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第2回定例会/最終本会議討論 渡辺くみ子「昭和歴史文化記念館条例について」
2022.07.15

第40号議案「豊島区立昭和歴史文化記念館条例」反対討論      渡邊くみ子

 私は日本共産党豊島区議団を代表し、只今上程されております第40号議案「豊島区立昭和歴史文化記念館条例」の可決に反対の立場から討論を行います。
 この条例は「豊島区立昭和歴史文化記念館」を開設するにあたり、施設の設置及び管理について必要な事項を定めるために条例を制定するとし提案されたものです。 
2021年9月、区は初めて新たな文化施設の整備として南長崎3丁目にある「味楽百貨店を借り上げることを表明、今回「豊島区立昭和歴史文化記念館」とするものです。
 この条例案の反対の第一は、地域住民不在で進めていることです。
 本条例案の第一条、目的では「昭和の歴史・文化を次世代に継承するとともに、地域文化の発展、および地域の活性化に寄与すること」としています。
 私共はこのような豊島区の歴史の存続自体を否定するものではありません。
 しかし、地域の住民ときちんと話し合いをしてきたか、共に話し合いをしながら進めてきたかということです。
 委員会審査でも指摘したように、私が地域訪問をして何人かの方と話しましたが、今回の計画は知らなかったといわれました。区は「地域の説明会はやっていない」「工事に伴い近隣には建物を整備する予定とお知らせしている」「直近の皆様には図面を1枚1枚、1軒1軒・・配り、ご挨拶にも回った」と答弁がありました。また「昨年の10月トキワ荘協議会で説明」「まちの方々も投げかけていただいたりはしている」との答弁でした。
 しかし先ほども言いましたが、地域住民との懇談会や説明会は全く開催せず、この計画自体を知らない地域充住民が多いことは委員会でも指摘した通りです。さらに委員会では、他会派の二人の議員の方からも、「何ができるのかと聞かれる。周知を」「チラシを配るだけでなく説明会をやることが重要」等の指摘がなされました。
 地域住民を対象にした説明会は全く開かず、工事説明は直近の方々のみに行うなどとは言語道断。これでは地域住民との連携とは言えません。
 本来、地域の活性化というのなら、今、地域で何が必要か等、懇談会、意見交換会など住民参加で進めるべきであります。
 パブリックコメントは実施していますが、これは区全体を対象としたものです。しかしその中でも野菜を売る事業者があれば利用したい等、日常の生活改善を求める声が上がっています。南長崎地域からも生鮮三品、特に野菜をぜひ取り扱ってほしいとの声が寄せられています。
 当該地は一方通行の狭い道路です。これまでは日常の生活道路としてにぎわっていたことは容易に想像できます。しかし現在はシャッター通りとなっています。地域の活性化というのであれば、何が地域に必要なのか、どういう街づくりを住民が求めているのか、住み続けられるために何が必要なのか等、当然、地域で十分話し合うことが求められます。
 ところが今回の進め方は、施設建設の説明すら不十分で、まさに、区が一方的に進めてきたのであります。直ちに住民参加で検討しなおすべきです。

 反対の第二の理由はコロナ禍の下での多額の税金投入についてです。
 今回、味楽百貨店の賃借料だけで、年間1296万6千円。さらに今議会で可決された補正予算では人件費を含む管理運営委託料が出され、賃借料と合わせれば年間約2700万円となっています。
 わが党は、この間、決算、予算討議で指摘してきましたが、コロナ禍、特に今、物価の急高騰で区民の生活は本当に厳しくなっている実態がある下で、不要不急のものは計画、予算を見直すことを指摘してきました。
 2022年度は昭和歴史文化記念館、味楽百貨店の改築経費等は1億2100万円余が予算化されており、さらに先ほど指摘した通り、年間賃借料や管理運営委託料は今の計算では2700万円が投入される計画です。 
 南長崎の街づくりで言えば、トキワ荘マンガミュージアムだけでも年間2億円余の運営費。一般財源は1億3000万円をかけています。南長崎関係のトキワ荘マンガミュージアム、トキワ荘通りお休み処、マンガ・アニメなどを活用した観光事業、長崎マンガランド事業、全部合わせると2億5400万円。一般財源だけで1億8700万円近くになります。コロナ禍のもと、最優先すべきは区民生活であります。

 私どもは、古き良き昭和の歴史・文化を次世代に継承することなど、歴史や文化、街の活性化を否定するものではありません。
 しかし、今回のように、近隣住民が置き去りにされるような進め方は大問題です。
近隣住民に親しまれる施設を造るというのなら、単に説明会ではなく、十分に住民とともに検討することが必要です。それらをせず「計画が決まれば、工事をする」ではあまりにも住民無視です。このような街づくりのやり方は問題があります。
 また、コロナ禍、特に第7波と言われている今、行政の最優先課題は区民のいのちと暮らしを守ることです。
 この立場から今回の第40号議案「豊島区立昭和歴史文化記念館条例」の可決には反対するものです。                                   以上

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