丁目市街地再開発事業において、イケバスのために区はお金を出さないと明言することを求めた質問に対して、区は「イケバスの車庫スペースなど運行拠点となる場所や整備の無償提供が含まれております。」と答弁しました。

そこで質問します。

「運行拠点となる場所や整備の無償提供が含まれて」いますとの答弁ですが、専有面積や共有面積の維持、管理経費もありますし、光熱水費以外の区負担は、いっさいないと断言できるのか、お答えください。また、1月下旬に評価委員会を開催するとしていましたが、現時点で報告がありません。イケバスの減便、運休、不具合も発生するなど、乗客の安全をどう守るのか、イケバスをどのように評価しているのか、お答えください。

さらに、運行経費の赤字に年間、1億4~5千万円も補填し続けています。イケバスのために、これ以上の多額の税金投入はキッパリやめるべきです。合わせて答弁を求めます。

第三に、学校施設等長寿命化計画についてです。

豊島区学校施設等長寿命化計画(以下「本計画」と言う)は、2022年4月に策定されました。本計画の計画期間は、2022年度から31年度までの10年間で、対象施設は、小学校22校、中学校8校、幼稚園3園の計33施設です。すでに改築済み及び予定の学校施設は小学校5校、中学校6校となっています。最も古い校舎棟の築年数64年が、巣鴨小、西巣鴨小、椎名町小、駒込中などですが、築年数52年以上になるものが18施設もあります。学校施設は子どもたちが学びと生活する場であり、災害時には救援センターの役割も果たしますので、学校改築は喫緊の課題です。小学校の児童数の推移および将来推計をみると、小学校で合計児童数は、21年の9055人から27年の9560人と6年間に505人増加し、合計学級数も37学級増加すると見込んでいます。中学校も同様に6年間に296人、10学級増加すると見込んでいます。

そこで質問です。

駒込小学校では普通教室が足りなくて、3学期から改修工事がはじまっていますが、他の小学校でも苦慮していると聞き及んでいますが、当面、普通教室をどう確保するのか、お答えください。

6年間で児童数、学級数が大幅に増えます。施設の老朽化も進んでいます。学校改築が遅れている理由は、改築のための敷地・仮校舎がなかったためです。区は、この現状をどう受け止めていますか、お答えください。また、本計画では、朋友小、西巣鴨中などの仮校舎が整備可能な区有地がありません。時習小学校跡地を売却したためです。わが党は、跡地の売却に反対しました。区の責任は重大です。朋友小、西巣鴨中などの仮校舎をどう確保するか、お答えください。

旧朝日中学校跡地は、2026年11月まで福祉ホームさくらんぼの仮移転先として使用します。計画期間の10年のうち4年間は仮校舎として利用できません。西側では、2021年は池袋小学校の児童数が最も少ない237人となっています。改築が行われた池袋第三小学校と池袋本町小学校に挟まれ、隣接校選択制で、学校設備環境の良い学校が選択され、学校間格差が生まれているのです。学校改築が求められていますが、千川中学校改築後の具体的な計画はありません。早急に東西で改築計画を具体的に示すべきです。答弁を求めます。

第四に、巣鴨、駒込地域の児童遊園について、です。

2021年3月31日に、木密地域不燃化10年プロジェクトが終了しましたが、不燃化特区制度の活用と特定整備路線の整備については、取組みを5年間延長しました。補助81号線巣鴨・駒込地域の進捗率は32%で進んでいません。それでも、約50世帯が転居し、町会会員が16人減少しました。長らく住み慣れた住民が追い出され、町会員が減り、役員の成り手がいないので、町会も大変苦慮しています。児童遊園は、祭りや盆踊り、餅つき、子ども冬フェスなど地域交流と親睦の拠点です。わが党は特定整備路線には反対の立場ですが、私は、繰り返し、巣鴨5丁目児童遊園と駒込7丁目第2児童遊園の代替地の確保を求めて来ましたが、いかがですか、お答えください

また、巣鴨五丁目児童遊園と駒込7丁目第2児童遊園のトイレは和式から洋式の便器に、今年度予算で改修する予定だったが、いまだに改修されていません。なぜ、遅れているのか、いつ実現するのか、明確にお答えください。  以上で、一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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