HOME主な活動カテゴリ区議団ニュース「豊島区国民健康保険料の一部を改正する条例」に反対しました 森 とおる【本会議討論3/26】
区議団ニュース
「豊島区国民健康保険料の一部を改正する条例」に反対しました 森 とおる【本会議討論3/26】
2025.04.01
インターネット中継録画はこちら→録画配信

 日本共産党、森とおるです。会派を代表して、第36号議案「豊島区国民健康保険料の一部を改正する条例」は、可決することに反対の立場から討論を行います。
 本議案は、特別区国民健康保険事業の調整に関する共通基準の一部改正に伴い、保険料率を改定するほか、国民健康保険法施行令の一部改正に伴い、保険料の賦課限度額及び低所得者の保険料減額を判定する所得基準を改定するとして提出されたもので、令和7年度の特別区の1人当たり保険料額は、192,238円となり、今年度比3,781円の引き下げ。賦課限度額は、基礎分が66万円となり1万円の増額、後期高齢者支援金分が26万円となり、2万円の増額。低所得者の保険料は、5割減額基準額が1万円、2割減額基準額が15,000円、対象が拡大されました。
 今回、一人当たり保険料額が、3,781円下がったとはいえ、昨年度は10,791円、今年度は13,848円と大幅に引き上げてきたことも相まって、依然として高すぎる保険料であり、同意できません。

 今、物価高騰がいっそう家計を圧迫しています。中でも税・保険料、水光熱費の負担が大きく、区民からは、「特に電気代と国保料は、どちらも家賃よりも高い。異常だ、どうなっているのか」という声が寄せられました。他にも、シルバー人材センターで働いている女性から、「保険料の負担が大きく、90歳代の両親に払ってもらっているが、これ以上頼れない」とか、「年金だけでは生活できないので仕事をしているが、月4万円以上の保険料を払えない」とか、「お米、野菜など食料品が高くて生活が苦しい。加えて国保料滞納分の返済がある」など様々な、声なき声が寄せられます。
 理事者の答弁にあったように、本区では納付相談の問い合わせが、昨年度は14,884件、今年度は1月までに12,038件と、たいへん多く、中には生活が苦しいというような内容の相談も受けているとのこと。高すぎる保険料が、自営業者や年金生活者、非正規労働者など、国保に加入する人たちの暮らしを圧迫していることが明確です。

 高すぎる保険料は、17年前の後期高齢者医療制度が開始された平成20年度と比較すると、医療分と後期高齢者支援金分の1人当たり保険料は、当時の決算額90,270円から152,673円へ、62,403円、7割もの引き上げです。同じく賦課限度額は59万円から92万円へ、33万円、5割以上も引き上がりました。
 特に、政府は、2018年度から国保の都道府県化を強行し、保険料率を独自に軽減する区市町村の努力をやめさせようと策略し、大幅値上げへ誘導する仕組みを取りました。事実上、東京都が保険料を決定する権限を持ち、特別区もこれに従う形で、法定外繰入の解消・縮減を進めています。今回、特別区が東京都に支払う納付金の激変緩和措置算入割合が、99%になり1%減らされました。理事者の試算では、減らされなければ8,067円程度引き下げることができたということです。これで、更なる引き下げが可能だったということが分かります。この激変緩和措置は令和8年度に終了予定で、ますます保険料は高くなる要因があります。こうした事態は避けなければなりません。

 委員会質疑で理事者は、「加入者の年齢構成が高く、医療費が高いという構造的な課題があり、可能な限り負担を抑制するという考え方を基にこの案を作った」と言います。しかしながら、決算剰余金を活用して保険料を引き下げるのは当然のことです。被保険者の生活実態を鑑みた真の負担抑制策とは程遠いと言わざるを得ません。
全国の国保加入者の約8%は18歳以下の子どもです。均等割があるため、子どもがいると、被用者の健康保険と比べて、2倍もの自己負担が生じるため、とりわけ子育て支援にも逆行します。こうした不公平を政治の責任で是正することが必要です。

 最後に一言述べさせていただきます。政府が進めようとした、来年度からの高額医療費の患者負担を一定額に抑える高額療養費制度の見直しについては、命にかかわる治療を受ける患者にとって命綱を断つものと、国民から猛反発・大きな批判があがったことで、凍結に追い込みましたが、委員会質疑で、この改悪が、今回の保険料負担軽減に含まれていることが明らかになりました。
国民に痛みを押し付けて、保険料引き下げに充てるなど言語道断。こうした医療費の削減を進めながら、国民を置き去りにするのが今の政府のやり方です。それに対し、住民の暮らし、命と健康を守るために毅然とした態度を取り、改善策を講じるのが自治体の務めです。

 よって、第36号議案「豊島区国民健康保険料の一部を改正する条例」は可決することに反対いたします。以上、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

関連タグ:なし