HOME主な活動カテゴリ一般質問2020年第4回定例会「来街者のためのまちづくりより、区民の命とくらしを守るための予算編成を」
一般質問
2020年第4回定例会「来街者のためのまちづくりより、区民の命とくらしを守るための予算編成を」
2020.11.25

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して「来街者のためのまちづくりより、区民の命とくらしを守るための予算編成を」と題し、一般質問を行います。
第一に、区長の政治姿勢について
第二に、来年度予算編成にむけて、区がやるべきことについて
第三に、旧朝日中学校跡地活用についてです。区長の明快な答弁をお願いします。
 まず、第一に、区長の政治姿勢についてです。
 23区で最初に非核都市宣言を行った区として、核兵器禁止条約の発効について、区長の認識を伺います。
 2017年7月に国連会議で採択された核兵器禁止条約が10月25日、批准国50に達し、条約の規定により90日後に発効することが確定しました。核兵器禁止条約は、核兵器の非人道性をきびしく告発し、その開発、実験、生産、保有から使用と威嚇にいたるまで全面的に禁止して違法化し、核兵器に「悪の烙印」を押すとともに、完全廃絶までの枠組みと道筋を明記しています。
 核兵器の被害の実相を世界に訴えてきたのは被爆者です。国の内外でたくさんの被爆者が原爆の非人道性を訴え続けて、やっとここまできました。

 発効する禁止条約は、核保有国をいっそう政治的・道義的に包囲し、追いつめるものとなり、核兵器廃絶へ向けた動きに弾みをつける画期的な貢献となるでしょう。
 日本政府が、禁止条約に背を向け続けていることは、唯一の戦争被爆国としてきわめて恥ずべきことです。米国との軍事同盟に参加する20カ国の元首脳、国防大臣、外務大臣経験者の共同書簡(9月21日)は、核兵器が安全保障を強化するという考えは危険で誤りだと強調し、禁止条約が世界の多数派に支持される「希望の光」であるとのべ、それへの参加を各国指導者に呼びかけています。日本政府は従来の態度をあらため、すみやかに条約を署名し批准すべきです。
 そこで質問します。
 広島・長崎の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界の圧倒的多数の政府と市民社会が共同した、壮大なとりくみの歴史的な到達です。私も、核兵器廃絶のために行動してきた一人として、心から歓迎します。
 豊島区は、1982年7月2日、東京23区で初めて「非核都市宣言」を行いました。最初に「非核都市宣言」をおこなった区として、核兵器禁止条約の発効についての区長の認識をお伺いします。
 また、唯一の戦争被爆国である日本政府こそ、核兵器禁止条約の署名・批准をおこない、核兵器廃絶のためのイニシアチブを発揮すべきです。政府に対して、強く求めるべきと考えますが、いかがですか。
 さらに、近年、非核平和に対する取り組みが周年行事に限られています。8月に広島・長崎で行われる平和祈念式典への中学生派遣など、非核平和事業は毎年継続すべきです。
 戦争体験者、被爆者の高齢化が深刻な今、子どもたち、次世代へ引き継ぐためにも事業を拡充、推進すべきです。合わせて答弁を求めます。

次に大きな質問の第二に、来年度予算編成にむけて、区がやるべきことについて3点伺います。1点目は、予算編成の区長の基本姿勢について、2点目は、予算に直ちに盛り込むべき課題について、3点目は、見直すべ課題です。まず1点目の予算編成をするうえでの基本姿勢について伺います。
 菅義偉政権が発足して2カ月余り、臨時国会での論戦が続いていますが、深刻な新型コロナウイルス危機の下での日本経済の低迷を再生する手段も見通しも示されていません。2019年の消費税増税に続くコロナ禍によって、日本経済は低迷し、消費が伸び悩み、労働者の雇用や中小企業の経営も苦しさが加速しています。
 安倍前政権の経済政策「アベノミクス」を継承・発展というだけで、雇用にも経営にも再建の具体策がない菅政権の経済政策では、国民の暮らしも営業も立て直せません。日本経済の現状は文字通り、放置すれば「コロナ恐慌」を引き起こしかねない戦後最悪の状況です。

 菅政権は臨時国会の閉幕後、来年度の予算編成と合わせ、第3次補正予算案の編成など、経済対策を打ち出すといわれています。しかし、国民に「自助・共助」を求める「自己責任」を押し付けるというのなら、国民の暮らしはとても成り立ちません。国民の暮らしを立て直すことを第一にした経済政策への転換が不可欠です。 政治の仕事は国民に「自助・共助」を迫る政策ではなく、「公助」の強化です。公的な支援を行うことで、国民の暮らしを守り、よくするための公の責任を果たすことです。
 そこで質問します。
 安倍政権で、格差はますます広がり、引き継いだ菅政権は「まずは自分でやってみてもらう」と自助を強調していますが、豊島区民をコロナ禍から守るために区長は、公助の強化をどうとらえているのでしょうか。
 区民は、昨年の消費税増税に続き、コロナ禍の下で、とくに生活保護世帯はじめとした低所得者、ひとり親世帯、障がい者世帯など社会的弱者、非正規労働者など、いっそう苦しい生活を余儀なくされています。順調に商売されていた企業も倒産したり、街の商店もコロナ禍を機にシャッターを下ろしてしまうなど今の区民生活は、ますます厳しい状況、と私は感じています。
 区長は、区民生活を直視し、この打開のために本気になっているのでしょうか。私は、区長の本定例会の招集あいさつを聞いて本当に情けなく感じました。コロナ危機で苦しむ区民生活の実態がほとんど触れられていないではありませんか。区民生活の実態をどう認識し、どう救済しようとしているのか。そのことを基本姿勢に貫く必要性を感じているのか、まずお答えください。

 次に、来年度予算編成を踏まえた今後の財政運営について伺います。
 わが党区議団は、文化やにぎわいを口実に池袋駅を中心とした大型開発、ハコモノづくりに莫大な税金を投入するまちづくりは、将来の財政運営に支障をきたす可能性があることを指摘し、見直しを求めてきました。 高野区政は外から人を呼び込む街づくり力を入れ、池袋を中心とした大型開発、新ホールや四つの公園とイケバス、さらには大塚駅北口のリングなどを進め、多額の税金をつぎ込み、住民追い出しの市街地再開発事業や特定整備路線を進めてきました。とくに、東アジア文化都市記念まちづくり事業は、2019年度に集中的に投資するものとしていましたが、2020年度以降も投資的経費が生じるだけでなく、ランニングコストも、年間13億円に大きく膨らみました。

 こうした不要不急の投資事業は、区民にとって必要な事業、とりわけ区民生活や教育環境に大きな影響を与える結果を生じてしまったのです。 私の地元では、住民が待ち望む旧朝日中学校跡地活用計画の特養ホームの建設が3年間も遅れています。学校改築、長寿命化計画も来年以降に先送りし、財源の裏付けも必要なことから、全く見通しがたっていません。
 私たち日本共産党区議団は、未来のためといって不要不急の投資事業に歳出をあてれば、将来の財政運営にも大きな影響をもたらすことは必至であり、くわえて、以前のようなリーマン・ショックのようなことが起きたら取り返しのつかないとも指摘してきました。
 そこで質問です。
 行財政改革特別委員会で、今年度の財調交付金が、予算より15億円減るとの説明がありました。今後の財政運営は、新型コロナ禍による経済の落ち込みによる歳入の減収とあわせ、これまで私たちが指摘してきた将来の財政不安が現実のものとなってきました。区長の財政の見通しの甘さと区政を来街者のための不要不急の異常な投資事業を進めてきた責任は極めて重大だ、ということです。

 こうした財政運営を反省し、後でも触れますが、区民にとって不要不急のイケバス、保健所の移転、今後の巨大な再開発、特定整備路線など多額の投資事業はきっぱり見直し、コロナ危機のもとで、いっそう窮地に追い込まれている区民のくらしを立て直す方向に、すなわち区民生活を優先する財政運営に転換すべきです。答弁を求めます。

 次に来年度予算編成の基本について質問します。
 本区の令和3年度予算編成について(依命通達)では、「区の基幹歳入である特別区民税と財政調整交付金は大幅な歳入減が見込まれている。その影響は、リーマン・ショック時の減収額を超えることが予想されるとともに、複数年に渡って影響が及ぶことも見込まれるなど、今後の歳入環境は、非常に厳しい状況にある。」として、「枠内予算のうち義務的な経費(人件費、扶助費、公債費、基金積立金)を除いた、いわゆる一般行政経費の 10%相当額を削減している。」としています。いま、指摘したように区長の未来のためといって不要不急の投資とコロナ禍による経済の落ち込みによる歳入の減収は、来年度予算編成にも大きな影響を与えることになったのは、依命通達からもうかがえます。
 そこで質問します
 今でも、コロナ禍で苦しんでいる区民に寄り添った思い切った予算編成が必要な時に、10%も減らせとなれば、区民生活に直結する予算を削らなくてはならなくなるではありませんか。すでに現場では、どこを削るのか、削ると事業が成り立たないと悲鳴が上がっています。
 来年度予算編成の基本は、なんといってもコロナで苦しんでいる区民に最優先して予算を充てるべきです。不要不急の異常な投資事業を見直すとともに、区民、生活困窮者救済のため、基金、起債を活用してでも積極的な予算編成をすべきと考えますが、いかがですか。 答弁を求めます。

 2点目に予算編成をするうえで、直ちに盛り込むべき課題について順次質問を行います。
・まず、新型コロナ感染症対策についてです。
 新型コロナウィルス感染者が全国で5日連続2000人を超える危機的な状況です。東京では21日539人の陽性が判明し、3日連続で500人を超えるなど感染者急増しています。
 東京都医師会の尾崎治夫会長は、政府の観光支援事業「go toトラベル」を一時中断すべきだと主張し、「今の状態をほうっておけば医療崩壊に必ずつながる」と危機感をあらわにしました。
政府は21日、感染拡大の「第3波」が広がり、政府への批判が強まる中で「go to キャンペーン」の見直しを決めました。しかし、実施時期も対象地域も説明しませんでした。政府の対応は、あまりにも遅く、中途半端です。
 わが党は、感染爆発を抑えるために、PCR検査体制の大幅な拡充による無症状者の把握・保護を含めた積極的検査への戦略的転換を強く求めてきました。また、コロナ対応と患者減少で赤字を抱え疲弊している医療機関の危機を救うために国による減収補てんに踏み切ることや感染の接触追跡を専門に行うトレーサーを確保し、保健所体制の抜本的強化が不可欠だと、指摘してきましたが、政府は従来の延長線上の対策のままでした。本区でも、週ごとの陽性者数をみると、10月19日の週が30人、26日の週が46人、11月2日の週が49人、9日の週が60人と増え続けています。
 そこで質問します。
 現在のコロナ感染状況を区長が、どう認識し、どう対応するのか、お答えください。

 次に、PCRの検査の拡充についてです。
 東京都は、重症化リスクの高い、高齢者や障害者の入所施設、具体的には特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、障害児者の入所施設を対象とするPCR検査への支援を予算化しました。さらに、東京都は、高齢者・障害者の通所施設、短期入所施設やグループホームなどの利用者や職員に対して区市町村がPCR検査等を行った場合に検査費用を補助することとしました。
 第3回定例会では豊島区独自のPCR検査補助として、補正第4号では、保育園や学校など区内の子ども関連施設等に勤務する職員のPCR検査費用を無料にする予算が、また補正第5号では、東京都のPCR検査支援の対象外の介護サービス事業や障害福祉サービス事業の職員や利用者のPCR検査を無料にする予算が、可決されました。しかし、これらは、現在のところ「陽性者が発生した場合」に限定されています。
 そこで質問します。
 医療機関、介護・福祉施設、保育園、幼稚園、学校、学童クラブなどクラスターが発生すれば多大な影響が出る施設等では、陽性者の発生がなくても、職員、利用者が希望すれば全員受けられるように、PCR検査の拡充をおこなうべきと考えますが、いかがですか。
 豊島区独自のPCR検査を無料にする事業については、東京都の補助が使える施設があり、その分区の持ち出しは少なくてすむことが明らかになりました。この予算も使い、現在「陽性者が発生した場合」に限定しているのをやめ、希望者がうけられるように拡大すべきです。
 答弁を求めます。

・次に、生活保護、低所得者のエアコン設置補助についてです。
 今年の夏、コロナ禍の下で、自宅で熱中症になり病院に搬送される事例が多発しました。8月の1か月間で、都内の熱中症による死者は187人、このうち178人が屋内で亡くなっており、エアコンの設置、使用がなかったケースがほとんどの95%です。まさにエアコンのあるなしが命に関わってくるのです。
 厚生労働省が生活保護費の減額を10月から強行しました。2017年12月に決定した生活保護費の段階的な削減の一環です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済的に困窮する人の生活は一層苦しくなっています。削減を決めた3年前とは、国民生活の状況が大きく変わっています。それにもかかわらず、暮らしを支える「最後のセーフティーネット」を弱める生活保護費削減を予定通り実施することは、あまりに乱暴であり、許せません。

 わが党は、低所得者や生活保護利用世帯に対してエアコン設置補助をと、繰り返し区に求めてきましたが「国の制度に則ってやっている」「扇風機などがある」「訪問、見守りをした」などと答弁し、救済しようとしません。国と同様で、本当に冷たい姿勢です
 そこで質問します。
 酷暑が恒常化し、今年は新型コロナによる外出自粛も重なりました。そうした中、区が言うように、扇風機を回せばエアコンと同じように涼しくなるのですか。また「訪問、見守りをした」場合もエアコンと同様に涼しくなるのでしょうか。
 生活保護、低所得者対策は区長の政治姿勢の表れです。「誰一人取り残さない」と言うのであれば、命と健康を守る立場から、直ちにエアコン設置補助をおこなうべきです。
 本区の生活保護世帯でエアコンがないのは全体の5%、約250世帯です(2019年度)。区独自の加算や法外援護をするのに1世帯あたり5万円、1,250万円でできるのです。いかがですか。

 また生活保護では故障した際の修理、取り換え費用は支給されません。ギリギリの生活をしている利用者には、その費用を捻出するのは困難です。修理、取り換え費用についても支給すべきです。加えて生活保護を利用していない低所得者へのエアコン設置、電気代補助もおこなうべきと考えます。合わせて答弁を求めます。

・次に、中小業者、商店街対策についてです。
 いま、中小業者、商店街が直面しているのは、事業と雇用の深刻な危機です。これから年末にかけて倒産・廃業・失業の急増が懸念されます。2019年10月から消費税10%への増税が強行されており、ある飲食店主は、「消費税増税と新型コロナでダブルパンチだ」「廃業も検討せざるを得ない」と語っていました。「このままでは年が越せない」「事業を続けられない」という悲鳴があちこちから上がっています。

 内閣府が発表した7~9月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動を差し引いた実質で前期比5・0%増と4四半期ぶりにプラスになったものの、GDPの実額は、コロナ前の水準を下回るだけでなく、消費税を 10 %に増税した後の水準よりさらに悪化しています。暮らしと営業を支え、経済を立て直すための政策に本格的に転換することが急務です。

 欧州諸国ではコロナのなかで消費税にあたる大型間接税を減税しています。日本でも消費税の増税とコロナ禍が重なり、不況の悪循環に陥りかねない中で、消費税の減税を含めた思い切った対策に踏み切るべきです。これまで私は何度も消費税減税等を国に求めるよう質してきましたが、区長は拒否してきました。第2回定例会において、清水議員が国に対して消費税5%への引下げを求めた時には、区は、国が定額給付金や持続化給付金、雇用調整協力金などの支給、国保などの保険料の軽減などを行っており、持続可能な社会保障制度の維持のためには安定的な財源確保が必要、として、引き下げを求めることを拒否しました。

 しかし、今は非常時であり、医療や福祉の面での「命を守る」と同時に、経済的な面で区民の「命」を守るためにも、消費税減税が必要です。 また、区は区独自の中小企業へのコロナ対策として融資制度を行っています。5月から始めた無利子の融資制度「新型コロナウイルス感染症対策緊急資金」は9月までで920件、当初10月までの予定を12月末まで延長しました。「無利子融資」は区民から歓迎され、年末まで延長したことは良かったですが、コロナ感染拡大が収まらない中では先の見通しが持てません。
 そこで質問します。
 中小業者は、いまを乗り越えられるかどうかの瀬戸際、非常事態です。
 消費税の増税で弱った経済に、コロナが追い打ちをかけたのです。消費税を安倍政権が増税する前の5%に緊急に戻し、経営が厳しい中小企業については19年度と20年度の納税を免除することが必要です。あらためて、政府に対し、消費税の5%減税や免除を求めるべきと考えますが、いかがですか。
 また、持続化給付金を複数回支給することや、家賃支援給付金と休業支援金の拡充こそが必要です。来年1月の通常国会に提出する予定の3次補正まで待っていられる状況ではありません。直ちに拡充することを求めるべきです。答弁を求めます。
 さらに、持続化給付金や家賃給付金については、フリーランスも対象になるなど改善点もありますが、添付資料や手続きが複雑です。家賃支援金では賃貸借契約書の契約者と事業主が異なる場合のように審査に「時間がかかる」と明記されている場合もあります。給付金制度から漏れてしまう人や急いで資金が必要なひとのために、「新型コロナウイルス感染症対策緊急資金」はさらに期間を延長すべきであり、あわせて、区独自に家賃など固定費を支援する策を緊急で講じるべきです。いかがですか。

 区は第三回定例会での小林議員の一般質問に、「区内の景気循環を増やす取り組みを含め新たな補助事業の実施など、支援策について検討する」と答弁しています。具体策はどうなっているのか、合わせて答弁を求めます。

・次に、住宅対策についてです。
 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台ともいうべきものです。住み慣れた地域で、暮らせるようにするのが国や自治体の仕事です。
 いま、住宅相談が増えています。区が作成した「住宅課窓口における主な相談内容と相談件数」の資料によると、「取り壊しによる立ち退き」は、2019年は270件、2018年は192件ですから差し引き78件も増えました。さらに、「高齢による立ち退き・契約更新拒否」は前年度比53件増の80件、「高額家賃の負担」が153件増の379件など主な6項目の相談件数でも512件増の1084件です。前年対比で、ほぼ倍増です。相談に来ても、その後どうなったのか、区は実態もつかんでいません。  中でも高齢者の実態は深刻です。

 第3回定例会に住宅についての陳情がだされ、都市整備委員会で審査されました。陳情者の妻は介護度2で、散歩もできない状態が2年余も続いているし、陳情者は要支援1で3か月間、外出・散歩もしていない、なぜなら、住んでいるのがアパートの2階で、外階段が狭く、勾配がきついため、介助もできず1階へ降りられないのです。1階の住宅へ引っ越しを希望しても、永年住み続けた地域で探すのは至難の業です。 また、先日、私は80歳と75歳の夫婦から「突然、大家から年内に立ち退きを求められた」、「この年で家を探すのは大変だ」と相談を受けました。

 わが党は、区営住宅、福祉住宅の建設、安心住まい提供事業の拡充を求めてきましたが、区は「公営住宅を新たに直接建設するのではなく、既存の民間賃貸住宅の利活用を積極的に図ることが効率的であると考えておりますので、公営住宅の増設計画を立てる予定はございません。」と冷たい答弁をして来ました。空き家の活用、民間賃貸住宅の利活用といっても、低所得者、障がい者、高齢者等は、自力で住宅を確保するのが困難です。

 区長は、「高齢者にやさしいまちづくり」といい、また、住宅マスタープランには基本目標1として、「住み慣れた地域で暮らし続けられる住まいづくり」を掲げています。住宅対策でも公助が大変重要なのです。
 そこで質問します。
 高齢者など住宅困窮者の問題を自己責任、市場任せにしていては解決できません。公助が必要です。改めてお聞きしますが、借上げ住宅である安心住まい提供住宅の増設をおこない、特に地域的な偏在を解消すること、さらには少なすぎる世帯用住宅の増設など拡充すべきです。いかがですか。 また、根本的な解決のためには、区営住宅、つつじ苑、福祉住宅など公営住宅の建設計画を立てて実行すべきです。答弁を求めます。

 最近の相談事例で、コロナ禍のもとで、飲食店のアルバイトを解雇され、家賃が払えない青年からの相談や所得の大幅減収による住宅困窮者も増えています。今は、住居確保給付金や緊急小口資金などを活用し何とかしのいでいますが、コロナの収束も見通しが立たない中で、住居確保給付金の期間延長を国に強く求めるべきです。合わせて答弁を求めます。

・次に、少人数学級ついてです。
 新しい時代の初等中等教育のあり方を議論している中央教育審議会は10月28日、29日の両日、関係団体から聞き取りをしました。
 全国連合小学校長会は、感染症対策やきめ細かな指導の実現に「30人以下の少人数学級の実現が必須」と指摘し、財務省が「学級規模の学力への影響は限定的」と主張していることに対して、「科学的ではない。子どもや教職員の健康・安全を確保することが教育環境整備の最優先事項だ」と訴えました。少人数学級について全国市長会は「まず35人、そして30人に」と発言。全国町村会も「少人数学級はかねてからの要望」と語りました。

 わが党は一貫して少人数学級を求めてきました。新型コロナによる長期の休校、学校再開後の分散登校を経て、少人数学級を求める声が全国的に広がっています。こうした中、文科省は、来年度予算案の概算要求に事項要求で盛り込みました。萩生田光一文部科学大臣が11日、公立小中学校の少人数学級に関し「思い切って1クラス30人を目指したい」との考えを明らかにしました。しかし、財務省が難色を示しています。
 そこで質問します。
 来年度予算編成で最大の焦点の一つとなっている少人数学級の実現をめぐり、わが党の畑野君枝議員は13日の衆院文部科学委員会で、新型コロナウイルスで強いストレスを感じている子どもたちの願いに応えるためにも来年度から実施を、と訴えました。萩生田光一文科大臣は「不退転の決意で臨む。勇気をもらった」と応じました。

 豊島区議会第3回定例会で、「少人数学級の実施を求める意見書」が全会派一致で可決され、政府に対して意見書の提出を行いました。いまこそ、少人数学級の導入を、と議会、行政が世論を広げ、財務省の姿勢を変えようではありませんか。豊島区として、財務省に対して少人数学級の導入を要請すべきです。
 また、豊島区が30人学級の導入を視野に入れて、その準備にとりかかるべきです。あわせて答弁を求めます。

・次に、高齢者対策について3点質問します。
 区長は招集挨拶で「高齢者にやさしいまちづくり」として、9月に行った「高齢者への呼びかけ事業」で31,000人にハガキを出し4,400人から返信があり、1,200人の方が相談を求めているとしています。改めて、多くの方が相談があるという事がわかりました。しかし同時に返事があったのがわずか14%です。
 そこで質問します。
 区長は来年初めに2回目の呼びかけ事業を行うとしていますが、同時に今回返事が来なかった方々への対策はすぐにでも求められます。どのような対応をするのか、答弁を求めます。

 2つ目の質問です。
 わが党は先の決算委員会でも指摘してきましたが、「見守りと支えあいネットワーク事業」の中心はボランティアです。しかし区の資料では、この数年見守り希望者は減り、またボランティアも減っています。決算議会で指摘すると、区は地域の相談センター、CSW、介護事業所など、様々な施設が支援への関わりがあると答弁しました。

 わが党区議団の相談事例ですが、70代後半のAさんは一人暮らしです。区の職員やかかりつけ医への信頼は厚いのですが、反対にボランティア等は「知らない人だから」と拒否しています。行政がきちんと関り、訪問し問題発見や安否確認などが求められるということです。
 そこで質問します。
 当然、行政として必要な対策が求められます。まず高齢者福祉課の職員を増やし、区民に寄り添った対応ができる体制を作るべきです。答弁を求めます。

 高齢者対策の3つ目の質問は、高齢者自立支援住宅改修助成事業の拡充として階段昇降機の設置についてです。
 一人暮らしの70代のEさんは足が不自由な中で、今年、転倒し肩関節を骨折、介護度3となりました。自宅は一階が玄関のみで、生活の場は2階です。一人では階段の昇降ができず、外出もできなくなりました。Eさんは階段昇降機があればと思い調べたところ200万円以上かかるといわれてあきらめたといっています。階段があることで在宅生活ができない、一人暮らしができない、生活空間が大きく狭められるということです。また階段昇降機は高額で利用できないことも深刻です。

 現在、階段昇降機設置助成事業は23区中10区が実施しています。階段昇降機設置助成は各自治体で異なっており、助成金の上限額は30万円から200万円、また自己負担は1割から3割、支給要件も要支援から要介護4以上等、様々です。
 そこで質問します。
 高齢者の在宅条件を拡充するために、ぜひ本区においても階段昇降機設置助成を制度化すべきです。答弁を求めます。

・次に、来年度予算編成にむけて3点目の質問、直ちに見直すべきことについてです。
 まず、イケバスについてです。
 わが党区議団は、これまで高野区長の訪日外国人や観光客を呼び込む街づくり、文化やにぎわいを口実に池袋駅を中心とした大型開発、ハコモノづくりに莫大な税金を投入するより区民のくらし、生業を守ることを優先すべきと指摘してきました。
 訪日外国人や観光客をイケバスの乗客として、4つの公園と池袋駅周辺を回遊する観光が目的でしたが、池バスはガラガラで乗客はほとんどいません。
 また、7月から供用が開始された「としまみどりの防災公園(イケ・サンパーク)」に来ている方は、若い親子が目立ちますが自転車で来ています。自転車置き場には、子ども用の自転車や大人用の自転車がいっぱい並らび、区民は自転車で公園に来て楽しんでいます。池袋西口公園や中池袋公園は池袋駅に近いし、都営バスなどが頻繁に走っています。わざわざ、イケバスに乗る必要はありません。

 わが党区議団には区民から様々な声が寄せられています。少し区民の声を紹介しますと、「ガラガラのイケバスが次から次へと走っているのを見るのは大変つらい、心が痛みます」、「税金の無駄遣いの最たるものだ」などです。
 そこで質問します。
 2019年度は、イケバスにイニシャルコストとランニングコスト合わせて総額5億円以上もつぎ込みました。今年度当初予算は、総額5900万円を計上していました。新型コロナの影響で運行休止や運行しても乗客がいないため、さらに1億5千万円の赤字です。こんな状態を続けたら、来年度予算編成にも影響が及び、すでに区財政の重い負担となっているではありませんか。新型コロナの収束も見通せない中、収支の改善を図るすべもありません。トップダウンですすめた区長の責任は重大です。イケバスは、キッパリと中止すべきです。

 また、広報としま特別号のとしまplus10/1号では、エネルギーをみんなに、そしてクリーンに、「自家用車でなく、IKEBUSなどの公共交通バスなどに乗ろう」と記載があります。
 イケバスの路線ルートが変更になった際、私が、副都心委員会で、訪日外国人、観光客の目的は変わったのか、と聞くと、理事者は、基本的に変わりはない、と答弁しました。いったい、いつ公共交通機関になったのか、お答えください。

 もし、公共交通機関になったとすれば、それを理由に税金を投入する意図ではありませんか。
 しかし、イケバスは、区民にとっては公共交通機関ではありません。交通不便地域、銭湯のない地域、買い物難民の地域を定期的に回遊する公共交通機関、区民の足となるコミュニティバスこそ、直ちに導入すべきではありませんか。答弁を求めます。

・次に、保健所の再開発ビルへの本移転について改めて質問します。
 第2回定例会で渡辺議員が南池袋二丁目C地区の再開発ビルへの保健所の移転計画について見直しを求めた質問に対し、区長は「現在の仮移転の保健所は敷地面積も広く、建物がワンフロアで効率的。感染症に十分対応できている」「今回の教訓を生かしながら」「健康危機事態への対処に万全をつくす」と答弁し、さらに渡辺議員の3定での再質問にも「仮保健所は23区で一番」と答弁しています。
 ところが、「南池袋二丁目C地区の再開発ビルへの移転計画」については、「他の建設地がなかった」「再開発ビルへの移転計画は継続する」との答弁を繰り返しました。

 現在、南池袋二丁目C地区再開発事業では権利変換が進められています。同時に事業計画の見直しや修正等も行われており、移転計画の見直しは今しかありません。
 100年に一度といわれる今回のコロナ感染症の中で、保健所は区民にとって重要な役割を担っていることが改めて認識されています。今後、区民の命を守るために、この教訓を生かしていくことが、いまこそ区長に求められています。
 もうひとつ大きな問題なのは、再開発事業での保健所の建設は莫大な費用が掛かるということ、しかもコロナ禍の下、先ほど来指摘しているように、歳入は大幅に減り、反対にコロナ対策で大幅に歳出が増えるのです。いまの時期にこのような税金の使い方は絶対にしてはなりません。いま、必要なのは区民の命と暮らしを守ることです。
 そこで質問します。
 区長は今こそ、南池袋二丁目C地区再開発事業への合築を見直し、独立した建物としての保健所を確保すべきです。答弁を求めます。

 第三に、旧朝日中学校跡地活用についてです。
 まず、園庭のある認可保育園の建設についてです。
 先日、旧朝日中学校跡地について、周辺の区民から、その後の報告、説明がないからと進捗状況を聞かれました。地域では、園庭のある認可保育園をつくってほしい、議会に陳情が約900人の署名を添えて提出されるなど、地元の7町会長の連名で、区にも要望書が提出されました。しかし、区は「園庭のある保育園をつくってほしい」という地元の要求には応えようとしません。区内では、園庭のない保育園が約8割で、のびのび遊べる園庭のある認可保育園はどうしても必要です。
 そこで質問です。
 わが党は、これまで園庭のある認可保育園の増設、保育士の待遇改善、特に配置基準の改善に取り組むことを求めてきました。
 さらにコロナ禍の下、緊急事態宣言時には、公園の遊具に使用禁止のテープが巻かれるなど、園庭の必要性がますます高まっています。園児の健やかな成長を保障するためには、園庭のある認可保育園がどうしても必要です。旧朝日中学校跡地は、この地域で大規模な土地であります。旧朝日中学校跡地に増設計画を立てるべきです。答弁を求めます

 次に特養ホームの建設についてです。
 最近、66歳の区民から90歳の母親を特養ホームに入れたい、との相談を受けました。母親は介護度5、認知症があり、相談を受けた息子は、障害1級で介護度は4です。二人の介護のために29歳の姪が、仕事もしながら、毎日支援するために2階の部屋に住んでいるとのことです。7月から特養ホームの入所を10か所以上申し込んでいますが、いまだに入れません。特養ホームの待機者は(2020年6月末)521人徐々に増えています。
 旧朝日中学校跡地に特別養護老人ホーム建設計画が発表されてから3年が経ちます。巣鴨北中学校の改築が終了し、新校舎に移ったら、旧朝日中学校の校舎は解体し、2022年には竣工の予定でしたが計画が大幅に遅れています。遅れている理由を聞くと、2018年度決算の際は「介護人材、介護を取り巻く環境を精査している」、2020年度予算審議の際は、東部側の学校改築の際、仮校舎として跡地を活用する可能性も含めて、今年度中に結論を出すと答弁していました。
 そこで質問します。
 学校改築、長寿命化計画も来年以降に先送りし、財源の裏付けも必要なことから、全く見通しがたっていません。地元では、特養ホームの建設はいつになるのか、と期待の声と不安げに、区は本当に建設する気があるのか、との声も寄せられています。区は、今年度中に計画を策定するとしていましたが、なぜ、こんなに遅れているのか、理由を明確にし、特養ホームの建設を直ちに行うべきです。答弁を求めます。
 以上で、一般質問を終わります。ご清聴、ご協力ありがとうございました。

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