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新型コロナウイルスから区民の命とくらし・営業を守るための申し入れ(第10次)
2021.05.13

豊島区長 高野之夫 殿

2021年5月13日
日本共産党豊島区議会議員団
団長 渡辺くみ子

 政府は4月25日、3回目の緊急事態宣言を発出しましたが、感染拡大が収まらず5月31日まで延長を余儀なくされました。東京都の感染確認数は昨日5月13日新規969人、累計総数148,092人です。感染力が強いコロナ変異株が猛威をふるい第4波の感染拡大が深刻さを増し、医療がひっ迫し始めています。現場で奮闘されている医療従事者はもとより、保健所の保健師をはじめとする職員のみなさんに、心からの敬意と感謝の意を表します。同時に、現場のみなさんの負担を減らし医療崩壊、医療壊滅へ向かうことを防ぐためにも、大規模なPCR検査等感染者を早期発見し保護治療すること、十分な補償と医療機関への支援をすべきです。検査拡大については、わが党は2回目の緊急事態宣言解除後の3月22日に区長に申入れをしたところですが、3回目の緊急事態宣言となった現在、徹底した対策で感染を減らすことが必要です。そして国内外の感染状況からみて今年夏のオリンピック・パラリンピックの開催はもはや不可能です。
 豊島区においてもワクチン接種の予約が始まりましたが、予約がわかりにくいとの声が出ており改善が求められます。
 緊急事態宣言の延長で、生活に困窮する区民と経営難にある事業者に対し、区として国や東京都に支援を要請するとともに、区独自の支援策を講じることが必要です。あわせて、今後にむけて、コロナ禍でも最優先で進めるべき課題については、先送りにしてはなりません。
 よって、下記の項目にただちに取り組むよう申し入れるものです。

1.ワクチン接種について
(1)1人暮らし高齢者や障害者、外国人への予約手続き及び接種の支援をおこなうこと。
(2)2回目接種の予約について、期日までに確実に接種できるようにすること。
(3)高齢者の次に優先接種となる「高齢者施設等の従事者への接種」「基礎疾患を有する者(高齢者以外)への接種」(知的障がい者含む)の対象者について周知するとともに、一般に先んじて予約ができるよう整備すること。

2.PCR検査体制について
(1)いつでもだれでも何度でも無料でPCR検査がうけられるよう、PCR等検査の自治体負担をなくすため、国に全面的な財政措置を行うよう求めること。モニタリング検査の拡大をすすめること。当面早急に、医療、介護、福祉、教育、清掃等の現場で働く人たち(エッセンシャルワーカー)が、定期的に公費でPCR検査を受けられるようにすること。中小企業や建設労働者にも拡大すること。すべての妊婦が公費でPCR検査を受けられるようにすること。
(2)感染者が出た保育、教育、介護事業所や障害福祉施設、グループホームなどは濃厚接触者だけでなく、周辺の人のPCR検査をさらに拡充すること。
(3)区のPCR検査センターで行う検査の結果は、陽性陰性にかかわらず少なくとも翌日には通知できる仕組みをつくること。

3.保健所の体制強化と宿泊・療養施設、自宅療養者への支援について
(1)コロナ封じ込めのための大規模検査を行うにあたり、接触者の追跡を専門に行うトレーサーの大幅増員、保健所の人員・体制の抜本的な拡充をすること。特に正規の保健師を増員すること。
(2)自宅療養者への支援の充実を図ること。食料品、日用品の配布は、区がすべての自宅療養者に無料で行うこと。パルスオキシメーターは、すべての自宅療養者に貸し出すこと。
(3)宿泊療養について、家族が一緒に宿泊できるホテルも用意すること。
(4)自宅療養者やホテル等を借り上げた宿泊・療養施設について医療や介護の提供に国が責任を持ち、健康観察や治療およびケアの提供に万全を期すよう求めること。自宅療養については東京都や医師会と協力し豊島区としても態勢をつくること。

4.医療機関に対し減収補填のための支援策を講じるよう国や都に要望するとともに、区として当面の支援策を講じること。

5.生活困窮者への支援について
(1)住居確保給付金の支給について、実態に見合うよう区が独自に上乗せすること。
(2)2018年以前に保護開始となった世帯でエアコンがない世帯への補助について、早急に具体化し、暑くなる前に設置できるようにすること。高齢者、低所得者、障害者、一人親世帯などへのエアコン設置補助を実施すること。感染症対策として換気が求められることから、冷暖房の使用で負担が増えることが想定される電気代等について、低所得者等への補助をすること。
(3)高校生・専門学校生・大学生などに対する豊島区独自の支援制度を作ること。

6.事業者等への支援について
(1)コロナ禍の影響について、中小企業への豊島区独自の調査を行うこと。経営難にあえぐ事業者の実態に見合った補償を行うよう、国や都に要望すること。
(2)区の緊急融資の返済猶予期間を延長し、廃業・倒産の状況によっては返済免除とすること。また、限度額を引き上げること。
(3)豊島区独自に、店舗テナントへ直接家賃を補助すること。
(4)文化団体に対し、オンライン配信についての支援を行うこと。

7.保育について
(1)緊急事態宣言発出に伴い、園児の保護者ができる範囲で登園自粛や保育時間の短縮などを申し出た時は保育料の軽減を行うこと。
(2)感染拡大防止として、施設改修や備品購入費の補助、衛生消耗品の配給などをすること。
(3)政府の内閣官房が4月20日募集した保育園へのコロナモニタリング検査を区内保育園が活用できるよう支援すること。

8.国民健康保険について
(1)国民健康保険料を引き下げること。子どもの均等割り軽減について対象や軽減割合の拡充を国に求めること。区長会や区独自でも実施すること。国保料の減免対象にフリーランスなど雑所得で確定申告している人も加えること。

9.女性や子どもへの支援について
(1)生理用品の無償配布については、通年で行えるようにすること。女子トイレだけでなく「だれでもトイレ」「多目的トイレ」への配備をするとともに、公共施設での配備を広げること。学校での無料配布については、早急に全中学校でのトイレへの配備をするとともに、小学校へも広げること。
(2)若年女性への支援については、民間支援団体との協力を進めるとともに、区としてシェルターなど居場所を確保すること。
(3)新型コロナ感染症により困難になっている女性や子どもへの対応について、民間まかせにせずより一層力をいれること。あわせて児童相談所・一時保護所の開設及び運営に万全を期すこと。社会的養護については、里親とともに乳児院・児童養護施設の開設も重要であり、直ちに具体化すること。
(4)学校や日常生活において中止・制限する事項や、感染予防の方法について、決定事項を押し付けるのではなく、子どもの意見を聞きながら進めること。
(5)子どもたちに通常の学校生活を最大限保障し、また変異株から子どもたちを守るために、学校や幼稚園でもスクリーニング検査を行うこと。また、感染者が出た場合には、クラスや学年、学校や幼稚園ごとに広くPCR検査を行うこと。
(6)新年度になって転校などで1学級40人に増えてしまった事例や、体の大きな中学2、3年生が40人学級に詰め込まれる状況は、コロナ禍で矛盾しているとの声が上がっている。小中学校での少人数学級を国より前倒しで実施するとともに、弾力的な運用を強く東京都に求めること。
(7)部活動や行事は一律に中止とせず、科学的な情報を提供し、児童・生徒の意見を聞く場を保障しながら対応を検討すること。修学旅行や宿泊行事等の中止や延期にともない発生するキャンセル料等の費用については、保護者や学校の負担とならないようにすること。

10.先送りになっている特養ホーム、障害者グループホーム、学校の改築、区有施設の改築については、早急に具体化すること。区有地、都有地、国有地を確保し活用すること。

11.防災対策について、万全を期すこと。
 避難所(救援センター)の整備にあたっては、「密」状態を避けることをはじめ、段ボールベッドの配備を増やすなど、感染拡大防止とプライバシー及びジェンダーに配慮した抜本的な改善をはかること。補助救援センター、福祉救援センターについても同様とすること。避難所を開設するための区職員の配備に万全を期すとともに、防災危機管理課職員も増員すること。

12.今夏の東京オリンピック・パラリンピック大会の中止を直ちに決断するよう東京都に求めること。オリンピック・パラリンピック大会の学校観戦は、中止すること。

以 上

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