私は日本共産党豊島区議団を代表して、「平和とくらし、大切にする区政を」と題し、
1.区長の政治姿勢、政治倫理について
2.物価高騰から区民のくらしを守るために
3.子育て支援策について
4.香害について
一般質問いたします。区長の明快な答弁を求めます。
それでは第一の質問、区長の政治姿勢、政治倫理についてです。
まず区長の政治姿勢について2点伺います。ひとつめは平和についてです。
いよいよ参議院選挙が目前に迫ってきました。今度の選挙は、平和とくらしがかかった歴史的な選挙になります。
国連憲章を真っ向からふみにじったロシアのウクライナ侵略。戦争か、平和か、いま日本の進路が問われています。いま大事なのは、国際世論によるロシア包囲です。国連では加盟国の圧倒的多数の140ヵ国以上がロシアの侵略に対する非難決議に賛成しています。この流れをさらに広げることこそ侵略をとめる最大の力です。
その一方で、バイデン大統領は「民主主義対専制主義のたたかい」、岸田首相は「価値観を共有するG7主導の秩序の回復」といいます。しかしいま大切なのは、あれこれの「価値観」で世界を二分することではありません。「ロシアは侵略やめよ」「国連憲章まもれ」の一点で、全世界が団結することです。
いま自民党は、「敵基地攻撃」「9条捨てろ」と叫び、相手国の「指揮統制機能等」まで攻撃する能力の「保有」を言いだしました。「相手に脅威を与える攻撃型兵器はもてない」という政府のこれまでの憲法解釈を180度くつがえし、「専守防衛」を投げ捨てる、こんな危険な道に日本を引き込むことには絶対反対です。
また自民党は5年以内に軍事費を2倍の11兆円以上にすることを選挙公約にし、岸田首相は日米首脳会談で軍事費の「相当な増額」を表明しました。「軍事対軍事」の悪循環をエスカレートさせる、戦争する国づくりは許せません。
さらに自民党は危機に乗じて憲法改定が必要と言っています。しかし変えるべきは憲法ではありません。今こそ憲法を守り、生かした外交努力をすることが極めて重要です。
憲法99条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めています。公務にたずさわる人のすべてが、国に法秩序の最高規範である憲法のしめすところにしたがって、偏りや誤りのないように政治や行政を遂行する義務を、主権者である国民にたいして負っていることをあらためて確認している規定です。ですから、仮に改憲の立場に立つ政治家であっても、行政や立法にたずさわるときには「憲法尊重擁護義務」が重くあるということです。
そこで質問です。区長は憲法を順守する立場にあるのですから、憲法違反の「敵基地攻撃」、「憲法改定」についてきっぱり反対の意思を表明すべきです。いかがですか、明確に答弁ください。
二つ目は「核兵器」についてです。ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略に際し、核兵器の威嚇に出ていることは、世界に大きな衝撃を与えています。さらに「核には核」という危険な議論が横行しています。岸田首相は「核抑止がいよいよ大切」と発言しました。しかし、「核抑止」とは「いざとなったら核を使う」が前提です。
いざとなったら広島・長崎の非人道的な惨禍を繰り返すこともためらわないという議論なのです。唯一の戦争被爆国の首相として恥ずべき態度ではないでしょうか。
日本維新の会は「核兵器の共有」を参院選の公約としています。こんな主張を唱えることは、被爆国の政党として失格です。核抑止論から脱却し、核兵器の威嚇も否定する、核兵器禁止条約に参加し、核廃絶の先頭に立つ、これこそ日本の進むべき道です。
豊島区は1982年7月、23区で初めて「非核都市宣言」を行ないました。わが党は2020年第4回定例会の一般質問で「非核都市宣言」を最初に行った区として、核兵器禁止条約の署名、批准を政府に強く求めるべきと質したところ、区長は「今後の動向を注視してまいりたい」と明確に答弁しませんでした。この間、世界情勢は大きく動きました。
そこで質問です。今年2022年3月2日、区長は区議会議長と連名でプーチン大統領あてに「核兵器の使用を示唆するようなプーチン大統領の一連の行為に対する抗議文」を送っています。プーチン大統領の行為は「いざとなったら核を使う」という「核抑止」論に他なりません。プーチン大統領と岸田首相の核兵器によって力で抑えるという「核抑止」という考え方はすでに破綻し、間違っていると考えますが、区長の見解を伺います。
区長は今からでも核兵器禁止条約に参加するよう、国に強く求めるべきです。答弁下さい。
次に区長の政治倫理について2点、質問します。
ひとつめは政治資金規正法違反の問題についてです。この問題は、自民党の堀宏道元都議会議員が2021年6月に開いた政治資金パーティーに際し、区の部長職に対して、その地位を利用してパーティー券を配布するよう求め、自民党豊島区議団の松下創一郎前議員、竹下ひろみ前議員が政治資金規正法違反で3月30日に、それぞれ罰金20万円、公民権停止1年の略式命令を受けたものです。松下創一郎、竹下ひろみ前両議員は、第1回定例会が終了した翌日、3月24日に突然辞職。豊島区議会として正副幹事長会で協議をし、5月1日付区議会だよりにもあるように「真相究明をおこない、自民党に対し自ら事実を明らかにし、再発防止策を求めています」が、いまだ協議中です。区職員2名も罰金10万円、公民権停止1年の略式命令を受けており、自民党の責任は重大です。この事件の根深さを示しているのは、マスコミ報道されている「20年前から行われていた」「長年の慣例だった」ということです。
日本共産党は、現状の政治資金パーティーは、企業・団体献金禁止の抜け穴になっていることから、政治資金パーティーの参加費も含めて、あらゆる企業・団体献金を禁止すべきと主張してきました。
区長は招集挨拶でこの事件について「私の在任期間の中で最も厳しい不祥事」としたうえで、5月25日の議員協議会で「すべてを明らかにした調査報告書をお示し」したと述べました。報告書では、過去における違法行為について一部の部長へのヒアリングを行い、「過去に同様の案内状が配布されたことがあったものと推定」れるも、「明確に記憶しているものはおらず、結果として(中略)違法行為があったか否かについて確認することはできなかった」としています。しかしこの報告書は調査対象が部課長職のみで、区長、副区長などの特別職は対象外です。これではすべて明らかになったとは言えず、区民の疑念は払しょくできません。
そこで質問です。区長は今回の政治資金パーティ券購入の勧誘を職員同様に受けたのですか。受けたのであれば、どのような形で勧誘されたのか、実際にパーティ券を購入したのかどうか、まず明確にお答えください。
次にマスコミ報道にあった「20年前から行われていた」「長年の慣例」ということについて伺います。区の調査報告書では「過去に同様の案内状が配布されたことがあったものと推定」とあります。では区政のトップである区長は過去にも政治資金パーティ券購入の勧誘を受けていたのですか。また区長は職員に対して政治資金パーティ券購入の勧誘がされていたことを知っていたのですか。お答えください。
さらに区長は区長になる前の10年間、自民党の都議会議員でした。区長は都議会議員時代に自ら政治資金パーティを開いたことありますか。開いたのであれば、当時の自民党区議団を通じて、区職員に購入を働きかけたことがあるのかどうか、お答えください。
政治倫理のふたつめは区長自身の問題についてです。5月24日発行の写真週刊誌に、区長と指定暴力団関係者との握手2ショット写真と関連記事が掲載されました。わが党区議団へも区民から「あの記事は本当なのか」「豊島区は大丈夫なのか」などの怒りの声が何件も届いています。この報道について本定例会、招集挨拶の最後に「一緒に写っていた人物とは、一切、交流、交際はありません。重ねて皆さんから誤解を招くことがないよう、しっかりと脇を締めてまいります」と述べましたが、それだけでは区民の疑惑を払拭することはできません。
そこで質問です。まずこのような疑惑が持たれること自体、区長としてあってはならないことです。そのことに対して区長はどのように考えているのかお聞かせください。
改めて、一体なぜこのようなことになったのか、写真の人物が暴力団関係者と知っていたのか、なぜ一緒に写真を撮ったのか、お答えください。
次に大きなふたつ目の質問。物価高騰から区民のくらしを守るために、3点、質問します。
急激な物価高がくらしを直撃し、価格転嫁ができない中小業者は破たん寸前、いま区民から大きな悲鳴があがっています。
4月の消費者物価指数は前年同月比で、都市ガス27.6%、電気25.8%、生鮮魚介16.3%、果物17.6%のアップ。原因は、「新型コロナ」「ウクライナ侵略」だけではありません。「異次元の金融緩和」による「異常円安」が大きな原因です。アベノミクスが招いた大失政です。
その一方で働く人の賃金は、1996年から2021年の間にマイナス61万円。高齢者の年金は下がり続け、若い世代には高すぎる教育費など、すべての世代で負担が増え続けています。
日本共産党は、自己責任を強いる弱肉強食の新自由主義を終わらせて「冷たく弱い経済」から「やさしく強い経済」への転換を提案しています。
わが党区議団は5月30日、区長に対し「物価高騰から区民のくらしと営業を守る緊急申し入れ」を行いました。そのなかで補正予算の編成にあたって、地方創生臨時交付金の活用にとどまらず区独自の財源対策を行うよう求めたところです。
一つ目は消費税についてです。消費税は所得が少ない人ほど負担が重くなる逆進性の強い税制です。いま、区民はコロナ禍と物価高騰で困窮しています。コロナ禍でも世界の85の国・地域で消費税減税が行われています。消費税減税すればすべての品目で値下げができ、区民にとって、一番の経済対策となります。
また緊急申し入れでも指摘しましたが、インボイス制度は、フリーランスや個人事業主に大打撃となり、シルバー人材センターにも影響が出ます。センターの働き手である会員はもともと少ない収入の上に課税されれば働く人はいなくなり、会員の代わりにセンターが新たな税負担となれば経営が立ち行かず、シルバー人材センターの死活問題です。インボイス制度は消費税を5%にすれば必要なくなります。
日本共産党は5月30日、「消費税減税・インボイス中止法案」を参議院に提出しました。
これまでわが党は繰り返し区長に「消費税引き下げを国に求めるよう」要求してきました。しかし区長は「国に求める考えはない」と背を向けてきたのです。いま地域を歩けば、高齢者からは「いつも買っていたお惣菜が倍近くの値上げでもう手が出ません」「食事は1日1食でがまんしている」と言う声、商店街の花屋さんは「原材料のすべてが値上げでこのままではもたない。消費税減税が一番の対策だ」などの声が上がっています。
そこで質問です。区民の声を東京都や国に届けるのが区長の役割です。区長はこうした区民の声にどのように応えるのですか。急激な物価高から区民生活を守るため、消費税を緊急に5%に減税する、インボイスは中止するのが一番の対策ではないですか。いかがですか。
つぎに公衆浴場への支援についてです.
本定例会上程の補正予算には、公衆浴場への燃料費助成経費855万円が計上、1軒当たり5万円の上乗せです。第1回定例会のわが党の一般質問、今回の申入れでも求めたもので評価いたしますが、まだまだ足りません。区内の公衆浴場はとうとう15軒になり、近くに銭湯がないという地域もさらに広がっています。
また東京都は銭湯の料金を2021年7月に10円値上げ。6月4日付け毎日新聞では、さらに今夏から20円の値上げでとうとう500円になると報道。2年連続の値上げです。これでは気軽に銭湯に行くということにはなりません。
そこで質問です。単なる燃料費の補助だけでは、公衆浴場は経営を存続できません。これ以上減らないために、豊島区として区内公衆浴場に対して抜本的な支援が必要です。答弁を求めます。
また利用者にとって500円は重い負担になります。利用回数を減らすしかないという声も出ています。そこで質問です。生活保護世帯の入浴券を増やすこと。おったしゃカードについては、かねてより要望が高いのですから近隣区でも使えるようすべきです。答弁を求めます。
つぎに高齢者への支援についてです。
相次ぐ水光熱費、食料品の高騰は高齢者ほど影響が大きくなります。これだけ物価が上がっているのに6月から年金切り下げが行われます。現役世代の賃金が下がった結果、年金も下がる制度の仕組みで現役世代も年金世代も苦しんでいます。
さらに後期高齢者医療保険制度も10月~窓口負担が1割から2割負担が導入されれば、約5700人の区民に影響が出ます。窓口負担が2倍化されれば受診控えが起こり重症化してからの受診となれば、命に関わる大問題です。
日本共産党は6月7日、「高齢者医療費2倍化中止法案」を参議院に提出しました。
区内に住むAさんは今月6月に75歳なります。年金額改定通知書が届きましたが、支給額が年間1万円も下がったとのこと。さらに75歳になれば後期高齢者なり、医療費の窓口負担が2割から1割になると喜んでいたのに、10月から後期高齢者も2割負担なると聞き驚いています。Aさんは「物価が上がり続けているのに年金は下がる。そのうえ医療費が2倍になれば高齢者は生きていけなくなる」と怒りがおさまりません。
そこで質問です。区長は高齢者が置かれている厳しい現状をどのように認識しているのですか。そして区として国に年金制度の見直し、後期高齢者医療制度の窓口負担2倍化の中止を求めるとともに、当面、区独自の支援策を行うべきです。いかがですか。
次に大きな三つ目の質問、子育て支援策について、2点質問します。 私は議員になって以来、お金の心配なく安心して子育てができ、学び、住み続けられる豊島区にと、給食費無償化、子どもの医療費18歳までの無償化、就学援助の拡充など、子育て支援策を取り上げ続けてきました。急激な物価高により子育て世代はより深刻な影響を受けています。賃金は上がらないのに消費税や社会保険料は上がり続け、物価も高騰、加えて教育費は子どもの成長とともに増え、大学の学費は世界でも異常な高さです。子育てにお金がかかりすぎです。
子育て支援策の一つ目は給食費についてです。義務教育は無償が原則です。私はこれまで無償化を求めてきました。しかし区は学校給食法の負担の原則や、経済的に苦しい家庭には就学援助、コロナによる家計急変にも対応していると繰り返しています。しかし「おかわりできるのは給食だけ」「給食で栄養バランスを取っている」など現状は深刻です。
6月3日、わが党、山添拓参院議員は参院予算員会で岸田首相に「子どもの給食費無償化は4400億円かかるので難しいと言うが、軍事費2倍化で5兆円出せるのに、そのお金を子どもたちのために、将来のために使えないのか」と厳しく質しました。
そこで質問です。コロナ禍に加えて物価高騰はまだ続くと見込まれ、子育て世代の負担は限界です。特に負担の重い給食費の無償化は待ったなしです。給食費無償化を国に強く求めるとともに、当面、区として独自に踏み切るべきです。いかがですか。
文京区、江東区では第2回定例会の補正予算で、食材費高騰分の給食費補助を計上しています。豊島区では現在、食用油が高騰から揚げ物を減らすなどの工夫で何とか値上げせずに済んでいると聞きました。しかし物価高騰がこの先も続くとなれば、値上げ、質の低下は絶対にしないようにすべきです。また保護者負担を軽減するよう区として思い切った財政支援が必要です。いかがですか、答弁ください。
次に子どもの医療費18歳までの無償化についてです。
東京都が2023年度から子ども医療費助成の対象を18歳まで拡大するためのシステム経費を今年度予算に計上したのは、大きな前進です。しかし所得制限と窓口負担があること、費用負担が制度開始3年目までは都が全額負担、4年目以降は区が費用の2分の1を負担するなど、まだまだ不十分です。5月16日の区長会で都が協議を提案するも反発が強く、まだ協議がまとまっていないということです。
そこで質問です。区は東京都に対して、2023年4月から、所得制限、自己負担なく、確実に制度が開始できるよう、強く求めるべきです。いかがですか。
また豊島区独自で子どもの医療費を、所得制限なく入院給食費も含めて、高校生まで無償化するのに必要なのは約1億5000万円です。ただちに踏み出すべきです。 答弁ください。
次に大きな四つ目の質問、香りの害、香害についてです。
「香害」とは、柔軟剤や合成洗剤、芳香剤、制汗スプレーなどに含まれる合成香料に起因し、頭痛やアレルギーなどの症状が誘発される、化学物質過敏症の一種です。症状は多岐に渡り、場合によっては転居や転職・退職に追い込まれることもあります。
わが党、高橋千鶴子衆院議員は、国会で何度も化学物質過敏症の問題を取り上げ、今年2月の衆院予算委員会分科会で「一日も早く標準医療に位置づけを」と迫りました。しかし国は「発症メカニズムが未解明」「診断基準や治療法は存在しない」など、これまで通りの答弁に終始、対応に背を向け続けています。
2021年、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省が連名で「その香り 困っている人がいるかも?」という啓発ポスターが作られました。当事者、市民団体などの運動の成果で一歩前進ですが、「香りの強さの感じ方には個人差があります」とあくまで自己責任で、健康被害とは認めていない内容となっています。
私の元には「近所の洗濯物の匂いで窓も開けらず換気もできない」「外出ができない」「人との交流は電話だけ」「電車の中で誰かの柔軟剤の匂いで喘息の発作が出る」などの声と共に「何よりつらいのが神経質、わがまま、怠けているだけという周囲の無理解です」という悲痛な声も寄せられています。
そこで質問です。これまで区民から香りに関わるどんな相談が、どの窓口にどれくらい、寄せられ、区はどのような対応をしていますか。お答えください。
また、区のHPを見ると「香害」に関する記載はありません。世田谷区、大田区、小金井市などはHPで「香害」についてのページを設け、啓発ポスターなども作成しています。
そこで質問です。豊島区でもHPへの掲載、啓発ポスターやリーフレットなどを作成し、広く区民に「香害」の啓発を行うべきと考えます。いかがですか。
職員への啓発、教育も重要です。2016年策定の「豊島区障がい者差別解消法職員対応マニュアル」に香害、化学物質過敏症に対する記載はありません。当事者は「香害」による症状が、いつどこで出るか予測もつかない状態です。
そこで質問です。区役所のどの窓口でも「合理的配慮」ができるよう、マニュアルへの掲載や職員教育を今後どのように進めていくのか、お答えください。
また教育現場でも、共用する給食エプロンの柔軟剤の匂いや部活の時の制汗スプレーで体調が悪くなったなどの声もきかれます。教育現場での「香害」、香りに関わる相談件数と対応内容についてお答えください。あわせて教職員、児童生徒、保護者への周知、啓発が重要と考えますが、いかがですか、答弁ください。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。