HOME 第3回定例会 「くつざわ亮治議員・懲罰特別委員会審査結果報告書」についての反対討論を行いました 【儀武さとる】
お知らせ
 第3回定例会 「くつざわ亮治議員・懲罰特別委員会審査結果報告書」についての反対討論を行いました 【儀武さとる】
2021.09.15

「くつざわ議員・懲罰特別委員会審査結果報告書」についての反対討論

2021.9.15 儀武さとる

私は、日本共産党豊島区議団を代表しまして、ただいま議題とされました「くつざわ亮治議員に対する懲罰の件」、懲罰を科さないとする懲罰特別委員会審査結果報告について、反対の立場から討論をおこないます。

さる6月23日、豊島区議会第2回定例会の本会議での一般質問において、テレビ改革党・くつざわ亮治議員は、本会議場において、日本共産党に対し「奴隷に落とす」「逆らえば殺される」など、多数の無礼きわまる発言を繰り返しました。

そもそも、地方議会における一般質問とは、議員が、地方公共団体の一般事務について、執行部に対して所見を求め、疑義を質すこと、あるいは政策を提言することなどであります。

しかし、くつざわ亮治議員は、一般質問の持ち時間10分のうち、その大部分を公党であるわが党に対して無礼な言葉を言い放ち、持論を展開しました。

豊島区議会の一般質問の在り方として看過できない重大問題であります。

私たち議員は、一人一人が区民から負託を受けて議会活動に取り組んでいるわけですから、主義主張や思想信条が異なっている相手に対しても敬意をもって接するのが前提であり、そのうえでの表現の自由、言論の自由であり、何を言っても言論の自由が保障されているというものではありません。

また、委員会等では、自分自身の言葉で、やり取りの中で言い間違えや言い過ぎが起こることは考えられますが、一般質問など本会議での発言はそうではないのです。原稿を事前に準備し、これに基づく発言が会議規則に逸脱して行われたことは、見過ごすことはできません。

発言内容について、いくつかあげますと、「日本共産党が政権をとれば、……あなたを『奴隷に落とす』『逆らえば殺される』」というくだりについては、事実と異なりますし、このような発言は批判の域を超えています。 また、「共産党は『危険だ』、『滅ぼすべき』だ」との発言については、公式の場である議会で、公党に対して「危険だ」「滅ぼすべき」ということはあってはなりません。

これらは良識を疑われる、まさに無礼の発言です。

今回のように際限なく無礼であろうと、あるいは事実と異なることを述べても許されとするなら品位を保つどころか誹謗中傷や罵詈雑言の議会になってしまいます。

したがって、地方自治法132条「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」、豊島区議会会議規則103条「議員は、議会の品位を重んじなければならない」と規定しているのであります。

くつざわ議員の一般質問にたいする区側の答弁が終わった後、私は、この発言は、会議規則に照らしても看過できない無礼かつ重大な発言があったと判断し、このまま放置するならそれが豊島区議会の一般質問として未来永劫に残すことになりかねないと判断し、議長に休憩動議を提案したのであります。

これまで、豊島区議会は、本会議を含めこうした事例が起きた時、休憩先議の原則にのっとり、全会派の合意で協議のための幹事長会を開催して、対応してきました。ところが、休憩動機に「賛成」と「異議あり」の発言があり、磯議長は休憩をとり、対応を図るということをせずに、休憩動議の賛否を問う採決という前代未聞のやり方で動議を否決させたのであります。

正副幹事長会は、わが党の申し入れもあり、一般質問終了後に開催されることになりましたが、こうした運営は今後改めるよう強く要求しておきます。

一般質問終了後に開催された、正副幹事長会で、くつざわ亮治議員の本会議場での発言については、各会派から、「暴言」「誹謗中傷」「豊島区議会の品位が問われている」「削除と謝罪」「議事録を見て判断」するなどの発言がありましたが、結論は出ませんでした。

そこでわが会派は、正副幹事長会での議論を踏まえ、懲罰動議を提出するかどうか慎重に議論を行いました。会議規則にのっとった発言の対応、処理、削除等は正副幹事長会で協議され決められてきました。くつざわ議員の発言を良しとして見過ごしてしまうと、結果的に議事録からの削除もできなくなります。

これは、区議会の歴史に汚点を残すことになり、事実とちがう発言、無礼の発言等の取り消し、議事録削除は当然のことであります。さらに、くつざわ亮治議員の発言は、まさに日本共産党に対する侮辱かつ誹謗中傷であり、地方自治法第132条に定める「無礼の言葉」に該当し、豊島区議会会議規則第103条に定める「議会の品位」を貶めるものであります。

懲罰動議は、懲罰事犯があった日を含め3日以内に、文書をもって所定の発議者を連署して議長に提出しなければなりません。

議事録の修正や削除、くつざわ議員への対応は、どう見ても、会議規則に則ったやり方をとらない限り、確実に処理されないと判断したのであります。

よって、6月25日、地方自治法第135条及び豊島区議会会議規則第111条に基づき、懲罰動議を提出したものであります。

くつざわ議員に対する懲罰動議は、わが党議員の4名のほか、立憲民主党の古堺幹事長、川瀬副幹事長が賛同していただき共同提案となり、自民党、公明党は反対しましたが、都民ファーストの会・民主、無所属の会、立憲としま、日本共産党の賛成多数で可決され、懲罰特別委員会が設置されました。

懲罰は、地方議会では大変重いもので、懲罰の種類は、戒告、陳謝、出席停止、除名であります。

さて、懲罰委員会は7月21日と9月1日の二日間にわたり、多くの傍聴者の見守る中で審査されました。提案者を代表して、わが党小林ひろみ議員が、提案説明を、くつざわ議員の一身上の弁明と質疑がおこなわれました。

私が、6月23日の一般質問において、共産党がもし権力を握ったらあなたからすべてを奪い、あなたを奴隷に落とす。逆らえば殺されると、こう発言していましたけど、何を根拠にそういう発言をされたのですか」と質問すると、くつざわ議員は「共産党さんが、暴力革命を成功させたならば、タリバンと同じように振る舞うと、それが根拠であります」と答えました。その他にもいくつか質問しましたが、「共産党は公安監視対象」「非合法化して活動を停止させる」など繰り返し発言し、これまでの発言を撤回する意思は全くありませんと断言しました。

他の委員から、くつざわ氏の発言は批判の域をこえて「不快な思いをした」地方自治法132条の趣旨があり、「品位の保持」をどう受け止めていますか、の質問に対して、「無礼、侮辱をした覚えはありません。正当な批判であります」。「名入り選挙違反がなければこんな無礼な発言はしなかったんですけれども、自分では無礼とは思っていません」などの発言も繰り返しました。

この様に、本会議での一般質問、委員会での一身上の弁明と質疑でも、自分の発言は正当な批判であることを主張し、反省も撤回する意思もないことを示しました。

先ほど述べたように議会における議員の言論の自由は当然保障されるべきですが、だからと言って、何を言っても許さるわけではありません。

地方自治法132条で「品位の保持」、議会の会議又は委員会においては、議員は無礼な言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならないと規定されています。また、豊島区議会会議規則103条で議員は議会の品位を重んじなければならないと規定されています。この規定に照らして、懲罰を科すべきであります。

日本共産党、立憲としま、無所属の会が懲罰を科すことに賛成。自民党は「議員の資格を奪い取る除名の判断を行うこともできる非常に重い委員会」公明党は「委員会自体の存在自体をやっぱり反対をしてきましたので」都民ファーストの会・民主は「委員会自体は意義があった」と思うが「懲罰という形では私たちの会派では求めない」などといって懲罰を科すべきでないと主張し、賛成少数で懲罰を科することを否決したのであります。

次に、委員会で、くつざわ議員、自民党、公明党が何度も発言していた政治活動における名前入りのたすきについてであります。

私は、すでに議員協議会、正副幹事長会などで、わが党の立場を述べてきましたが、「日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求める決議」についても取り上げていましたのでここで合わせて改めて表明します。

 さる 7月14日の第二回定例区議会の最終日、公明党豊島区義団3名による提案で、不当にも「日本共産党豊島区議団に対し、猛省と謝罪を求める決議」なるものが、わが党と立憲としまを除く、自民、公明、都民ファーストの会・民主、無所属の会などの多数で可決され、8月21日発行の「としま区議会だより」にも掲載されました。

 この決議は、選挙期間中でもない5月16日時点で「日本共産党所属の東京都議会議議員候補者」と表記し、行為の当事者でない日本共産党豊島区議団に対し猛省と謝罪を求めるという、およそ筋が通らない決議となっています。

 わが党区議団は、この決議について議決にあたって除斥され、討論もできない中で議決されたものであります。

同時にこの決議は、そうした問題にとどまらない重大な問題を持っているので、ここで改めて、決議に対するわが党の見解を表明するものであります。

まず第一に、「(タスキ着用が違法かどうかは)最終的には司法において判断」という豊島区選挙管理委員会の答弁があります。これに照らして、議会の決議で「違法行為」と断定することは、議会として越権行為にほかなりません。

国会の審議では、「タスキなどの政治活動が違法かどうかは総合的に勘案して実態的に判断し」「最終的には司法の判断」となっております。

平成28年3月18日の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する小委員会で、タスキ着用は総務省や警察庁は公選法の関係で一律禁止とみなさず、総合的に勘案して実態的判断する、ということが明らかにされています。委員会で本村賢太郎(民主党・当時)が「名前が入ったタスキなどの政治活動は違反になるのか」という質問に対し、総務省の参考人は「その具体の事情を見まして、態様、すなわち時期、場所、方法、数量、対象などにつきまして総合的に勘案して実態的判断していく。最終的には司法の判断と言うことになると思っております…一般論として申し上げますと…公職選挙法第143条16項に列挙されているもの以外は掲示することができない」と回答。警察庁の参考人は「個別の行為が違反するか否かについては、具体の事実に即して判断する……一律的に違反になるとかならないとかいうことを申し上げることは難しい」と述べております。

豊島区選管も、くつざわ議員の「選挙期間外のタスキ使用による選挙違反について」の一般質問に対して「最終的には司法において判断」と答弁しております。

国会でも「最終的には司法の判断」「一律的に違反となるとかならないとか申し上げることは難しい」、区選管も「最終的には司法の判断」としていることを、議会の決議で「この行為は公職選挙法143条第16項において認められない禁止行為である」と断定することは司法に成り代わった行為であり、議会の役割を逸脱するものにほかなりません。

しかも、行為の直接の当事者でない日本共産党区議団に「猛省と謝罪を」求めることは、まったくの筋違いであります。

第二に、東京都選挙管理委員会の通達は公職選挙法違反行為として「個人の政治活動のための」と特定しており、「政党の政治活動のためのタスキ着用」については、外れているのであります。

公明党などは、東京都選挙管理委員会の通達に照らして「タスキ着用は違法」であり、そのルールに従わないのが問題だという論についてです。

 東京都選挙管理委員会の通達は「公職の候補者等が、個人の政治活動のために上記の掲示できる文書図画以外のものを掲示すること(例:公職の候補者等の氏名等を記載した『たすき』の着用や、街頭演説の際に公職の候補者等の氏名等を記載した看板やノボリ等を掲示することなど)はできません。」となっております。

5・16街頭演説は個人の主催ではなく、「日本共産党街頭演説」と明記しており、「政党としての政治活動のためのタスキ」「弁士の垂れ幕」であり、都選管の通達の「個人の政治活動」ではなく、街頭演説の行為は、都選管の通達の「ルール」を逸脱するものではありません。

最後になりますが、わが党は、日本国憲法に保障された政治活動の自由を守り、「選挙運動規制を撤廃し、自由な選挙の実現」のため、市民と共同を強めてまいります。そのたたかいを、広範な人々ともにすすめる決意であります。

あらためて申し上げます。豊島区の品位と秩序を取り戻すために「くつざわ享治議員に対する懲罰の件」については、懲罰を科すことを可決されることを求め私の討論を終わるものです。ご清聴、ありがとうございました。

関連タグ:なし