私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、4陳情第24号、「政治と宗教の関係を適正化するための陳情」について、議会運営委員会の審査報告どおり、不採択とすることに反対し、直ちに採択することを求めて討論を行います。
この陳情は「旧統一教会やその関連団体から選挙の支援を受けたり、団体のイベントへ出席する等の関係がなかったか調査し、区民に公表・説明し、今後の対応を明らかにすること」を求めたものです。
統一協会は、正体を隠した「伝道」活動、霊感商法や高額献金、当事者の意思を無視した集団結婚など、数々の反社会的行為を行い、そのいずれに対しても違法との判決が確定している団体です。
いま自民党議員と統一協会との底知れぬ癒着が問題となっていますが、その「頂点」にいたのが安倍元首相です。その背景には、安倍氏の父・安倍晋太郎元外相、祖父・岸信介元首相にさかのぼる「安倍3代」の統一協会との深い結びつきがあります。
岸元首相は、統一協会と表裏一体の「国際勝共連合」を1968年に日本に導入した際の発起人の一人です。統一協会と国際勝共連合は、岸氏が主唱した「自主憲法制定」運動を支援し、草の根で革新自治体の転覆に狂奔しました。
安倍元首相の父である安倍元外相も統一協会と関係があり、1973~75年の3回、国際勝共連合の機関紙に名刺広告を出しています。
統一協会問題でいま一番大事なのは、政治家との癒着の実態の徹底解明、まず真相の究明です。日本共産党は、自民党、政府としての責任をもった調査や、行政がゆがめられた疑惑の調査、安倍元首相との癒着の調査、半世紀にわたる癒着の調査の五つを提起しました。洗いざらいうみを出し切る真相の究明がこの問題の最優先の課題です。統一協会の被害を抑えるためにも、解散命令の請求を行うのが一番有効です。
本区でも、統一協会の関連団体である『世界平和女性連合全国役員会総会懇親会会費』1万5千円が平成26年度3月分の議長交際費で支出されていることが、資料で明らかになりました。私が、当時の議長、副議長は誰か、誰が出席したのか」と質問すると、区は「議長が、本橋ひろたか、副議長は中島義春でした。誰が出席したかは、記録が残っておらず、詳細は不明」と答弁しました。
私は、記録がないなら、本人に確認が必要なので、当該会派に確認を求めたところ、都民ファーストの会・民主の河原幹事長は、本橋氏本人に確認する意向を示し、公明党の西山副幹事長は、調査を「受け入れることはできない」と答えました。
豊島区議会の議長交際費から統一協会関連団体へ支出については、区民の疑惑に応えるためにも、その真相を究明しなければなりません。
また、平成25年度から28年度の議長交際費執行状況が委員会開催直前に区議会ホームページから削除されていました。 私は「誰が、いつ削除したのか」とただしたところ、区は「保存期間が5年なので、職員が機械的、事務的に削除した」と答弁しました。
今、議員や行政が旧統一教会や関連団体との関係性があるのか、国民全体が注視している、このタイミングで、ホームページから削除することは、区民から「隠ぺいだ」と言われても仕方がない、と指摘すると、区は、先ほどと同様な答弁を繰り返すのみでした。
9月8日の広報編集委員会では、区議会ホームページにおける情報の掲載期間について議論されました。その中で、結論が出ないので「持ち帰り」となっています。広報編集委員会は、正副幹事長会の下命の下で開催、そこで決まったことを報告・承認を得なければなりません。次回の広報編集委員会11月10日で再度議論することになっていました。そこで、結論を得て、幹事長会に報告・承認を得て、初めて削除するのが事務手続きであります。その手続きを得ないで、職員が機械的、事務的に削除することは、許されません。改めて、議会情報の掲載期間について、広報編集委員会、正副幹事会で議論し、確認が必要です。
10月20日の正副幹事長会で、議長から「不適切な削除であった」と謝罪があり、区からは「事務局としても反省をしている」「申し訳ございません。」と謝罪がありましたが、区民の疑惑を招くようなことをやってはなりません。
委員会審査での陳情の取り扱いについて、公明党、都民ファーストの会・民主、自民党は陳情の件名と要旨が違うなどと言って「不採択」を主張。無所属の会は「継続審査」を主張し、継続が否決されると退席しました。
私は「陳情の件名は、憲法に照らしてどうなのか、憲法論議を求めるものと誤解を招きかねないものだが、要旨は明確です。旧統一教会と関連団体との何らかの接点があるのか、ないかを確認し、区民に説明と今後の方向性を求めるものである」ので採択を主張しました。
よって、4陳情第24号、政治と宗教の適正化をするための陳情は、不採択とせず、直ちに採択を求めるものであります。
尚、統一協会関連団体への議長交際から支出については、今後は正副幹事長会で議論をすることを、各会派が主張したので、引き続き正副幹事長会で議論することになりました。
20日の正副幹事長会で、河原幹事長より、本橋ひろたか都議会議員からの聞きとり調査の報告が、口頭でありました。本橋元議長は「旧統一教会の関連団体であるという認識はなく、国連関係のNGOで、各種ボランティア活動を積極的に行っている団体と認識をしていた」とのことでしたこの間他の議長は、この団体に支出していないのに、なぜ本橋元議長だけに世界平和女性連合全国役員会総会懇親会という全国的な組織の案内状が届いたのか、当時の会費15000円は額としても大きいし、区内で開催したのか、区外なのか、疑念が広がってきました。これらの疑念に応えるためにも、再度の聞き取りと文書での回答を求めました。河原幹事長は、「今日の質疑を含めて、本人に伝え、どう対応するか、報告する」と答えました。引き続き議論することになります。
以上で討論を終わります。ご清聴、ありがとうございました。