私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております第59号議案、「としま文化の日条例」について、可決に反対の立場から討論を行います。
本議案は、国際アート・カルチャー都市の集大成として、新たな文化シンボル「としま文化の日」をもうけ、文化を基軸とした街づくりを次世代に継承するため、として提出されたものです。
委員会審査の中で、議会軽視、区民無視の内容が次々と明らかになりました。
まず「(仮称)としま文化の日条例(素案)」のパブリックコメントです。これまでは、新規条例のパブリックコメントをやることを事前に議員には説明をいただいてからパブリックコメントを行う、そして、その期間も通常30日程度を目安に行われています。しかし今回は6月21日から30日と大変短い期間でおこなわれ、7月8日の子ども文教委員会に、突然、パブリックコメントの「実施結果について」の報告が行われたのです。
その報告のときには、他の委員から、「区民がメリットを感じられる事業を」との要望がでたり、あるいはコストのことをきかれて、理事者は「パブリックコメントの中でもございましたけども、予算をかけて、たくさんの大きなイベントをする日というわけではない」と答弁していたのです。
私も施設の利用料の軽減など、地域で地道に活動をされている方に喜んでもらえるような事業をと提案したところです。しかし本議案に、これらの内容は盛り込まれていませんでした。そして、質疑の中では、文化の日記念式典に総額550万円の予算がかかり、その一部はSDGsの予算から出されるということも、明らかになったのです。
いただいた資料によりますと、式典の第2部スペシャル公演費用450万円、チラシ、グッズの作成に100万円が「SDGs未来都市モデル事業経費」から出されるのです。
本当に必要な予算だというなら、堂々と補正予算を提案すればよいし、あるいは自ら率先して議会に説明すべきなのに、なぜ、それをせずに、流用ともいえるようなSDGsの予算を使うのか、議会を軽んじているとしか思えません。
文化の日がいけないとか、これに反対だということではありません。文化というのは、本当に生活に欠かせない、空気と同じ本当に大切なものです。だからこそ、私は第二回定例会の一般質問で、コロナ禍で困っている文化団体への支援や特に、定員の半分しか利用できない中で、利用料の負担軽減を求めてまいりました。今回補正予算では、「としま文化の日推進事業経費」として区内の劇場やスタジオとなどの感染防止対策に補助することが盛り込まれました。この補助自体は実現して良かったです。
また、委員会の中で施設使用料については、新ホール、あうるスポット、南大塚ホールといつた大きな施設のみ半額で、小さな団体やグループが利用する区民集会室、地域文化創造館、区民センターやイケビズなどは軽減していないことが明らかになりました。コロナ禍の中、参加しづらい上に、施設使用料が負担になり、これがきっかけで、区民の活動がなくなってしまうということがないように、区民の日常の地道な活動もしっかり守っていただきたいというのが、真意であります。
いずれにしても、区長が進める「にぎわい」づくりのための「文化の日」であってはならないと考えます。改めて申し上げますが、区民無視、議会軽視で進めることは絶対にあってはなりません。
よって、第59号議案、としま文化の日条例について、可決に反対するものです。
以上で討論を終わります。御清聴ありがとうございました。