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一般質問
第4回定例会/一般質問 小林ひろみ 「医療、介護、保育などケアに手厚い豊島区政に」
2022.11.24

 私は日本共産党豊島区議団を代表して「医療、介護、保育などケアに手厚い豊島区政に」と題し次の3点について質問します。

1.医療と介護について 2 .保育施策について 3.まちづくりについてであります。

22日にわが党清水みちこ議員が一般質問で、決算特別委員会の審査を通じて、豊島区はやるべきことをやっていないことを指摘し、多額のお金を貯めこんできた問題、今後100周年を目指しての問題などを追及しました。私は、コロナ禍のなか、医療、介護、保育などケア労働の現場で働くみなさんが果たしているかけがえのない役割と、これまでの日本の医療・福祉・公衆衛生の体制がいかに脆弱なものであったか、痛感してきました。社会保障の弱体化を引き起こすおおもとにあるのは、歴代自公政権がとってきた新自由主義で、公的な責任を放棄し、社会保障を削減する路線です。日本共産党はコロナ危機を克服し、ケアに手厚い社会をつくることを提案しています。

●第一に、医療と介護について伺います。

新型コロナウィルス感染症の第8波が始まっているといわれてます。この間の経験を生かして区民の命と暮らしを守ることは自治体の役割です。決算特別委員会で指摘したように豊島区はコロナ対策総額137億円のうち、全額国庫負担のワクチン接種など国や都の財源が多く、区の一般会計の支出はわずか6億円でした。今回の招集挨拶でも、新型コロナ対策はワクチンのことしかありませんでした。

夏の第七波では、またもや医療ひっ迫となり、救急車を呼んでも来ない、入院したくてもできない、介護を受けていた人が介護を受けられなくなる事態が続きました。発熱外来がパンクし検査さえ受けられない人も続出したのです。国がPCR検査の報酬を引き下げたことも問題です。

そこで、質問します。検査体制について東京都まかせにせず、豊島区独自の無料のPCR検査所の設置、さらには自主検査でも精度の高い検査が行えるよう希望する区民に対してPCR検査のキットを無料配布することを求めますがいかがですか。発熱外来の整備や相談体制においては、特に土日祭日が逼迫していましたが、対策はなされているのか、さらには往診や訪問看護、これらの強化について、現時点での状況をお聞かせください。

次に、感染症対策の要である保健所の体制について伺います。この間、わが党は、保健所を増やすことや保健師の増員を求めてきました。また第三回定例会では、渡辺議員が看護師の増員も求めましたが、区は「様々なニーズにこたえるため中長期的な視点をもって保健師等の専門職を計画的に採用し、保健所機能の向上に努める」と抽象的な答弁に終始しています。児童相談所に配置予定の職員のうち看護師1名は現在コロナ対応のため保健所に所属しており、2月からの児相開設時には児童相談所に戻すとききましたが、その場限りの職員のやりくりだとしたら、コロナ危機を乗り越えることもまた子どもを守ることもできません。

そこであらためて伺います。豊島区として保健所の機能充実のため、医師、保健師、看護師といった専門職をいつまでにどのくらい増やす計画か、お答えください。全国でも保健所職員の激務について報道されています。豊島区でもこの間の保健所職員の残業が多く、このまま土日休日の体制を整えることには無理があります。土日休日の強化のためには、正規の専門職を増やすしかありません。本気の対策を求めます。

三つ目は新型コロナ感染症拡大の中での介護について二点質問します。

一点目は豊島区独自の介護サービスについてです。高齢者がコロナ感染・または濃厚接触者となるとデイサービスが利用できませんし、介護をする側も、感染対策を一層強化する必要があります。

Aさんは90歳、要介護1、一人暮らしです。8月コロナに感染しましたが軽症のため、入院はできませんでした。これまで介護保険のヘルパーだけでなく、70代の友人が食事作りにきて、話し相手や見守りも含め支援していましたが、ヘルパーはことわられ、友人も訪問をやめました。結局、ケアマネが、弁当をもっていくなどして、見守りを続けたのです。これらはすべてボランティアでした。今月になってあるケアマネから「要介護3でおむつの交換が必要な男性がコロナになったが、ヘルパーに断られて困っている。かかりつけ医にも相談しているが、入院は難しい」との話を聞きました。

新宿区では、昨年12月から「在宅要介護者等への新型コロナウィルス感染症緊急生活支援事業」で在宅で介護を要する高齢者が新型コロナ陽性で自宅療養となったり、濃厚接触者となった場合に、対応したヘルパーやケアマネなどに協力金を出しています。現在国のコロナ対応事業は、ケアマネは対象でなかったり、コロナ関係の報酬加算のように利用者の負担になるものばかり、さらには、今年2月に始まった国庫補助での「介護職員処遇改善支援補助金」は10月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」となり利用者負担が増える制度になりました。

新宿区では、ほかにも介護保険外のサービスとして「介護者リフレッシュ支援事業」、「回復期生活支援サービス」があります。どちらも介護保険なみの負担で例えば1割負担の方は一時間300円でヘルパーを利用できるとのことです。

そこで質問します。豊島区では、介護保険外のいわゆる横出し上乗せ事業はなく、鳴り物入りで検討した混合介護モデル事業は、現在「選択的介護普及事業」となっており、利用者や事業所への補助ではなく研修とパンフレットだけです。コロナ対策もPCR検査補助はやっていますが、まだ不十分です。あいつぐ介護保険改悪に加え、コロナの中、介護を受けられず、取り残される高齢者がでないよう、また献身的に高齢者を支えている介護の事業所への支援として、豊島区も新宿区のような介護保険外の事業を実施すべきです。いかがですか。

介護の二点目は介護保険制度の改悪についてです。

厚生労働省は10月31日、介護保険制度改定に向け議論している社会保障審議会の部会で、見直しの論点を正式に提示しました。利用料2割3割負担の対象拡大、要介護1、2の訪問介護などの保険給付外し、ケアプランの有料化、老健施設などの相部屋の有料化、保険料の納付年齢の引き下げと利用年齢の引き上げ、補足給付の資産要件に不動産を追加、「高所得者」の保険料引き上げ、と、利用者・家族や事業者団体の強い反対の声を押し切った内容に対し、委員からは「利用控えが生じる」「重度化を招く」などの反対意見が続出しました。

今年1月から9月の介護事業者の倒産は100件と去年の同じ時期の倍近くに上り、過去最多のペースとなっています。分析した信用調査会社は「コロナによる介護サービスの利用控えや物価の値上がりなどの影響で経営不振が続く事業者を中心にさらに相次ぐおそれがある」としています。今回の見直し内容はコロナや物価高騰で困難な中、利用者にも事業者にも、さらなる負担を押し付けるものであります。

私はこの間、要支援の「総合事業」についての問題点を何度も指摘してきました。介護報酬と比べて低い単価で事業所としても引き受けられない、加えてコロナで利用者は減る、とても事業を継続できずに介護事業所の廃業・倒産が続いているのです。また、ヘルパーも安い賃金で働くことになり、従事者不足を加速させることになります。その結果、被害を被るのは介護をうけられない利用者、区民です。

厚労省の資料では、保険料が全国平均で第1期2911円だったものが、現在の第8期6014円になり次には7200円になるとしています。これを抑えるためといって、利用者負担を増やしたり、利用制限をして給付を抑制しようとしているのは明らかです。本来、制度の持続性をというなら国庫負担の割合を大幅に引き上げるしかありません。

そこで質問します。介護を利用すれば利用者の利用料負担が増え、保険料にも跳ね返る、これが介護保険の構造的な欠陥です。2015年からは軽度者のサービスの一部を介護保険から外し、それをさらに進めようとするのが今回の見直しで、負担は区民と自治体にしわ寄せされます。そういう認識を区長はお持ちでしょうか。

そして、このような改悪に反対すべきです。さらに国に対し介護保険の公費負担を増やすよう強く求めるべきです、答弁を求めます。

●第二に保育施策について質問します。

一つ目は区立保育園民営化についてです。

株式会社による認可園の設置は2000年に解禁され、子ども・子育て支援法が施行された15年には運営費の使途が大幅に緩和されました。豊島区でも認可保育園が増えましたが、特に増えたのは株式会社が経営する保育園であり、同時に区は区立保育園を減らしてきました。

区立保育園の民営化については、今議会にも東池袋第一保育園を廃止し民営化する条例案が提案されています。議案説明の時に「現時点では最後」としていますが、この「現時点では」というところが問題です。1995年私が議員になったときに32園あった区立保育園は、四園廃止とその後の民営化によって減らされ続け、このままでは来年4月からは16園と半分になってしまいます。わが党は、この3年間の民営化については、3園民営化決定の2014年と比べて、私立保育園が100園近くに急増し、公立保育園の担う役割が重くなっていること、民営化によって保育に対する公的な責任を放棄するもの、特に株式会社については、人件費比率の低さなど、職員や子どもにかけるお金が低くなりひいては保育の質が保てない問題、民営化にあたって引継ぎ期間が短いことや説明会での保護者の不安にこたえてないことなどを指摘し、反対してまいりました。昨年今年と豊島区での私立保育園での不適切な補助金の使用も明らかになっています。

そこで質問します。

豊島区は「マイほいくえん」として公立保育園を身近な子育て拠点と位置づけてきました。コロナ禍においても保育の質を保つためにも、また、度重なる災害の発生時には福祉避難所としての機能を発揮するためにも、区立保育園の果たす役割は、ますます大きくなっています。「現時点では最後」などと言わず、これ以上の区立保育園の削減はやめるべきです。答弁ください。

 

二つ目は職員についてです。保育園の民営化の理由について、区は3歳児の定員弾力化で子どもを見る上で職員の数が足りない、指導検査、保育施設の巡回、ベテランの保育士が現場を行く機会が必要になってくる、ほかにも児童相談所関連で一時保護所には、保育士が求められている、などといっていました。しかし、現在保育士の育休取得にあたって、正規と任期付き職員では足りないとして派遣導入が検討されているときいてます。

そこで質問します。これまでの保育士採用抑制のひずみが来ているのですから、これを反省し、計画的な正規職員採用をするとともに、任期付き採用及び会計年度職員の待遇改善をすすめるべきです。いかがですか

あわせて、児童相談所関係職員について伺います。来年2月の児童相談所の開設に向けて職員採用が進められてきました。設置条例を審査した子ども文教委員会でわが党渡辺議員が指摘しましたが、職員101名のうち46名が会計年度職員とは、会計年度職員の割合が高すぎます。聞くところによると10月6日の時点で会計年度職員の採用は半分くらいとのことです。区の「専門職を会計年度任用職員で」という考え方では採用もうまくいかないのではありませんか。正規職員をふやすべきです。いかがですか。

さらに、全体的な会計年度任用職員の待遇改善について質問します。ようやく支給されるようになった期末手当がこの間減らされるばかりで増えない、長く勤めても給料が新人と同じで経験加算がないという給与制度の改善と、いい人材を長期的に確保する障害になっている四回更新限度の撤廃を強く求めます。

●第三に、まちづくりについて質問します。

高野区長は、賑わいをつくるとしてゼネコンが儲かる再開発をふくめ外から人を呼び込む街づくりを進めています。一昨日は、清水議員が池袋の再開発について財政的な面から取り上げましたが、私は、外から人を呼び込むまちづくりの観点から、イケバスについて質問します。

イケバスは、2019年9月に示された計画では、年間180万円の黒字になるとしてスタートしましたが、21年度決算でも関連経費も合わせて1億4700万円余の税金を投入しました。21年度は、大人運賃を200円から100円に値下げし、乗車人数は若干増えましたが、収支は一向に改善されません。運賃100円、一日49便の通常ダイヤで計算すると、21人乗りのイケバスに1便当り72人乗らないと収支をトントンにすることができません。

9月28日から、イケバス2台に不具合が発生し、一日49便から26便に減便。10月18日からは新たな不具合のため東西ルートは運休し、とうとう東ルート一日10便のみの運行となってしまいました。正規の運行、1日49便をいつ再開できるのか、見通しも立たない、とても 「公共交通」といえない状況です。 

加えて、イケバスの耐用年数5ないし6年が迫っています。今後もバッテリーの交換や改修経費、突然の不具合などの修繕費など、ランニングコストが増えることは避けられません。 

また、区が実施すると言っている「評価委員会」はこれまで一度も開催されていません。にもかかわらず、「イケバスは走っているだけで街の価値を高める」との答弁を繰り返していますが、これでは区民の理解は得られません。区民が欲しいのは、「街の価値」ではなく、日常生活である通院や買い物、お風呂に行く、生活するために必要な交通機関、コミュニティバスなのです。

そこで質問します。

まず、なぜ「評価委員会」は一回も開かれないのでしょうか。答弁ください。

一日10便しか走らない、いつ通常運転できるかわからない、このような状況になったのは、区長がイケバス事業を強引に進めてきたからです。客を乗せないガラガラのイケバスをコロナの中、休み休み走らせたら、わずか3年で不具合が生じているのです。これからもし客が満杯になって定期運行したらこれまで以上にイケバスを酷使することになります。黒字になるような運行は無理なのではありませんか。きっぱりやめるべきです。そして今こそ、コミュニティバスの導入を真剣に検討すべきです。答弁ください。

今年7月に再開発組合が設立された東池袋1丁目地区市街地再開発事業では、「建物内に豊島区が運行する『イケバス』の運行拠点(待機・充電スペース等)を整備し、駅周辺の観光資源をつなぐバスネットワークを形成する」ことになっています。2020年9月の副都心委員会で報告があったとき、儀武議員が質問し、「(待機・充電スペースは)基本的にスペースを提供してもらうとのことで区の持ち出しはない」「水光熱費とか最低限はあるが」との答弁でした。イケバスに合わせて街づくりを進めるとさらにお金がかかることになりかねません。東池袋一丁目市街地再開発事業について、イケバスのために豊島区はお金を出さない、と明言すべきです。答弁ください。 以上で質問をおわります。

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