21年第2回定例区議会
「新型コロナウイルス感染症から区民の命、くらし、福祉を守ろう」
21年第2回定例会は6月16日から7月14日の日程で開催されました。一般質問では、渡辺くみ子議員、清水みちこ議員が新型コロナ感染症拡大の中、区民の命とくらし、福祉を守る立場で区長の姿勢を質しました。
区議団は、5月13日行った区長・教育長への申し入れで、この夏のオリンピック・パラリンピックの中止や児童らを観戦させる「学校連携観戦」の中止を求め、さらに6月24日には改めて教育長に対し、「五輪に子どもたちを動員する学校連携観戦の中止を求める申し入れ」を行いました。豊島区教育委員会は、7月5日中止を発表しました。
補正予算で実現しました
- 生活保護世帯へのエアコン設置費補助
日本共産党区議団が一貫して、何度も何度も求めていた補助事業が7月より始まります!
『冷房機器未設置生活保護世帯緊急補助事業』は、コロナ禍でステイホームが求められる中、都会における熱中症の予防対策として、冷房器具未設置の生活保護世帯(2018年3月31日以前に生活保護開始の方)へ緊急的に冷房器具購入費を補助する事業です。
●冷房器具代5万4,000円(上限)+設置工事費(実費)
●申請期間:2021年7月~22年3月 - 区独自の子育て支援事業
第1回定例会の一般質問で、清水みちこ議員が要求した事業です。豊島区が、コロナ禍において生まれた子を持つ家庭への支援を行います。
対象:国の特別定額給付金や東京都の出産応援事業の対象外となってしまったお子さん(2020年4月28日~20年12月31日までに生まれた新生児で、2021年7月14日現在、豊島区に住民票があるお子さん)
内容:子ども1人あたり10万円分の区内共通商品券(電子マネーまたは紙商品券)
●2021年8月~ 対象者へお知らせ
●2021年10月~ 対象者への商品券送付
新型コロナ禍の下で今こそ区民の命・くらしを守る区政を
渡辺くみ子議員が一般質問(6月22日)
高野区長の政治姿勢について
渡辺議員は次の3点を質問しました。
- オリンピックについて
「菅政権は専門家が発している警鐘も無視しオリンピック開催に固執しているが、区長も開催すべきと考えているのか」と質しました。区長は「区民の命をリスクにさらしてまで開催支持を考えていない」と答弁しましたが、「聖火リレー等の中止は組織委と都が判断するもの」とし区長としての判断はしませんでした。 - 都立病院等の独立行政法人化について
小池都知事は都立大塚病院等、都立病院や公社病院への都の財政支援を大幅に削減する独立行政法人化を進めています。独立行政法人化は「区民負担を増やし、災害対策等の行政的医療が削減されるなど、区民の医療を守ることができなくなる。反対を」と追及。しかし区長は「今までどおり地域医療を担うと確信している」との答弁を繰り返し、独立行政法人化反対を拒否しました。 - 後期高齢者の医療費2割負担導入について
「単身で年収200万円以上の高齢者を対象とした後期高齢者の医療費2割負担導入は際限ない負担増に道を開き、高齢者の受診抑制を招く。反対を」と追及。しかし区長は冷たく「反対しない」と答弁しました。
ワクチン接種とPCR検査の拡充について
豊島区のワクチン接種(個別接種)は豊島区医師会の協力で、かかりつけ医や嘱託医を中心に取り組まれています。「協力医療機関への体制等の支援を」と質問。区長は「人的体制等を含め協力金の支援を行う」と答弁しました。次に「PCR検査をいつでも無料で受けられる体制の拡充を」と求めましたが、「多くの医療機関では医師の判断で無料で受けられる。拡充はしない」と答弁しました。
コロナ禍の下で区民生活を支援すべき
社会福祉協議会の特例貸付金の申請は増加し、区生活産業課の資料では昨年10月から今年3月の区内の倒産件数は30件、業種別ではサービス、宿泊、飲食業でコロナ禍の影響が大きくなっています。「事業所の経営は深刻。区独自の事業所家賃補助制度の創設を」と求めましたが、区長は冷たく拒否しました。また国民健康保険料の区独自の軽減策も拒否しました。
保健所の増設と区民不在のC地区再開発ビルへの保健所建設は見直しを
現在29万人区民に保健所は一か所。区民に身近な保健所の新たな増設を求めましたが区長は拒否。さらに「今後C地区再開発ビルに保健所建設を進めているが独立した建物にすべき。区民参加で再考を」と追及。しかし区長は拒否しました。
命と暮らしを守りぬき、子ども・若者の未来をつくる区政を
清水みちこ議員が一般質問(6月23日)
池袋第三保育園の民営化について
これまで区議団は、公立保育園の民営化は行政の公的責任を放棄し、その目的が経費削減であり、結局、保育の質を下げることになると反対してきました。
区は駒込第二保育園(2021年4月民営化)に続き、池袋第三保育園を2022年4月から民営化しようとしています。しかし事業者を選定する民間保育所事業者選定審査会は、公立保育園の保育の質が保てないことなどから「選定事業者なし」の答申を4月30日に提出しました。
そのわずか2週間後(5月14日)に区は事業者の再公募を実施、開園まで1年を切っての再公募は「事業者選定は開園の3年前までに実施」という区の民営化方針からも逸脱しています。
さらに保護者から「充分な引き継ぎ期間を確保してほしい」と要望が出ているのに、本来1年間の引き継ぎ期間を6カ月に短縮するなど、スケジュールありきで進めています。
清水議員は、保育の公的責任を果たす立場から、今後の公立保育園民営化の白紙撤回とともに、コロナ禍であるからこそ保育現場の職員体制の強化と待遇改善、保育環境の整備など、保育の質の向上をと求めました。しかし区長は「保育サービスの拡充」「計画どおりに進める」と答弁しました。
清水議員は再質問に立ち「子どもへの視点がない。子どもの最善の利益の立場で答弁を」と迫りました。しかし区長は「基本的に考えが合わない。私は自信をもって進めている」と、まともに答えようとしませんでした。
長期化するコロナ禍の下で直ちにやるべきこと(抜粋)
- 生活保護世帯へのエアコン修理、交換、電気代補助。
- 低所得者、高齢者、ひとり親家庭などへのエアコン設置、電気代補助。
- 2020年度仮決算剰余金38億円(過去10年間で最高額)を財源として、子どもの医療費の18歳までの無償化、国民健康保険の子どもの均等割りの無料化、学校給食の無償化、就学援助増額と認定基準の引き上げ。
- 大学生、専門学校生などへ区独自の学費補助や家賃補助、給付型奨学金などを創設。
- 区立小中学校・幼稚園の「学校施設長寿命化計画」の策定にあたり、学校間格差が生じないようにすること。コロナ禍の下で35人学級を国の方針より早期に実現、30人学級も視野においた計画にすること。
- すでに区財政の大きな負担となっているイケバスに、これ以上の無駄な税金投入はやめ、ただちにきっぱり中止すべき。